フィラディス 〜Firadis〜
正統派のまっすぐ整ったワインを多く扱うインポーターのフィラディス。
何を選んでも外さない安定感。ナチュール好きの方が見ると地味に見えるかもしれないですが、真っ当で、一見何気ないようでディティールまでしっかりと描かれた、味わうほどにクオリティの高さを実感させられるワインが多いです。姿勢を正して飲みたいワインです。
ナチュラルであることが、ワイン選択の基準にはなっていないと思いますが、オーガニックの作り手にはマークをつけてわかりやすくしています(結果、いいなと思うのはやっぱりナチュラルな造り手です)
フィラディスは勉強熱心な会社という印象があり、カタログには、地域の詳細が説明されています。フランスだとシャンパーニュ、アルザス、ロワールの説明がしっかりしていて、造り手が多いわけではありませんが、選ばれている造り手は、いい造り手ばかりです。
毎月、料理とのマリアージュなどのレポートが送られてきます。社員全員で検証しているようです。
一部検証の方法に疑問がある部分もありますが、会社全体でのレベルアップに力を入れているのがわかりますし、きちんとワインの話ができる方が多いです(意外と出来ない人が多いインポーターも‥)
ヌーヴェル・セレクション同様、クリアな方向性ですが、全体的にヌーヴェル・セレクションが扱うワインの方が柔らかく、フィラディスの扱うワインの方がかっちりして芯があり、フランスの高級ワインの方向性だなと思います(安めのワインも程度の差はありますが、そういう方向)
バックヴィンテージのワインも充実しています。ただあまり長く熟成したものよりは、若いワインや長くても10年程度のワインの方が、味わいに好感がもてる場合が多いです。
どの産地のワインもしっかりフィラディスらしさが出ていますが、特に好きなのはアルザスです。カタログの詳しい産地紹介も一番最初に書かれたのが確かアルザスだったと思います。
アルザスの作り手は4人だけで特別多くはないですが(どのインポーターもそのくらいかもっと少ないかもですね)、ヘリング、リーフェル、ギィ・ヴァッハ、エミール・ベイエと、素晴らしい造り手が揃っています。
特にグランクリュは、ヘリングのキルシュベルグ・ド・バール、リーフェルのゾッツェンベルグ、ギィ・ヴァッハのカステルベルグ、エミール・ベイエのアイシュベルグと、グランクリュの中でも上位に数えられるリューディばかりですが、テロワールの特徴をしっかりと表現したワインたちです。
シャンパーニュにも力が入っています。ル・メニル・シュル・オジェのクロード・カザル、クラマンのランスロ・ピエンヌと言ったグランクリュの魅力を堪能できるレコルタン・マニピュランが何人もいます。
グランクリュ以外でも砂質土壌の産地であるメルフィの造り手のシャルトーニュ・タイエを扱っていたりとバラエティに富んでいます。そこまで扱う生産者の数は多くないですが、非常に練られたラインナップだと思います。
フィラディスはお手頃な人気ワインを30本に絞って紹介していて、ワイン選びの参考になります(フランスワインだけではないですが)1本1本、合う料理とレシピが付いています。その他お任せ定期コースなどもおすすめです。