コート・デュ・ローヌ〜Côtes du Rhône〜

コート・デュ・ローヌ南部のワインの特徴

シャトーヌフデュパプ

コート・デュ・ローヌ南部〜Meridional〜

北ローヌの南端ヴァランスからしばらくはぶどう畑はありませんが、モンテリマール周辺から再びぶどう畑が広がり始めます。モンテリマールからアヴィニョンにかけてのエリアが南ローヌで、北ローヌとは違い東西にも広い地域です。

北ローヌの景色とは異なり、緩やかな起伏のエリアです。ガリーグやハーブなども見られます。

南部は、地中海性気候です。ミストラルという風速30m/秒ほどの冷たく乾燥した風が吹きます。

ローヌ風景ケランヌ

AOCコート・デュ・ローヌ

広域アペラシオンのコート・デュ・ローヌは南部に限ったアペラシオンではありませんが、北ローヌは銘醸地が多く、コート・デュ・ローヌのアペラシオンで流通することは少ないです。南ローヌのアペラシオンという認識でいいと思います。

北ローヌのAOCコート・デュ・ローヌはシラー主体ですが、ブレンドすることも可能です。北ローヌは基本シラーのみのアペラシオンばかりなので、AOCコート・デュ・ローヌには違った可能性を感じます。

コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュは、コート・デュ・ローヌ内の95のコミューンで認められていて、その中でも南ローヌに位置する20のコミューンはヴィラージュの後ろにコミューン名をつけることができ、より質が高いと言われています。

コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・コミューン名(20)
  • ロエックス〜Roaix〜
  • サブレ〜Sablet〜
  • セギュレ〜Seguret〜
  • ヴィザン〜Visan〜
  • ヴァルレアス〜Valréas〜
  • マッシフ・デュショー〜Massif d’Uchaux〜
  • プラン・ド・デュー〜Plan De Dieu〜
  • ガダーニュ〜Gadagne〜
  • ヴェゾン・ラ・ロメーヌ〜Vaison La Romaine〜
  • シュスクラン〜Chusclan〜
  • ローダン〜Laudun〜
  • サン・ジェルヴェ〜Saint Gervais〜
  • シニャルグ〜Signargues〜
  • ロシュギュード〜Rochegude〜
  • ルーセ・レ・ヴィーニュ〜Rousset-les-Vignes〜
  • サン・モーリス〜Saint Maurice〜
  • サン・パンタレオン・レ・ヴィーニュ〜Saint Pantaléon les Vignes〜
  • スューズ・ラ・ルス〜Suze la Rousse〜
  • ピュイメラ〜Puyméras〜
  • セントセシル〜Sainte Cécile〜

コミューン名付きのコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュは基本的に赤ワイン、ロゼワイン、白ワインが認められていますが、赤ワインだけしか認められてないコミューンもいくつかあります。

各コミューンの特徴を全て把握するのはなかなか大変ですが、いくつか紹介します。

コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・サブレは名前の通り砂質でサラリとした個性です。ヴィザンは独特の出汁にも通じる旨味が特徴、マッシフ・デュショーは白亜紀の石灰岩で非常にカチッとした個性で南ローヌぽくない味です。でもとてもかっこいい。ジゴンダスやボーム・ド・ヴニーズぽい方向性。

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シャトーヌフ・デュ・パプ〜Chateauneuf du Pape〜

フランスのアペラシオンの中でも格段に多い13品種のぶどう品種が認可されているシャトーヌフ・デュ・パプ。雄大で複雑な味わいのワインを生み出します。アヴィニョンの北に位置します。

シャトーヌフ・デュ・パプの詳しい紹介はこちら

ジゴンダス〜Gigondas〜

ジゴンダスは南ローヌの中でも標高が高いエリアです。シャトーヌフ・デュ・パプの北東部です。グルナッシュ主体で、通常グルナッシュのワインは少しどっしり感のあるものが多いですが、ジゴンダスのワインは引き締まっていてカチッとしています。

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ヴァケラス〜Vacqueyras〜

ヴァケラスはジゴンダスの南側に隣接しています。ヴァケラスは基本的に平地のワインです。暑く乾燥したエリアです。グルナッシュ主体で、どっしりしつつミネラリーなワインを生みます。

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タヴェル〜Tavel〜

タヴェルはロゼワインのみのアペラシオンです。シャトーヌフ・デュ・パプのローヌ川を挟んだ対岸(西側)です。しっかりとマセラシオンをした濃いめのロゼを造ります。

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グリニャン・デ・ザデマール〜Grignan les Adhemale〜

コート・デュ・トリカスタンから2010年に名称が変更となったグリニャン・デ・ザデマール。南ローヌの最北端に位置し、21の村に認められている広いエリアです。グルナッシュが栽培できる北限とも言われていて実際、この辺のエリアはシラーの方が良いようです。

