サヴァニャン〜Savagnin〜
ジュラ地方を代表する白ぶどうのサヴァニャン。正確にはサヴァニャン・ブランです。ナチュレとも言いますし、後述するトラミナーヴァイスとも呼びます。
サヴァニャンは歴史あるぶどうですが、1000年近く今の姿を保っているようです。ジュラ地方へは十字軍の時代にハンガリーの修道士がシャトー・シャロンの女子大修道院に送ったことが起源と言われています。
ジュラ地方ではこのサヴァニャンとシャルドネから白ワインが造られますが、どちらからも質の高いワインが生まれるとはいえ、重要度ではサヴァニャンの方が上だと思います。
ジュラ地方ならではの品種と言う意味でもそうですし、ジュラ地方にしかないヴァンジョーヌを造るために使えるぶどうはサヴァニャンのみと言うことからもとても重要な品種だとわかります。
原産地はスイスだと思いますが、まだわかってない部分もあるようです。
サヴァニャンはトラミナーヴァイスとも呼びますが、サヴァニャンが突然突然変異を起こして果皮の色がロゼ色になったものがクレヴネル・ド・ハイリゲンシュタイン(サヴァニャン・ロゼ)です。
同様にゲヴェルツトラミネールもサヴァニャン・ブランから派生した品種です(クレヴネル・ド・ハイリゲンシュタインの選抜品種という話もあります)
クレヴネルというとピノブランのシノニムの一つですが、それとは関係がないので注意が必要です。
サヴァニャンはゲヴェルツトラミネールと繋がりがある通りアロマティックなフレーバーがあります。ただゲヴェルツトラミネールと比べるとだいぶ大人しい香りで味わいもずっと大人しいです。ちょっと藁っぽい香りもします。
ヴァンジョーヌやウイヤージュなしのサヴァニャンが多いので、その個性的な風味に隠れて、サヴァニャン自身の特徴は掴みにくいのが現状です。
ですが酸化熟成していないサヴァニャンを飲めば、そのピュアさとミネラルがしっかりありつつ、しっとり控えめな魅力に気づきます。
しっとりするのは雨が多いジュラ地方の個性とも言えますが、他の産地のサヴァニャンを飲んだことがないので、比較は出来ません(他の国にもあるようですが)
ジュラ紀土壌のアルザス・ゲヴェルツトラミネールと比べると、大人しく暗い雰囲気です。独特の旨味とゆっくりとした動きは、ジュラ地方のシャルドネからも感じられるので、この土地の個性なのかもしれません。