ワインの基礎

シャスラ〜フランスの主要ぶどう品種の特徴〜

シャスラ〜Chasselas〜

サヴォワ地方の主要品種の一つシャスラ。白ぶどうです。正確にはシャスラ・ブランで、突然変異したシャスラ・ロゼもあります。シャスラは食用としても栽培されている珍しいタイプのぶどうです。

サヴォワはレマン湖を挟んだ対岸がもうスイスですが、シャスラはスイスの品種と言うイメージが強いと思います(実際スイスのシャスラはとても良い)

原産地は不明のようですが、スイスかフランスだと思います。

ドイツにもシャスラはありグートエーデルと呼びます。グートエーデルはアルザスでも使われる言葉でアルザスのシャスラのアペラシオンは、アルザス・シャスラ・ウ・グートエーデルとなっています(そもそもシャスラほとんどないですが)

サヴォワだとシャスラのアペラシオンとしてクレピィが知られています。以前はクレピィはシャスラ100%という規定で、シャスラのアペラシオンでしたが、現在はヴァン・ド・サヴォワ・クレピィに変更になっていて、ヴァン・ド・サヴォワのデノミナシオンというのが正確なところです。

そしてシャスラ以外にもいくつかの補助品種が認められていますが、シャスラ100%でも構いません。知る限りシャスラ100%ですので、正確ではないにしろ、シャスラのアペラシオンみたいな認識で構わないと思います。

ヴァン・ド・サヴォワでは他にマリニャン、マラン、リパイユもシャスラ主体のワインです。

サヴォワ地方の他だとアルザス地方にも少しありますし、ロワール地方のプイィ・シュル・ロワールはロワールでは唯一のシャスラのアペラシオンです(むしろシャスラのみのアペラシオンはフランスの中でプイィ・シュル・ロワールのみ)

アルザスのシャスラもかなり少ないですが、たまに見かけます。グランクリュのアルテンベルグ・ド・ベルグハイムにも使用可能ですが(細かい規定はありますが)、実質使っているのはマルセル・ダイスだけだと思います。

アルザスでは(フランスではアルザスのみ)シャスラ・ロゼも認められているアペラシオンがありますが、見たことありません。

これらの産地のシャスラを飲み比べてみると結構違うのですが、比較的軽やかだと思われているサヴォワのクレピィがネットリした質感なことがわかります。

アルザスはかっちり、プイィ・シュル・ロワールはサラッとしています。

アルザスやプイィ・シュル・ロワールのシャスラも良いですが、完成度で言えばサヴォワ地方やスイスのシャスラがやはり高いと思います。

ですが、どんどんソーヴィニヨンブランに植え替えられてプイィ・フュメになってしまっているのは寂しいことなので、プイィ・シュル・ロワールには頑張って欲しいところです(今までに飲んだサンプルが少ないので、増えれば良いものに出会えるかもしれないですしね)


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