ドメーヌ・サン・リュックのグリニャン・レ・ザデマール・トラディションもシラーの割合の方が多いワインです。ナチュラルな栽培です。

コート・デュ・ヴィヴァレ〜 Cotes du Vivarais〜

ローヌ川を挟んだグリニャン・デ・ザデマールの対岸のエリア。コート・デュ・ヴィヴァレの代表的な生産者はアラン・ガルディです。ナチュラルな栽培で樽も控えめに主張します。コート・デュ・ヴィヴァレのアペラシオン認定は1999年ですが、アラン ・ガルディのみ1995年から認定されていました。赤も白もさらっとしたテイスト。

ヴァンソーヴル〜Vinsobres〜

ヴァンソーブルはグリニャン・デ・ザデマールの南東に位置する地域です。以前はコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴァンソーヴルでしたが、2006年に単独のアペラシオンとして認められました。元々はオリーブの畑で、ぶどうが栽培され始めたのは20世紀半ば以降と新しいワイン産地です。ヴァンソーヴルも南ローヌ北部の産地ですが、品種構成としてはグルナッシュが50%以上という規定です。砂利や粘土の土壌。石が多く熱を蓄えるため暖かい地域で、ぶどうは早く熟します。赤ワインのみの産地です。

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ボーム・ド・ヴニーズ〜Beaumes de Venise〜

ボーム・ド・ヴニーズはジゴンダスの東側に位置するワイン産地です。VDN(ヴァン・ドゥ・ナチュレル)のミュスカ ・ド・ボーム・ド・ヴニーズが単独のアペラシオンとしてあり、赤ワインはコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュでしたが、2005年に赤ワインも単独のアペラシオンとして認められています。

ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズは白ワインが多いですが、ロゼワインや赤ワインも認められていて、ぶどうはミュスカ・ア・プティ・グランのブランかルージュです。

ボーム・ド・ヴニーズはジゴンダス同様、標高が高く、場所によってはジゴンダス以上です(600mにまで達する)タイトでカチッとしています。基本は三畳紀の土壌です。

ダンテル・モンミライユの裾野にぶどう畑が広がっていて起伏があり、ミストラルから守られます。ぶどう品種はグルナッシュ主体です。

ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズも同様に引き締まってカチッとします。

酒精強化ではないボーム・ド・ヴニーズは日本ではあまり見かけませんが、ドメーヌ・レ・グベールは凝縮度がありボーム・ド・ヴニーズらしい味わいです。

リラック〜Lirac〜

ローヌリラック

リラックは、タヴェルの北に位置するアペラシオンです。シャトーヌフ・デュ・パプのスケールを小さくしたような印象です。

ヴァントゥー〜Ventoux〜

ローヌヴァントゥー17

フランスでも最も古いぶどう畑があった地域の1つでもあるヴァントゥー。ボーム・ド・ヴニーズの南東に広がります。以前はコート・デュ・ヴァントゥーというアペラシオンでしたが、ヴァントゥーに変更になっています。

ユネスコの生物圏保護区に指定されているヴァントゥー山を中心に畑は広がり、ヴァントゥーの畑は、ヴァントゥー山によりミストラルから守られています。ヴァントゥーも南ローヌでは少数派の粘土石灰質土壌です。標高も高めです。

リュベロン〜Luberon〜

プロヴァンス風景ゴルド リュベロン ヴォクリューズ ローヌ風景

リュベロン山があるリュベロン国立公園の中に畑は広がります。リュべロンも以前はコート・デュ・リュベロンというアペラシオンでした。フランスの中でも日照時間がもっとも長い地域の1つです。標高も高く、昼夜の気温差が大きいのが特徴。リュべロンの土壌は、小石、粘土、砂に石灰質もあります。

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デュシュ・デュゼス〜Duché d’Uzès〜

ユゼスの村の西側のワイン産地であるデュシュ・デュゼス。2013年にAOCとして認められました。南ローヌの西端のエリアです。コート・デュ・ローヌの中でも特に内陸で、昼夜の気温差が大きい地域。

コスティエール・ド・ニーム〜Costières de Nîmes〜

ローヌサンジョセフピエールガイヤール

コート・デュ・ローヌ南端。地中海にほど近く、地中海沿いに南に進むとラングドックです。緩やかな傾斜地。ニームの街周辺のエリアで、ニームはデニムの語源でもあり17c〜18cには絹織物産業で栄えた街です。土壌は沖積土壌と丸い小石。

クレーレット・ド・ベルガルド〜Clairette de Bellegarde〜

クレーレット・ド・ベルガルドも珍しいクレーレットのみを使用した白ワインの産地です。コスティエール・ド・ニームの東側です。沖積土と粘土質。

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ラストー〜Rasteau〜

ラストー15

ラストーはミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ同様、VDNで有名でしたが、2010年に赤ワインも単独AOCとして認められています。シャトーヌフ・デュ・パプの北側のコミューン名付きコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュが集まるエリアの中心あたりに位置します。

グルナッシュ主体ですが、補助で使用できる品種が非常に多い。粘土質、大きな丸い石。南ローヌらしい柔らかさ。

ケランヌ〜Cairanne〜

ケランヌ

ケランヌはラストーの西側に位置します。2016年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから単独のアペラシオンに認定されました。以前からケランヌの名称はよく知られていましたね。引き締まりがありつつしっとりと滑らかな質感。やはりケランヌも硬いワインではないです。

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