テラス・デュ・ラルザック〜Terrasses du Larzac〜
テラス・デュ・ラルザックは、2014年に地理的名称付きラングドックから独立した新しいアペラシオンです。ラングドック最北のエリアです。モンペリエの北西に位置する山間地帯にアペラシオンは広がっています。32の村で構成されています。いくつかの飛び地で構成されますが全体を繋げるとV字というかU字ぽい形です。底の部分が一番大きく広いエリアです。
テラス・デュ・ラルザックは、ラングドックの中でもっとも注目を集めているワイン産地と言えます。
テラス・デュ・ラルザックのぶどう品種
テラス・デュ・ラルザックで認められているのは赤ワインのみで、ぶどう品種はグルナッシュ、ムールヴェードル、シラーを主体としています。補助品種はいくつかありますが、フランスでは数少ないモラステル(スペイン原産のグラシアーノのこと)やテレ・ノワールが使用可能です。
テラス・デュ・ラルザックの土壌
テラス・デュ・ラルザックは32もの村から構成されることからもわかる通り、かなり複雑な土壌構成をしています。石灰岩もあれば、シスト、火山性の土壌もあります。山間地帯であり、昼夜の気温差は20度以上になることもあります。
土壌が多岐にわたるので色々なタイプのワインがありますが全体的に、割とこじんまりとした硬い質感のワインです。明るさがなく、 陽気な南仏ワインのイメージとは異なります。タンニンもがっちりしたものが多いです。
マス・デ・シメールはモンペリエから西に車で一時間ほどのオクトン村の造り手です。テラス・デュ・ラルザックの南西部の飛び地に位置します。砂混じりの粘土質、珍しい玄武岩もあります(ペズナスも近いですしね)
ビオロジックのぶどうからナチュラルで凝縮度の高いワインを産みます。ニュイ・グラーヴェがトップキュヴェです。
マス・カル・デムラはジョンキエールの造り手です。ジョンキエールはモンペイルーを少し南西に進んだ所にある村です。水はけの良い小石の多い石灰質と粘土石灰質の土壌。
マス・ジュリアンもジョンキエールの造り手です。ビオディナミです。
マス・ジュリアンのオリヴィエ・ジュリアンとジャン・バプティスト・グラニエが2009年に始めたプロジェクトの、レ・ヴィーニュ・ウブリエはサン・プリヴァのぶどうを使っています。砂岩、片岩、粘土石灰。標高350mとテラス・デュ・ラルザックの中でも標高の高い所です。
ドメーヌ・サン・シルヴェストルはモンペイルーの東側アニアンヌ村の造り手です。ここも標高の高い300mを超えるエリア。大きな丸石がゴロゴロしている土壌。
いくつかあげただけでも色々な土壌がありますね。実際まだ全然特徴を把握出来てていません。北東部に細く伸びている地域、例えばモントリューがどんな味なのか飲んだこともありませんし、なかなか難しい地域です。
ラングドック・サン・サテュルナン〜Languedoc Saint-Saturnin〜
テラス・デュ・ラルザック内には、地理的呼称名付きA.O.C.ラングドックの、サン・サテュルナンのエリアがあります。サン・サテュルナン・ド・ルシアンを含む4つの村に認められた呼称です。
グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルを主体とした赤ワインで、よくあるテラス・デュ・ラルザックと違い、軽やかで明るくチャーミングなワインを生みます。
ラングドック・モンペイルー〜Languedoc Montpeyroux〜
サン・サテュルナン同様、ラングドック・モンペイルーもテラス・デュ・ラルザック内に位置します。
モンペイルーとアルボラスの2つの村に認められた呼称です。サン・サテュルナン同様、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルを主体としたワインです。アルボラスはサン・サテュルナンでも認められている村なので3つのアペラシオンに重なっています。アルボラスが重なっていることからも分かる通り、サン・サテュルナンとモンペイルーは隣接したエリアで、U字型のテラス・デュ・ラルザックの底の辺りです。
粘土石灰質の土壌から、細身でカチッとした、凝縮度がありつつ、少しこじんまりとしたワインが生まれます。
ラングドック地方のワイン産地13、クレーレット・デュ・ラングドックの記事はこちらからどうぞ。