南西地方〜sud-ouest〜

トゥールーズ ・アヴェイロネ・中央山塊地区のワインの特徴

カオール

トゥールーズ ・アヴェイロネ・中央山塊地区〜Toulouse Aveyronnais Massif Central〜

トゥールーズ近郊、アヴェロン地方と中央山塊(中央高地と言った方がいいかもしれません。マッシフ・セントラル)のエリアをまとめた名称です。大きな産地としてはトゥールーズ近郊のみの分類で問題ない気がしますが(南西地方の分類自体、ボルドーに隣接したエリア、トゥールーズ近郊、ピレネーの3つの方がわかりやすい感じはあります)、ソムリエ教本などと同じ一般的な分類通りに説明しています。

カオール、コトー・デュ・ケルシー、ガイヤック、マルシャック、アントレイグ・ル・フェル、コート・ド・ミヨーといったアペラシオンがあります。圧倒的に知名度が高いのはカオールです。近年はガイヤックのワインもよく見かけます。

カオール〜Cahors〜

黒ワインと呼ばれ、南西地方の中でも最も有名といって良いワイン産地のカオール。

黒ワインというだけあり、色の濃い凝縮したワインが以前は多く見られましたが、現在は結構、状況が変わってきています。

ブドウ品種はマルベック(コット=オーセロワ)を主体としています(以前はジュランソン・ノワールも使用可能でしたが現在は不可。ジュランソン・ノワールが認められているA.O.C.はなくなったはずです)

カオールはロット川の両側にぶどう畑があります。ビュゼのあたりでガロンヌ川と合流するロット川ですが、南西地方のエリアの中では、ロット川はドルドーニュ川とほぼ平行して東西に流れています。蛇行するロット川沿いにテラス状にぶどう畑は広がっていて、川沿いのぶどう畑と、標高の高いテラスの上では土壌も大きく違います。近年評価されているのは標高の高い場所の石灰岩土壌(キンメリジャン石灰岩)のエレガントなスタイルのカオールです。

ですが他のテラスも違った個性で魅力的だと思います。

カオールのテラスの味の違いをわかりやすく表現している造り手はクロ・トリゲディーナやシャトー・ラマルティーヌです。テラスごとのキュヴェを造っています。

南西地方クロトリゲディーナカオール

クロ・トリゲディーナは以前まで扱っていたインポーターが取引を辞めてしまったので購入出来ないかもしれません。シャトー・ラマルティーヌは購入可能です。

シャトー・ラマルティーヌのカオール・プレスティージュ・デュ・マルベックは標高の低い第二テラスのぶどうを使っています(第一テラスはぶどう栽培に適してない)

シャトー・ラマルティーヌは1953年に自社で元詰めを始めたカオールでは最初期の造り手です。カオールのエリアの西端、ソテュラック村の生産者です。

第二テラスは粘土が多い沖積土壌で、密度があって、どっしりしてフルーティな味わいです。

通常のカオールは第三テラスのぶどうを使っています。第三テラスは粘土質に加えて石灰質の割合が増えてガッチリします。砂利質もあります。

カオール・タンデムは第四テラスです。キンメリジャンの石灰岩土壌から、最もエレガントなカオールを産みます。引き締まってミネラリーです。鉄分も多い土壌です。

コンベル・ラ・セーヌも標高の高い畑からカオールを生産する造り手です。鉄分の多い畑で表土は浅く、母岩の石灰岩がすぐに顔を出します。醸造もシンプルで、標高の高いエリアのカオールの味わいを非常にわかりやすく感じさせてくれる造り手です。

コトー・デュ・ケルシー〜Coteaux du Quercy〜

カオールと同じロット県と南隣のタルヌ=エ=ガロンヌ県にまたがるアペラシオンがコトー・デュ・ケルシーです。カオールと同じく黒ワインと呼ばれますが、品種はカベルネフラン主体です。補助品種としてマルベックやタナ、メルロなどが使えます。

粘度石灰質土壌のマルベックを含むボルドーブレンドは、今はほとんどない昔のボルドー右岸のスタイルですね。貴重です。

ガイヤック〜Gaillac〜

南西地方コムアラメゾンガイヤック

トゥールーズの東に約50キロほどのところにあるガイヤックの街周辺のワイン産地。タルン川の両岸にぶどう畑が広がっています。

ガイヤックは地場品種の宝庫で、デュラス、ブロコル(フェル・セルヴァドゥ)、プリュヌラール、モーザック、ランドレル、オンダンクなど様々なぶどう品種を見かけます。

ワインのタイプも赤ワイン、白ワイン、ロゼワインに、スパークリングワイン、甘口ワインなど、バラエティに富んでいて、新酒のガイヤック・プリムールもあります。

ガイヤックは主要品種として認められているのは赤ワインだとデュラス 、ブロコル、プリュヌラー、シラーです。他にもカベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、ガメイも使用可能です。単一品種ではは造れませんし、アペラシオンの規定から漏れている地場品種もありますので、アペラシオンを名乗れない単一品種ワインの方がガイヤックは良いかもしれません(白ワインは主要品種であれば単一も可)

