ロワール〜Loire〜

サントル・ニヴェルネのワインの特徴

ディディエダグノーシレックス

サントル&ニヴェルネ〜Centre Nivernais〜

サントル・ニヴェルネ地区は、ロワール川上流、トゥーレーヌの東側のエリアの総称で、中央フランスとも言われるように、フランスの中心部、海からも遠い内陸の産地です。

アンジュやトゥーレーヌのエリアは基本的に連続した産地の集合体ですが、サントル・ニヴェルネのワイン生産地は広いエリアの中に点在しています。

サンセール〜Sancerre〜

サンセール18

サントル・ニヴェルネのワインの中でも最も知名度が高いワインと言っていいサンセール(ロワール全体でも一番人気がある)

サンセールは、6c頃にはぶどうが栽培されていたようですが、もともとはピノノワールやガメイを使った赤ワインの産地でしたが(白ぶどうはシャスラがメインだった)、フィロキセラの被害で葡萄畑は壊滅、その後の復興時にソーヴィニヨンブランに植え替えられました。

それが今ではロワールを代表するソーヴィニヨンブランの生産地と認識されているのはすごいことですね。

サンセールやビュエ、シャヴィニョルなど14の村に認められています。

土壌は様々で、テール・ブランシュ(キンメリジャン・マール)、カイヨット(石灰質の硬い石)、シレックス(火打ち石、燧石)などがあります。

全体的に非常にミネラリーで酸が強く、細身で引き締まって都会的なかっこいい味です。

斜面が多くサラッとしていますが、テール・ブランシュのような粘土が多めの畑のサンセールはどっしり重みがあります(重苦しくはならない)

カイヨットはよりキリッとして硬め、シレックスは硬すぎず、香り高い。

サンセールは栽培面積がかなり増え、大きなエリアになっていますが、その中でも特に優れている畑はビュエ村のシェーヌ・マルシャン〜Chene Marchand〜(カイヨット)とシャヴィニョル村のレ・モンダネ〜Les Monts Dannes〜(テールブランシュ、急斜面)です。

有名なパスカル・ジョリヴェはシェーヌ・マルシャンのぶどうを使用したサンセールを造っています。カチッとしてきめ細かく、優美さも備えたワインです。パスカル・ジョリヴェのワインは非常にナチュラルでクリアな方向です。

もう1つの優良畑、レ・モンダネと言えばアンリ・ブルジョワですね。アンリ・ブルジョワはレ・モンダネより高いキュヴェもいくつかありますが、レ・モンダネが基本というか中心というような感じがします。ダンタンとかジャディスももちろん良いですが、まずはレ・モンダネです。

モンダネの中央部に位置するラ・コンテス区画は特に別格の味わいです。ドメーヌ・ラポルト・サンセール・ブラン・ラ・コンテスはサンセール最高とも言える味わいながら値段はそこまでではないところが嬉しいところです。

サンセールラコンテス17ラポルト

ラポルトは現在は先に紹介したブルジョワ家が実質的に所有しています(以前から仲の良かったラポルト家から購入)

サンセールでも最古の生産者であるアルフォンス・メロはビオディナミの造り手で、最もナチュラルなサンセールを造ります。ナチュール寄りの味わいではありますが、バランス感覚が絶妙で、ナチュール好きにもクラシック好きにもお勧めできるワインです。特にサンセール・ブラン・ジェネラシオン・ディズヌフは圧巻です。大樽で発酵、熟成した非常に大きく広がる味わいです。

サンセールはもともと赤ワインの産地と言うこともあり、現在はまた少しづつピノノワールを使用した赤ワインが増えてきています(まだまだ少ないが)ブルゴーニュよりチャーミングで(アルザスほどではない)、かつ石灰的な引き締まりがあります。

ビュエ村のリュシアン・クロシェも上質なサンセールを生産している造り手の一人ですが、赤ワインの質も高いです。こういうワインを飲むと新しい品種のソーヴィニヨンブランより、昔からあるピノノワールの方が適した産地なのでは?と思ってしまうほどです。

プイィ・フュメ〜Pouilly-Fume〜

シレックスディディエダグノー

サンセールと並ぶソーヴィニヨンブランの銘醸地。サンセールのロワール川を挟んだ対岸(東側)です。品種としては明るいソーヴィニヨンブランの中では少し暗い印象を受けます。香りもフュメというだけあり、少しスモーキーなものが多いです。サンセールと違い白ワインのみのアペラシオンです。

プイィ・シュル・ロワールやサン・タンドランを含む7つの村にぶどう畑は広がっています。プイィ・フュメもサンセール同様、ピノノワールやシャスラが栽培されていた産地です(シャスラは少量残っていますが)

サンセールに比べると生産地も半分程度と小さいです。土壌はシレックスが有名ですね。プイィ・フュメで最も有名な生産者ディディエ・ダグノーのキュヴェ名でもあります。

ロワールの鬼才と謳われたディディエ・ダグノー氏は2008年に事故で亡くなってしまいましたが、畑は息子が受け継ぎ、現在も質の高いワインを造っています。

プイィ・フュメで最も大きな生産者であるラドゥセット。プイィ・フュメの生産量の半分程度はラドゥセットのようです。サン・タンドランを中心に100haほども畑を所有しています。

お手頃なプイィ・フュメも造っていますが、トップキュヴェのバロン・ドゥ・エルはプイィ・フュメを代表するワインの1つです。ル・デゼールというプイィ・フュメの中でも最も良いと言われている区画のワインです。

