ワインの基礎

クレーレット(クレレット)〜フランスの主要ぶどう品種の特徴〜

クレーレット(クレレット)〜Clairette〜

クレーレットは南仏で栽培されている白ぶどう品種です。クレーレット100%のアペラシオンもありますし、アペラシオン名にもなっている南仏の伝統品種ですが、ブレンドされていることの方が多く、クレーレットもまた特徴が掴みにくい品種です。

南仏の最古のぶどう品種で、軽視されがちですがとても大切な品種です。

正式名称はクレーレット・ブランシュです。クレーレット・ロゼもあります(クレーレット・ブランシュの突然変異)

クレーレットの原産地はプロヴァンスと考えられていますが、ラングドックという説もあり、現代のクレーレットの主産地はラングドックです(加えてコート・デュ・ローヌ)

クレーレット100%のアペラシオンはクレーレット・ド・ディー・メトード・トラディショナル、クレーレット・ド・ベルガルド、コトー・ド・ディー、クレーレット・デュ・ラングドックです。

最後のクレーレット・デュ・ラングドックのみラングドック地方のアペラシオンで、他の3つはコート・デュ・ローヌのアペラシオンです。

クレーレット・ド・ディーはメトード・アンセストラルの場合はミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランが主体で、クレーレットは補助品種です。メトード・トラディショナルのみクレーレット100%。

クレーレット・デュ・ラングドックはデノミナシオンとして11の村名を名乗ることが出来ます。昔のアペラシオンの名前として使われていたアディサン(クレーレット・ダディサン)やアスピラン、カブリエールなどが知られています。

コトー ・デュ・ラングドックはスティルの白ワインとV.D.L、そしてランシオがあります。

これらのクレーレット100%のワインは日本ではほとんど見かけることがなく、たまにクレーレット・ド・ディーを見るくらいですが、それはミュスカ主体だったりするので、クレーレットの個性を勘違いしてしまう可能性すらあります。

クレーレット100%ではないアペラシオンで、クレーレットの名前を良く聞くのはコート・デュ・ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプやプロヴァンスのパレット、カシーでしょうか。

クレーレットは非常に晩熟なぶどう品種です。骨格のあるカチッとしたタイプで、重さはなく伸びやかです。リースリングやソーヴィニヨンブランなどほどまっすぐではなく、適度な固さです。

酸は低くアルコールは高くなりがちです。ほのかな苦味が味わいを引き締めています。

シャトーヌフ・デュ・パプ・ブランなどでもグルナッシュブランだけでは形状が緩くなりがちなので、少しクレーレットをブレンドすることで味わいを引き締めます(シャトーヌフ・デュ・パプでは赤、白問わずクレーレットとクレーレット・ロゼが使用可能です)

プロヴァンスのカシーの白ワインではクレーレット、パレットの白ワインではクレーレットとクレーレット・ロゼが主要品種の一つとなっていますが、必ずしも加えないといけないわけではありません。ですが僕が知る限りはクレーレットが少量でも入っているワインがほとんどです。

ブールブーラン同様、南仏白ワインの構成要素として欠かせない大切な品種だと思います(伝統を考えるとクレーレットの方が重要度が高い)


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