ブルゴーニュ〜Bourgogne〜

ブルゴーニュ地方のワインの特徴

ブルゴーニュ〜Bourgogne〜

ブルゴーニュはフランスワインを好きになる方が最終的に行き着く産地のイメージがありますね。ブルゴーニュの造り手や、各畑のテロワールに詳しい方は非常に多く、高級なグランクリュのワインはワイン好きの憧れの対象になっています。

非常にイメージが良い産地。モンラッシェとかシャンベルタンと聞くだけで(飲んだことが仮になかったとしても)、ありがたがってしまうほどの認知度の高さは異常なほどです。何年のなんとかを飲んだことがあるということを自慢する人もいますよね(飲んだことがあるだけではあまり意味ありませんが‥)

もちろんブルゴーニュは素晴らしいワイン産地ですが、他の産地より特別に優れているとは思いません。どのワイン産地も(もちろん他の国の産地も)、等しく魅力的です。重きを置いている価値の方向性が違うだけです。

ブルゴーニュの面白さは、単一品種、赤ワインはピノノワール、白ワインはシャルドネを使って、小さなクリマの味わい、差異を表現しているところでしょうか。

各畑ごとに明確な特徴があり、隣同士の畑でも驚くほど味わいが違ったりします。そしてそれを多くの方が共通認識として共有できているところが楽しいところです。共通認識と言いましたが、もちろん解釈の仕方や、造り手の個性などもあります。でも基礎の部分の認識がみんなできているので議論もより白熱すると言いますか、盛り上がるのです。

ブルゴーニュと修道院

ブルゴーニュはクリュニー派とシトー派の修道士によって開墾された畑が基本となっています。フランスワインは全体としてキリスト教的な味わいだと思いますが、特にブルゴーニュにその傾向は顕著です。

宗教的な威厳のある敬う対象としてのワイン、神に繋がるためのワインを基準とするなら、ブルゴーニュは最高のワイン産地です。

ブルゴーニュ地方の歴史

ブルゴーニュはこの地にあったブルグント王国に由来する名称です。ブルゴーニュ公国時代には最盛期を迎え、ベルギーの方まで領地をもつ巨大な公国でした。先に書いたように修道院との関わりの中で発展した地域です。

ブルゴーニュ地方の料理、食材

ブルゴーニュはワインを使った料理が多いですね。牛肉の赤ワイン煮込みであるブフ・ブルギニヨンに始まり、雄鶏の赤ワイン煮込みのコック・オー・ヴァン、ウフ・アン・ムーレットもそうですね。

ブフ・ブルギニヨンは色んな部位のルセットを見かけますが、牛頬肉が多いかなと思います。牛肉の赤ワイン煮込みと書くとビーフシチュー的ですが、液体部分は少なく、ソースがかかっている感じのところが多いですね(液体多めのシャバシャバなのもフランスで食べたことありますが)

日本で見かけるものは濃厚で甘味が強くこってりしたものが多いですが、フランスだと甘味も抑えてサラリと仕上げています。

コック・オー・ヴァンは名前に付いている通り、コック=未去勢の雄の成鷄、を使用した料理で、肉質の硬いコックを赤ワインに漬け込み、長時間煮込んだ料理です。

ですが、今はコックではなくプーレ=雄の若鳥、を使用するケースが多いですね(フランスだったらプーレジョーヌとか)

ウフ・アン・ムーレットは赤ワインで作るポーチドエッグみたいなものです。

ワインを使ったもので言うと、レジネというぶどうで造るコンフィチュール(ジャム)もあります。

ブルゴーニュはエスカルゴも有名です。エスカルゴ・ブルゴーニュ風は、エスカルゴの食べ方で、もっともポピュラーですね。パセリ、ニンニク、バターなどで作るエスカルゴバターと一緒に専用の器に入れてオーブン焼きした料理です。

ブルゴーニュで使われるエスカルゴは、名前もエスカルゴ・ド・ブルゴーニュと呼ばれる大きなエスカルゴです。日本ではリンゴマイマイと呼ばれる種類です。フランスには他にプティ・グリという小さなエスカルゴも食用にされています。

ブルゴーニュの代表的な街であるディジョンはマスタードで有名ですね。ディジョンはマスタード代名詞にもなっています。

レストランのアミューズの定番、チーズ入りのシュー生地のグジェールもディジョンのお菓子屋が最初に作ったものです。

今は小さなグジェールの方がよく見かけると思いますが、元々は大きなシューです。

ディジョンはパン・デピスも有名です。

ブルゴーニュ地方の土壌

ブルゴーニュモンラッシェ

ブルゴーニュは基本、ジュラ紀中期の石灰岩、または泥灰岩の土壌です。ジュラ紀中期と一言で言ってもその中にもいくつかの土壌がありますが、その微妙な差異によって異なる味わいのワインが生まれます。もちろんこれは他のワイン産地も同様ですが、隣同士の小さな畑の差異までも明確になっているのがブルゴーニュです。

