コート・デュ・ローヌ〜Côtes du Rhône〜

コート・デュ・ローヌ地方のワインの特徴

ローヌシャトーヌフデュパプ

コート・デュ・ローヌ〜Côtes du Rhône〜

コート・デュ・ローヌはフランス南東部、ローヌ川沿いに200キロに渡って広がるワイン産地です。コート・デュ・ローヌは北部と南部に分かれます。北部と南部では気候も景観も異なりますし、ワインのスタイルも変わるので分けて考える必要があります。

コート・デュ・ローヌ地方の歴史

コート・デュ・ローヌ=ローヌ渓谷は、紀元前後、ローマ帝国の属領ナルボンヌ地方の一部で、ぶどう栽培地の北限でした。コート・デュ・ローヌ北部にぶどう畑が広がったのは1c以降です。

ローマ帝国の時代に栄え、ローマ時代の遺跡も多く残ります。交通の要所としてヴィエンヌやオランジュ、ニームなどが栄えました。

ローヌ渓谷の歴史の中で最も重要な出来事は、教皇のバビロン捕囚とも言われる14cのローマ法王庁のアヴィニョン移転です。

フランス王フィリップ4世と教皇ボニファティウス8世の対立があり、1303年、フランスはアナーニの別荘にいた教皇を襲撃します(アナーニ事件)

教皇は捕らえられ、その後病死します。

フィリップ4世は、アキテーヌ出身のボルドー大司教であるベルトラン・ド・ゴを教皇に就けることに成功します。

ベルトラン・ド・ゴは、クレメンス5世として即位し、フィリップ4世の要請を受けて、1309年に教皇庁をアヴィニョンに移しました。

その後、1377年まで7代に渡って教皇庁はアヴィニョンにありました。この時選ばれた教皇は全てフランス人です(ただこの当時のアヴィニョンはフランス王家の領土ではなく、プロヴァンス伯領)

それまでは田舎だったアヴィニョンに教皇庁が来たことで、この地域は大きく発展することになります(急激な変化に対応できず治安も悪く汚い街だったようですが)

クレメンス5世はボルドーのグラーヴにぶどう畑を所有していて、それが今日のシャトー・パプ・クレマンです(パプは教皇の意味で、クレマンはクレメンスのこと)

また、2代目のアヴィニョン教皇であるヨハネス22世は、アヴィニョンの北に位置するオランジュ近郊にぶどう畑を造ります。それが今日のシャトーヌフ・デュ・パプです(教皇の新しい城の意味)

1377年に教皇グレゴリウス11世はローマに戻りますが、フランス側も教皇を選出、教皇が二人になる教会大分裂が起こります(その後教皇が3人になる事態になります)

コート・デュ・ローヌ地方の料理、食材

コート・デュ・ローヌ地方の料理と言ってもどこまで範囲を広げるか難しいところではあります。コート・デュ・ローヌ北部のさらに北に位置する大都市リヨンを含めることも出来ますが、ここではワイン産地としてのコート・デュ・ローヌの街と関わりのある料理をあげます。

仔羊のドーブはコート・デュ・ローヌ地方で良く食べられる料理です。ドーブは煮込み料理で、ローヌ地方に限ったものではなく、プロヴァンス風の方が知られているかもしれません。

赤ワインで煮込んだり白ワインで煮込んだり色々ですが、アヴィニョンの名物もドーブで、ドーブ・アヴィニョネーズという仔羊の白ワイン煮込みがあります。

また羊だと、シストロン産の仔羊であるアニョー・ド・シストロンも有名です(シストロンは場所としてはプロヴァンスのぶどう畑が広がるエリアの北側に位置します)

ワイン産地としてはコート・デュ・ローヌ地方のリュベロンは観光名所としても有名ですが(シストロンからもそんなに遠くないです)、ウサギを使った料理が知られています。テリーヌ・ド・ラパンや、ラパン・オ・ポム(ウサギとリンゴなどの煮込み)があります。

プロヴァンスの記事で紹介したメロンで有名なカヴァイヨンはリュベロンのすぐ西側です。

コート・デュ・ローヌ北部のスタート地点であるモンテリマールは、特産のアーモンドと蜂蜜を使用したヌガーが名産品です(ヌガー・ド・モンテリマール)

コート・デュ・ローヌ地方のぶどう品種

コート・デュ・ローヌは北部と南部でぶどう品種も違います。北部は赤ワインはシラー、白ワインはヴィオニエやルーサンヌ、マルサンヌを使用してワインを造ります。南部はシラーも使いますが、グルナッシュやムールヴェードルなども使用し、複数品種をアッサンブラージュしてワインを造ります。南部の白ワインはグルナッシュブランなど、こちらも数種類の品種をアッサンブラージュするものが多いです。

