ルーション〜Roussillon〜

ルーション地方のワイン

ルーション風景ペルピニャン

ルーション〜Roussillon〜

ルーション(ルシオン)は、ラングドック&ルーションとひとまとめにされてしまうワイン産地ですが、文化圏的には違います。名前の由来はペルピニャン近郊の軍事要塞のルシノからきています。

南西地方のフランス領バスクと同じく、ルーションもスペインのカタルーニャ地方と一緒に考えた方が自然です。もともとカタルーニャ君主国に属していた地域です。

中心の都市はペルピニャン。スペイン側のカタルーニャ州にはバルセロナがあります。世界一予約の取れないレストラン、と呼ばれていたエル・ブリがあったのもカタルーニャ州です(バルセロナから車で2時間くらいのロザスの辺り)

ルーション風景ペルピニャン

ルーション地方とカタルーニャの歴史

ルーション地方は歴史的にカタルーニャの一部であり、共通の歴史があります。現在でも他のフランスとは違うカタルーニャならではの文化が色濃く残っています。ルーションを理解するためにはカタルーニャ、そしてスペインの歴史も含めて理解しないといけない部分です。

カタルーニャ州のワイン産地

スペインのカタルーニャ州のワイン産地の説明も軽く書きます。カタルーニャ州には11のDO(原産地呼称)が認められています。特に知られているのはペネデスとプリオラートです。

ペネデスは地中海沿いのエリアで、全体として石灰岩ではありますが海沿いの低地の方が岩っぽいワインが生まれます。スペインの他の地域と比べて降水量が多いのも特徴です。

またカヴァ(カバ)もDOの1つですが、カヴァは地域の名称ではなく、スペインのシャンパーニュ製法で造られるスパークリングワインで、カスペイン全土で認められている地域があるDOですが、ほとんどはペネデスで生産されています。

カヴァのぶどう品種はマカベオ、パレリャーダ、チャレッロが基本です。ほとんどが白のスパークリングワインですが、黒ぶどうを加えてロゼを造る場合もあります。カヴァは色々な地域で造られているため、他のDOのようにその土地の個性を示すものではない不思議なDOです。元々はチャンパンと呼ばれていましたが、シャンパーニュ地方からの抗議により、カタルーニャ語で洞窟を意味するカヴァと呼ばれるようになりました。

チャレッロやパレリャーダはフローラルで華やかな香りの品種でその香り高さがカヴァの特徴です。以前は、割と熟成感のあるカヴァが多く見られましたが、現在のカヴァはさらっとして飲みやすく、シャンパーニュとは同じ製法とはいえ随分と違う方向にあります。

プリオラートは原産地呼称制度の最高位のDOCa(特選原産地呼称)に認定されています。ペネデスの南西、もう少し内陸に位置する産地です。

ぶどう栽培自体は12c頃から行われていましたが、品質とは無縁の地域で近年になり注目を集めるようになりました。DOCaに認定されたのは2009年です(DOには早い段階で認められている)

ぶどう品種は伝統品種のガルナッチャ・ティンタやガルナッチャ・ペルーダ、カリニェナにカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、シラーなどをブレンドするスタイルで、現代的な製法を用い新しいタイプのスペインワインとして脚光を浴びました(品種構成を見るとラングドックのカバルデスやマルペールのようですね。プリオラートには白ワインもありますが、白は土着品種)

リコレリャと呼ばれる褐色のスレート土壌から硬質でしなやかなワインが生まれます。

ルーション地方のぶどう品種

ルーションで栽培されているぶどう品種自体はラングドックやコート・デュ・ローヌ南部と同じく赤ワインだとグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルなどです。全体的にラングドックよりグルナッシュ比率が高いように思います。

白ワインはグルナッシュ・ブランやヴェルメンティーノ、マカブーなどのブレンドです。ですが後述するコート・デュ・ルーションのアペラシオンでは白ワインを造れるとはいえ、コート・デュ・ルーション・ヴィラージュでは赤ワインのみですし、一部のアペラシオンや酒精強化ワイン以外は赤ワインのみの規定となっています。コート・デュ・ローヌ南部と同じく赤ワインが主なワイン産地です(味わいもどこに近いかというとコート・デュ・ローヌ南部)

ルーション地方のワイン生産地域〜コート・デュ・ルーションとコート・デュ・ルーション・ヴィラージュ〜

クリュが細かく分かれているラングドックと違い、ルーションはほとんどのエリアがコート・デュ・ルーションとなります(あとはI.G.P.のコート・カタラン〜Cotes Catalanes〜など)エリアが広く、特徴がわかりずらい産地です。

ラングドックと共通の品種とは言え、全体的にはラングドックほど硬くはなく、柔らかく厚みのあるワインを生みます。とは言えコート・デュ・ローヌ南部よりは硬く、また村名付きのコート・デュ・ルーション・ヴィラージュなど良い産地になるほどかっちりします。

村名付きのコート・デュ・ルーション・ヴィラージュはコート・デュ・ルーション・ヴィラージュの中でも格上のいくつかのエリアで、果実味が豊かでタンニンの強いカラマニー、 カチッと抜けがいいトータヴェル、さらっとしたレスケルドなどがあります。

コート・デュ・ルーションの詳しい紹介はこちらからどうぞ。

ルーション地方の酒精強化ワイン

ルーションを語る上で忘れてはならないのが酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)です

ルーションは酒精強化ワイン発祥の地でもあります。モーリー、リブザルト、バニュルスのV.D.N.(ヴァン・ドゥ・ナチュレル)は有名ですね。甘口が多いですが、辛口のセックもありますし、酸化熟成させたランシオもルーションのものは美味しいです。探せば古いヴィンテージのものも結構見つかります。1940年とかが普通に売られていて値段もそこまでではないのはすごいですね。

ルーションの酒精強化ワインの各生産地域の詳しい紹介はこちらからどうぞ。

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