表土、母岩、標高、斜度などと言ったクリマの違いがそのまま味わいに出ます。もちろん造り手によっても味わいは変わりますが、どの造り手のワインを飲んでもこういったテロワールの味わいは表現されているように思います。

ブルゴーニュ地方のぶどう品種

先に書いたようにブルゴーニュのぶどう品種はピノノワールとシャルドネです。ピノノワールとシャルドネを基本的に単一で使用しながら、クリマの特徴を生かした多彩な味わいのワインを造り上げます。これは非常に探求する価値のある分野で、多くの愛好家やプロのソムリエたちがのめり込むのもわかりますが、ブルゴーニュの品種はピノノワールとシャルドネだけではありません。

現在でも白ぶどうだとアリゴテがありますし、黒ぶどうではガメイもありますね。ガメイはボージョレの主要品種で、コート・ドールではほぼ見かけませんが、マコンにも植えられています。ですが、昔はもっとたくさんの品種がありました。ソムリエ教本で名前だけは覚えるサシーやムロン・ド・ブルゴーニュもそうですし(今も少しある。サシーは飲んだことありませんが非常に興味があります)、ピノ品種(ピノグリ、ピノブラン)もあり、今は消えてしまった品種も多数あったようです。

それらが混植されていたのがもともとの姿で、今の姿はフォロキセラにより、ぶどうの木が全滅しかけた後に、接ぎ木により復興した姿です。その時、同時に品種も選別され、ほぼピノノワールとシャルドネという現在の状態になりました(ガメイ引き抜き令もあり、そもそもピノノワールが優遇されていましたが)

加えて接ぎ木という植物にとって自然では無い姿のなった影響も大きいはずです。今では想像するしか無いフィロキセラ前の昔の姿。きっと全然違う印象をもつワインだったことでしょう(今のワインが当時より劣っているとは思っていませんが)

現在でも少数ですが、混植混醸でワインを造る造り手もいます。接ぎ木していない自根のワインも一応あるようです(ほぼゼロです)

ブルゴーニュ地方のワイン生産地域

ブルゴーニュのワイン生産地域は北からシャブリとオーセロワ、コート・ドール(コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌに分かれる)、コート・シャロネーズ、マコネ、ボージョレに分かれています。それぞれ特徴あるワインを生産しています。

どのエリアも魅力的なワインを生み出す産地ではありますが、一般的にブルゴーニュというとコート・ドールのワインをイメージする方がほとんどだと思います。高額で確かに素晴らしいワインが数多くあるブルゴーニュを代表する産地だとは思いますが、後述するグランクリュやプルミエクリュといったピラミッド型の階層を理解した上で(グランクリュはコート・ドールとシャブリにしかない)、各産地を並列で見ることが大切です。

ブルゴーニュ地方のグランクリュとプルミエクリュ

ブルゴーニュヴォーヌロマネサンヴィヴァン

ブルゴーニュのアペラシオンは広域のACブルゴーニュがあり、その上に村名ワインがあり、プルミエクリュ、グランクリュと階層が分かれています。グランクリュは、その畑のみで完成されたワインです。

基本的にグランクリュはブレンドが出来ませんが(例外はある)、プルミエクリュはブレンドが出来ます。単一畑でその畑の個性を前面に出したワインも良いですが、プルミエクリュはブレンドすることで、その村の個性を表現できるとも考えられます。加えてグランクリュとは違い、何かが欠けているプルミエクリュの畑はブレンドすることで、補完しあい、バランスのとれた味わいになります。

プルミエクリュの各畑の特徴を理解して、自分でブレンドするのも面白いかもしれません。

広域地域名ブルゴーニュ

ブルゴーニュのアペラシオンの中で一番お手頃なA.O.C.ブルゴーニュ。より格の高いアペラシオンと違うところは、様々な地域のワインをブレンド出来るところです。

A.O.C.ブルゴーニュを購入する時は、そのワインが、どこのぶどうを使っているのかを把握することが大事になってきます。

多くの生産者は本拠地周辺のぶどうを使うことが多いですが、色んな村に畑を持っている造り手や、ぶどうを購入している場合は、いくつもの村のぶどうがブレンドされています。

これは考え方によってはかなり面白いことで、様々な村の長所を取り入れたワインが生まれる可能性があります。

もちろん、広域地域名に使われる畑は、村名などを名乗れない畑の場合が多いですが(斜面下の沖積土壌、国道の東側)、雰囲気は感じ取れることもありますし、なんらかの理由で、格が高い畑がデクラセ(格下げ)されて、使用されていることもあります。

そういう部分を踏まえて味わうと広域地域名ブルゴーニュも非常に楽しめます。

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