ソムリエ試験対策

ソムリエ試験対策2021〜シャンパーニュ地方の要点、ポイント〜

シャンパーニュルネジョフロワキュミエール

ソムリエ試験対策〜シャンパーニュ地方〜

世界で最も有名なスパークリングワインの産地、シャンパーニュ。安いワインはありませんが、全体的なクオリティの高さはフランス全産地の中でもトップだと思います。

シャンパーニュならではのルールを覚える必要がありますが、しっかりと体系が形作られている産地なので覚えやすいと思います。

シャンパーニュ地方のプロフィール

フランスのワイン産地で最も北。ぶどう栽培の北限。そのため発酵が終わる前に気温が下がり、発泡性のワインに意図せずになってしまうことがあった。

この発泡をガラス瓶の中で意図的に保つことが出来るようになり、欧州の宮廷などを虜にした。

石灰質の強い土壌であるシャンパーニュは地下に冷たく湿度の高いカーヴを作ることが出来、シャンパーニュを熟成させるのに最適だった。

メロヴィング朝クロヴィス(在位481〜511年)がランスの司教サン・レミからカトリックの洗礼を受けて以来、ランスのノートルダム大聖堂でフランス王の戴冠式を行うのが慣習になる。

シャンパーニュは収穫してから販売するまでに時間と費用がかかる構造で、他のワイン産地とは異なる。

ぶどう栽培農家は15000軒あり、約90%のぶどう畑を所有。多くは協同組合やネゴシアン(シャンパーニュ・メゾン)に販売する。

ぶどう栽培農家自身でシャンパーニュを造った場合はレコルタン・マニピュラン(R.M.)、協同組合が造った場合はコーペラティヴ・マニピュラン(C.M.)とラベルに表記する。

シャンパーニュ・メゾンが造った場合はネゴシアン・マニピュラン(N.M.)

メゾンはぶどう畑の10%程度しか所有していないが、総販売金額の約4分の3を占める。

メゾンはグループ化が進んでおり、メゾンの総販売金額の3分の2を4大グループが占める。

メモ

ソムリエ教本は大手メゾンを念頭において書かれている感じがしますが、シャンパーニュで面白いのは小さなレコルタン・マニピュランですね。

シャンパーニュ地方の歴史

シャンパーニュという名称が使われるようになったのは1600年頃。それまではランス周辺のワインがヴァン・ド・モンターニュ、マルヌ川沿いのワインはヴァン・ド・リヴィエールと呼ばれていた。

ヴァン・ド・リヴィエールの方が評判が良く、アイ村が最も評価されていた。

17c末、オーヴィレール村の修道士、ドン・ペリニヨンは、様々な畑のぶどうをアッサンブラージュし、ヴィンテージに関わらず品質の高いワインを生み出した。

品種や区画の異なるぶどうを一緒にプレスすることは以前から行われていたが、より洗練させた。

スパークリングワインとしてのシャンパーニュが確立されたのも同じ頃。

メモ

ドン・ペリニヨンに関しては間違えた逸話などもありますが、シャンパーニュに発展に多大な貢献をした方なのは間違いないですね。

18cの半ばになるとシャンパーニュは発砲したワインというのが一般的認識となった。

多くのシャンパーニュメゾンも誕生。

1816年にはマダムクリコがピュピトルを利用してルミュアージュを考案し、オリを取り除いたクリアなシャンパーニュが楽しめるようになった。

シャンパーニュの気候風土

シャンパーニュの産地はランスとエペルネの町を中心として、モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランの3つの地区が中心となっている。

さらにコート・デ・ブラン地区から南西に約20km離れたところに、コート・ド・セザンヌ地区、オーヴ県の古都トロワの南にコート・デ・バール地区が広がる。

メモ

シャンパーニュには他にもいくつか地区がありますが、とりあえずはこのくらいで問題ないです。

ぶどう畑の標高は90〜300m。日照に恵まれ水はけがいい。

気候は大陸性気候だが大西洋の影響も受け、冬と夏の気温差を和らげる。年間平均気温11度。

土壌は主に石灰岩。コート・デ・ブラン地区は白亜質の土壌が露出。モンターニュ・ド・ランス地区も白亜質。ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区は泥灰質、粘土質、砂質。コート・デ・バールは主に泥灰質。

メモ

基本、白亜紀の石灰岩という認識で問題ないですね。

シャンパーニュのぶどう品種

  • シャルドネ(コート・デ・ブランとコート・デ・セザンヌで主に栽培)
  • ピノ・ノワール(モンターニュ・ド・ランスとコート・デ・バールで主に栽培)
  • ピノ・ムニエ(比較的遅霜に強いことからヴァレ・ド・ラ・マルヌで多く栽培)
メモ

シャンパーニュでは7品種が認められていますが、ほぼこの3品種です。

シャンパーニュの地方料理と食材

  • ユイトル・オ・シャンパーニュ(牡蠣のシャンパーニュ風)
  • アンドゥイエット(トロワ名物の内蔵の腸詰)
  • プーレ・オ・シャンパーニュ(鶏の煮込み、シャンパーニュ風)
  • シャウルス(白カビチーズ)

シャンパーニュのA.O.C.