コート・デュ・ローヌ北部〜ぶどう品種とワイン生産地域〜

コートロティ

ヴィエンヌからヴァランスまでがコート・デュ・ローヌ北部です。赤ワインで使用される品種は先に書いたようにシラーですが、少量白ぶどうも加えることが出来るアペラシオンが多いです。エルミタージュ、コート・ロティ、コルナス、サンジョセフ 、クローズ・エルミタージュといったアペラシオンがあります。クローズ・エルミタージュを除いて、全てまっすぐ上に伸びていくタイトなワインです(ドスンと重いワインではない)

白ワインはヴィオニエやルーサンヌ、マルサンヌですが、これらの品種は赤ワインにも少量加えられることがあります。アペラシオンは基本的に赤ワインと同じですが、コルナスは白ワインは作れません。最も有名な白ワインのアペラシオンは白ワインのみが認められているコンドリューです。

コート・デュ・ローヌ北部の赤ワイン

コート・デュ・ローヌ北部の赤ワインのアペラシオンを比較すると、コルナスは粗さがあり、コートロティはより硬質(コートロティにも北と南があり印象は違う)、エルミタージュは滑らかで品があります。値段的にはコートロティが高級ですが、品位のある味が最も感じられるのはエルミタージュだと思います。

クローズ・エルミタージュだけ異質で、ある意味使いやすい。硬くなりがちなシラーですが、クローズ・エルミタージュはレス土壌などもあり、すこしふんわりしています。他のエリアは急斜面ですが、クローズ・エルミタージュは緩斜面や平地です。名前にエルミタージュと付くのでエルミタージュの安価版みたいに思うかもしれませんが、方向性は違います。

コート・デュ・ローヌ北部の白ワイン

白ワインはヴィオニエを使ったコンドリューが先に書いたように最も知られています。南仏や、他の国でもヴィオニエを見かけますが、圧倒的にコンドリューがヴィオニエには合っている土地だと思います(花崗岩の土壌で、それだけで考えると、他の産地でも良さそうですけど、比べるとコンドリューが圧倒的)

コンドリューは拡大して大分大きなエリアとなっていますが、オリジナルのエリア、コンドリュー村周辺のワインは特におススメです。

サンジョセフの白もクオリティが高く、マルサンヌやルーサンヌを使ってボリューム感のあるワインを造っています。サンジョセフに限らずローヌ白は、重め、濃いめのワインが欲しい時の第一候補です。

コート・デュ・ローヌ南部〜ぶどう品種とワインの特徴〜

ローヌネルトシャトーヌフデュパプ

ヴァランスからアヴィニョンにかけて広がるエリアがコート・デュ・ローヌ南部です。コート・デュ・ローヌ南部は南北だけではなく東西にも広いエリアとなっています。

コート・デュ・ローヌ南部の赤ワインは、北ローヌのシラー単一とは異なり、グルナッシュやシラー、ムールヴェードル、サンソーなどを使った複数品種のブレンドワインです。

白ワインは様々な品種が使用されますが、グルナッシュ・ブランがメインのものが多いです。その他クレーレットなどもコート・デュ・ローヌ南部にとって大切な品種です。

コート・デュ・ローヌ南部の赤ワイン

コート・デュ・ローヌ南部の赤ワインは基本的に柔らかく、複数品種による複雑さが感じられるワインが多いです。その中でも最も偉大なワインを生むのがシャトーヌフ・デュ・パプです。複雑さと大きさ、余韻の長さが圧倒的です。昔は非常に濃く造られたワインが多く輸入されていましたが、今ではだいぶ変わり、複雑でありながらすっきりとした抜けのいいワインが入ってきています。

シャトーヌフ・デュ・パプは教皇の新しい城という意味で、一時期、教皇庁があったアヴィニョンからも近く、アヴィニョン捕囚時代の教皇と深いかかわりのある歴史あるワインです。

シャトーヌフ・デュ・パプは、フランスのアペラシオンの中でも特に多い13品種のぶどうを使うことが許されているワインで(正確には18品種)、白ぶどうも加えることが出来るので抜けがいいワインになります(全品種使わないといけないわけではなく、グルナッシュ単一のものもあれば、白ぶどうが入らないものもあります。白品種だけの白ワインもあります)

ガレルーレという大きな石が畑中に転がっていて(全ての畑ではない)、よくこんな場所にブドウを植えようと思ったなぁと感心してしまいます。

タヴェルやリラックは、シャトーヌフ・デュ・パプと似た土壌で、こじんまりとはしますが、美味しいワインが出来ます。タヴェルはロゼが有名で、マセラシオンが長く濃い色をしていますが、土壌自体は重くないし、石灰も少ないので優しい味です。

ジゴンダスは標高が高く、南ローヌの中では柔らかさがなくタイトなワインとなります。

コート・デュ・ローヌ南部の白ワイン

南ローヌの白ワインの代表もシャトーヌフ・デュ・パプ・ブランです。クオリティも高く、使い勝手も良いワインです。使用出来る品種は規定としては赤ワインと同様ですが、基本的に白ぶどうのみが使用されます。

他にも白ワインが認められているアペラシオンは多数ありますが、コート・デュ・ローヌ南部は赤ワインが主軸となっているものが多いです。

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