セレクト・ヴァンは、シャトー・ラ・ネグリがプロデュースするワインシリーズで、ネグリが栽培、醸造、熟成まで生産者に指導し、ボトリングはネグリが行い、それぞれの生産者名でリリースするワインです。こちらのワインの造り手はマス・デ・コンブです。

ブロコル、シラー、メルロのブレンドです。ガイヤックのワインとしての面白みは少ないですが、ワインの出来は良いです。

個人的にガイヤックらしくてかつ面白みのあるワインを造る生産者はコス・マリーンと、ベルナール・プラジョルです。

コス・マリーンはA.O.C.ガイヤックのワインもヴァン・ド・フランスのワインもどちらも造りますが、質の差異はありません。

アペラシオンに規定されてないぶどう品種を使っているからヴァン・ド・フランスだという説明をよく見かけますが(インポーター資料にも書いてますし)、全ての品種を把握しているわけではありませんが、知っている限りは認められている品種です(昔は認められてなかった品種もありますが)

赤ワインで単一で造っているからとか、そういった理由でヴァン・ド・フランスなのだと思います(モーザックを使用したザックモーとかは味わいがギリギリ認められなかったのだと思う)

きっと聞いたこともないような品種も栽培してそうですが、少なくとも栽培しているのがわかっている品種で規定外はジュランソン・ノワールくらいです。

プラジョル

ベルナール・プラジョルも様々なガイヤックの土着品種を使用した単一品種ワインを造っていて、飲み比べると非常に勉強になりますし美味しいです。モーザック1つとってもモーザック・ヴェールやモーザック・ルーなどを別のキュヴェに仕立てていますし、泡も良いし甘口も安くて美味しいです。日本に入ってきていないキュヴェをフランスのトゥールーズで買ったこともありますがとても良かったです。

個人的にはプリュヌラールの独特の弾力感のある質感が好きです。少しフランスぽくない味わいですね。

マルシャック〜Marcillac〜

山岳地帯であるアヴェイロン地方、マルシャック・ヴァロン周辺のワイン産地がマルシャックです。近くには有名なブルーチーズを造る村、ロックフォールがあります。標高が高く、乾燥し温暖なエリアです。ルージエと呼ばれる赤粘度(鉄の影響)や石灰質土壌です。

ぶどう品種はほぼフェル・セルヴァドゥ(マンソワ)です。もともとはV.D.Q.S.で、1990年にA.O.C.に昇格しています。

アントレイグ・ル・フェル〜Entraygues Le Fel〜、エスタン〜Estaing〜

マルシャックの少し北東側に位置するアペラシオンのアントレイグ・ル・フェルとエスタン。どちらも2011年にAOCに昇格しています。

赤ワイン、ロゼワイン、白ワインが認められていますが、赤ワインは、どちらも割合こそ違いますが、フェル・セルヴァドゥ主体のワインです(エスタンに関してはガメイも主要品種)。ロゼワインも赤ワインと似た感じの規定ですが、白ワインに関してはシュナンブラン主体とユニーク。

赤ワインとロゼワインの補助品種は多数認められていますが、他では見かけないぶどう品種があります。ムイサゲスやネグレ・ド・バナールです。エスタンに関してはカステというぶどうも使えますし、白ワインにはルスルー=サン・コム(ではなくサン・コムは間違っているという話もある)も使用認可品種です

A.O.C.昇格前のV.D.Q.S.時代にはネグレットも認可品種でしたが、ネグレ・ド・バナールをネグレットと誤認していたようです。他にもジュランソン・ノワールが認められなくなるなど規定が結構変わりました。

コート・ド・ミヨー〜Côtes de Millau〜

マルシャックやアントレイグ・ル・フェル、エスタンから南東方向に離れた場所にあるアペラシオンがコート・ド・ミヨーです。コート・ド・ミヨーも独自の規定で、赤ワインの主要品種はガメイとシラーです。ロゼワインはガメイ主体、白ワインはアントレイグ・ル・フェルなどと同じくシュナンブラン主体です。コート・ド・ミヨーも2011年にA.O.C.に認定されています。

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