バロン・ドゥ・エルももちろん良いですが、様々な地域で造られたソーヴィニヨンブランのブレンドである通常のプイィ・フュメは、よりプイィ・フュメらしさが感じられるワインです。

プイィ・シュル・ロワール〜Pouilly sur Loire〜

プイィ・フュメは先に紹介したようにプイィ・シュル・ロワール村を中心とした7つの村で認められているアペラシオンですが、同じエリアではもう一つ、村名と同じプイィ・シュル・ロワール〜Pouilly sur Loire〜というアペラシオンもあります。

プイィ・シュル・ロワールは昔から栽培しているシャスラを使用した白ワインのアペラシオンです。ほぼソーヴィニヨンブランに植え替えられてしまって、かなり少ないシャスラですが伝統の品種ですので存続してほしいものです。

プイィ・シュル・ロワールは、サヴォワのシャスラと比べると厚みや形などが結構違い、同じ品種とは思えません。プイィ・シュル・ロワールのシャスラの方が、細くて柑橘ぽくてさらり。サヴォワのシャスラ(クレピィ)はそれだけで飲むとさっぱりした印象でしたが、比べるとトロリとして滑らかです。

ナチュラルなプイィ・フュメの造り手として人気のジョナタン・ディディエ・パビオ。プイィ・フュメがメインではありますが、プイィ・シュル・ロワールも非常に美味しいです。シャスラの理解と、この土地の理解のためにもお勧めのワインです。

コトー・デュ・ジェノワ〜Coteaux du Giennois〜

プイィ・フュメの北側に隣接して、ロワール川沿いに伸びるコトー・デュ・ジェノワ。ロワール川を超えたサンセール側にもアペラシオンは広がっています。

コトー・デュ・ジェノワは砂質の割合が多くなり、かなりサラリと飲める爽快なソーヴィニヨンブランを生産します。プイィ・フュメと比べると随分と明るいです。この軽さが魅力です。

ドメーヌ・ド・テール・ブランシュはビュイ村にあるお気に入りのサンセールの造り手ですが、より軽やかなコトー・デュ・ジェノワもとても良いです。ドメーヌ・ド・テール・ブランシュは、2014年が初ヴィンテージという新しい造り手です(サンセール周辺の畑を購入する以前からプイィ・シュル・ロワールでワイン造りに関わる仕事をしていた方です)

メヌトゥー・サロン〜Menetou Salon〜

サンセールの西端に隣接する形で広がるアペラシオンがメヌトゥー・サロンです。

メヌトゥー・サロンは大きく2つのエリアに分かれていて、サンセールに隣接する東側が斜面の多いモローグ村周辺のエリアと、西側は平坦なメヌトゥー・サロン村周辺のエリアです。

土壌は基本的にはキンメリジャン・マールで、モローグにはシレックスもあり、場所によってはポートランディアンの地質年代の石灰岩もあるようです。

特にキンメリジャン・マールのワインはどっしりしています。

ドメーヌ・ペレはモローグでメヌトゥ・サロンを造る代表的な造り手の一人です。2000円台でこの味わい、整い方は素晴らしいですね。良いテロワールの味がします。

メヌトゥ・サロン村周辺の造り手だとドメーヌ・シャヴェなどは造りもナチュラルですし、ワインの出来も良いと思います。

カンシー〜Quincy〜

ヴァランセとメヌトゥー・サロンの丁度真ん中くらいに位置するアペラシオンがカンシーです。シェール川流域の小さなエリア。

カンシーはサンセールなどと比べると知名度は低いですが、アペラシオン認定は、シャトーヌフ・デュ・パプと並んで1936年と最初期に認定されています。

カンシーはソーヴィニヨンブランを使用した白ワインのみの産地で、石灰質の土壌ですが、砂質の割合が高く、コトー・デュ・ジェノワほどではありませんが、軽快で溌剌とした印象です。

カンシーの造り手といえばトロテローです。通常のカンシーとヴィエイユ・ヴィーニュのカンシーがあり、どちらもお勧めです。通常のカンシーの方が明るく、ヴィエイユ・ヴィーニュの方が複雑で重めです。

ルイィ〜Reuilly〜

カンシーの南側に隣接して広がるのがルイィです。ルイィもくっきりして軽快なワインです。ソーヴィニヨンブランを使用した白ワインと、カンシーとは違い、ピノノワール、ピノグリを使用した赤ワイン、ロゼワインもあります。

クロード・ラフォンは、ヴァランセの項でも紹介しましたが、ルイィの造り手です。ヴァランセでは赤ワインを載せましたが、ルイィでは白ワインを紹介します。粘土もある土壌ですが、急斜面の区画が多く、小石が多い畑から造られるルイィは期待通りの軽やかさです。


ルイィを南に数十キロ進んだ先には、シャトーメイヤン〜Chateaumeillant〜という2010年に認定された新しいアペラシオンがあります。ガメイ、ピノノワールを使用したグリワインと赤ワインの産地です。

サンセールを南に降りていくとオーヴェルニュ地方があります。オーヴェルニュも広い意味ではロワールの一部です。

サン・プルサン〜Saunt Pourcain〜、コート・ドーヴェルニュ〜Cotes d’Auvergne〜、コート・ロアネーズ〜Cote Roannaise〜、コート・デュ・フォレ〜Cotes Du Forez〜といったアペラシオンがあり、多くはガメイを使った赤ワインです(白ワインやロゼワインもある)

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