ワインの基礎

ネグレット〜フランスの主要ぶどう品種の特徴〜

ネグレット〜Négrette〜

南西地方フロントンの主要品種ネグレット。同じく南西地方のプリュヌラールと親子関係にあり、カオールのぶどう品種マルベックもプリュヌラールの子なので親戚と言えます。

ネグレットとプリュヌラールはどちらが親か現在では不明ですが、ネグレットは十字軍の時にキプロスから持ち帰ったマヴロという品種のことだど言われていますので、それが正しいならネグレットが親だと思います(味わいも少し他のフランス品種の方向と違いますし正しい気がします)

ネグレットもそうですがプリュヌラールもどこかトルコとかそっち方向の味です(ゆったり厚みがあって、独特の果実感、緊張感のなさ)マルベックになるとフランスになった感じがします。

フロントンはネグレットの他、プリュヌラールやマルベックを含めたいくつかのぶどうが使用可能ですが、必須なのはネグレットだけで、ネグレット100%でもワインが造れます(使える品種自体はそこそこ多い)

フロントンのワインは伸びやかで押さえつけられた部分がなく楽な感じがします。でもダレてません。安定感、落ち着く味わいです。

フロントン以外のエリアは南西地方だと、アントレーグ・ル・フェルとエスタンがA.O.C.に昇格する以前のV.D.Q.S.時代にはネグレットが使用可能でしたが、現在は使えません。

代わりにネグレ・ド・バナールが使えるようになっていますが、以前はこちらをネグレットだと誤認していたようです。

南西地方以外でネグレットが使用可能なアペラシオンは、ロワール地方のフィエフ・ヴァンデアンです。ペイナンテのミュスカデのエリアの南部にある飛地のアペラシオンで、この地域の赤ワインはピノノワール主体ではありますが、ネグレットも使用可能です(他にガメイ、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨンが可能)

フィエフ・ヴァンデアンのエリア自体いくつかに分かれていてつながっていません(それぞれデノミナシオンが名乗れ、西からブレム、マルイユ、シャントネイ、ヴィクス、ピソット。デノミナシオンごとに若干規定が違う)

フィエフ・ヴァンデアンは、ミュスカデのエリア同様、シストや流紋岩など入り組んだ土壌で、品種規定も含めてかなり興味深い地域ですが、きちんと特徴を把握できていません。

とりあえずはネグレットは、フロントンの品種という認識で問題ないと思います。


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