  • シャンパーニュ(ロゼと白の発泡性。シャンパーニュ地方のほとんどのワインがこのA.O.C.)
  • コトー・シャンプノワ(赤、ロゼ、白。シャンパーニュ地方のスティルワインのA.O.C.)
  • ロゼ・デ・リセー(ロゼ。ピノノワールのみで造られるスティルのロゼワイン)

シャンパーニュの地区と格付け

A.O.C.シャンパーニュはグランクリュ、またはプルミエクリュを付記することが出来る。

この地方のぶどうが公定価格で取引されていた時代の名残で、村ごとに%で格付けされる。

100%に査定された村のぶどうから造られたワインがグランクリュ。99〜90%の村のものはプルミエクリュ。

グランクリュは17、プルミエクリュは42ある(モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランに集中)

モンターニュ・ド・ランス地区

ランスとエペルネの間の標高300mに満たない森に覆われた丘で、その裾野にぶどう畑が広がる。

⚪︎モンターニュ・ド・ランスのグランクリュ

  • アンボネー
  • ボーモン・シュール・ヴェル
  • ブージー
  • ルーボワ
  • マイイ
  • ピュイジュー
  • シルリ
  • ヴェルズネー
  • ヴェルジ

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区

マルヌ川沿いの両岸に広がる。ムニエを中心に丸みのあるフルーティなワインを生む。

⚪︎ヴァレ・ド・ラ・マルヌのグランクリュ

  • アイ
  • トゥール ・シュール・マルヌ。

アイやオーヴィレールはピノノワール比率が高い。

コート・デ・ブラン地区

エペルネかr南に続く丘陵の東向き斜面。白い丘という名前の通り、ほぼシャルドネだけが栽培されている。

コート・デ・ブランのグランクリュ

  • アヴィーズ
  • シュイイ
  • クラマン
  • ル・メニル・シュール・オジェ
  • オジェ
  • オワリー

シャンパーニュの種類

  • ミレジメ(ヴィンテージ・シャンパーニュ。表示した収穫年のぶどう100%。ティラージュ後最低3年熟成)
  • ノン・ミレジメ(ノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ)
  • グランクリュ(格付け100%の村のぶどうのみで造られたシャンパーニュ)
  • プルミエクリュ(格付け90%以上のぶどうのみで造られたシャンパーニュ)
  • ブラン・ド・ブラン(シャルドネだけで造られたシャンパーニュ)
  • ブラン・ド・ノワール(ピノノワール、ムニエだけで造られたシャンパーニュ)

シャンパーニュの甘辛度表示

  • ブリュット・ナチュール=パ・ドゼ=ドザージュ・ゼロ 残糖3g/ℓ以下
  • エクストラ・ブリュット 残糖0〜6g/ℓ
  • ブリュット 残糖12g/ℓ以下
  • エクストラ・ドライ 残糖12〜17g/ℓ
  • セック 残糖17〜32g/ℓ
  • ドゥミ・セック 残糖32〜50g/ℓ
  • ドゥー 残糖50g/ℓ以上

シャンパーニュの醸造方法

⚪︎収穫:ヴァンダンジュ

9月半ばから10月初旬に手摘みで収穫。黒ぶどう2/3、白ぶどう1/3の割合が一般的。

⚪︎圧搾:プレスュラージュ

独特の浅く広い圧搾機で、黒ぶどうの色が付かないように静かに絞る。ロゼの場合は黒ぶどうを短時間醸すか、赤ワインを作り、ベースワインとブレンドする。

  • ラ・キュヴェまたはテート・ド・キュヴェ(4000kgのぶどうから2050ℓの搾汁を得る。これはシャンパーニュ地方の樽=ピエス10樽分)
  • タイユ(500ℓの搾汁を得る)

合計2550ℓとなり、この2つのみを醸造に使用。

⚪︎一次発酵:プルミエール・フェルマンタシオン

畑ごと、ぶどう品種ごとにアルコール発酵を10〜15日ほど行う。任意でMLF。

⚪︎調合:アサンブラージュ

翌年の2月頃に、ヴァン・ド・レゼルヴ(貯蔵している前年までのワイン)を含め、一次発酵で得た原酒を各メーカーのブランドイメージに沿って調合(ノンヴィンテージの場合)

⚪︎瓶詰め:ティラージュ

リキュール・ド・ティラージュ。調合したワインに酵母と1ℓあたり24gのショ糖を加えて瓶詰めしてカーヴに寝かせる。

⚪︎瓶内二次発酵:ドゥジエム・フェルマンタシオン・アン・ブテイユ

瓶の中で再びアルコール発酵が起こり、糖はアルコールと二酸化炭素に分解。瓶に閉じ込められた炭酸ガスはワインの中に溶け込んでいく。アルコールは1〜1.5%上昇。

6〜8週間で二次発酵が終わって働き終えた酵母がオリとなって溜まっていく。

⚪︎オリと共に熟成:マチュラシオン・シュール・リー

オリと共に寝かせることで、酵母が自己消化を起こし、ワインの中にアミノ酸が溶け込んでいく。

⚪︎動瓶:ルミュアージュ

オリを瓶口に集めるため、5〜6週間瓶を毎日1/8回転づつ回しながら、徐々に立てていく。ピュピトルという穴の開いた台を使い手作業で行う生産者と、ジャイロパレットという機械を用いて自動化している生産者がいる。

⚪︎オリ抜き:デゴルジュマン

瓶口をマイナス20度の塩化カルシウム水溶液につけ、オリを凍らせ、栓を外してオリを飛び出させる。

⚪︎甘味調整:ドザージュ

オリ抜きによる損失分を補いつつ甘さを調整する。ワインに糖分を混ぜたリキュール・デクスペディシオンを加える。

⚪︎打栓:ブシャージュ

コルクを打って針金で固定。針金とコルク上部を覆う金属板を併せてミュズレという。

ソムリエ試験対策の次の記事はこちら。

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