ラシーヌ〜RACINE〜、ワインの状態にこだわり抜いたインポーター
ラシーヌはワインの状態に最もこだわったインポーターだと思います。よりワインを美味しく味わえるように本当に様々な取り組みをしています。一般常識から考えるとかなり変わっています。
ラシーヌが扱っているワインはヴァンナチュールで、インポーターの方もヴァンナチュールといいますが、よくある他のヴァンナチュールとは一線を画すワインで、一緒くたにしない方がいいようにさえ思います。
自然でそれでいてエネルギーに溢れたワインが多数あります。
反面、扱いが難しい繊細なワインが多く、輸入時点ではベストな状態であったであろうワインが、消費者が飲む頃には味が変質しているケースも見かけます。結構酷い味になっている場合もあります。
信頼できる酒屋やレストランで飲むのが必須です。
ワインの状態は、生産者がフランスより良くて驚くこともあるとか。
ラシーヌのワインを美味しく飲むためには、納品後の素早い温度管理などと共に、環境設定が必要でしょう(この辺の認識が甘いから結構酷いことになっている)
ラシーヌは試飲会などでワインを提供する時、ただワインを開けてサーブするのではなく、より美味しくなるように環境を整えています。
そんなことをしても味に影響なんてないんじゃない?というような様々な方法を用いて環境設定をしていますが、実際に味が良くなっているので、納得するしかありません。
試飲ルームは壁が電磁波を遮断する仕様になっていたり、クーラーの下にひく布巾の間にアルミ盤みたいのを挟んでいたり、コルクを置いて空間の気の流れを整えたり、色々やっています。
実際、ラシーヌの試飲ルームは静かで良い気の流れを感じます。ただこれは早く行って人が少ない時に限った話で、人が増えると、色んな人の影響を受けてワインの味わいも悪くなっていますし、空間の居心地の良さも半減します。
単純にワインの扱いが雑な人も多いですしね。ちょっとしたことで味が変化することを理解していない人が大多数ですね。
ラシーヌが行なっていることを含め、現代の科学では解明できないけど、ワインに影響がある、ワインに変化があるといった事象は多々あって、それを否定しないことは、ワインを楽しむ上ですごく大切なことだと思います。
個人的にもラシーヌの手法はかなり参考にしています(もっと色々とやっています)
ラシーヌが行なっていることで一番凄いと思ったのは、ブショネを写真で判断できるという話です。
実際にワインボトルを見て状態を確認できる人はいます。触った感覚だったり、Oリングだったり、ペンデュラムだったり、ロッド・ダウジングとか色々と判断する方法はあります。
ラシーヌのトップである塚原さんは、Oリングで判断するようです。それ自体は凄い人だなぁくらいなのですが、実際のワインやコルクではなく、写真で出来ると言うから恐ろしい。これを初めて知った時は僕も色んなことをやっているので大抵のことでは驚かないと思っていましたが、結構びっくりしました。
ラシーヌのワインは全てブショネのチェックをしてから出荷しているので原則、ブショネはないらしいです。確かにあまり記憶にないですね(実際はゼロではない。少ないですがありました)
ラシーヌはすごく人気のカリスマ的インポーターですが、一方でこういったラシーヌの常識外れの取り組みを理解できずにワインを扱っている人が多いのが現状です。ラシーヌのワインを使うなら、ちゃんと理解して使いたいものです。そう言った気持ちの部分だけでもワインの味は簡単に変わってしまいます。ですが紹介したような内容を多くの方が理解できるようになるのはまだまだ先のことでしょうね(理解されてないのに人気なのは不思議な気さえしてしまいますが)
ワインの造り手の紹介を一切していませんが、いくつかのインポーターが輸入しているエステザルグ協同組合のワインもラシーヌのワインは一段上の味わいです。
ロワールのレ・カイユ・デュ・パラディもエネルギー感があって良いですね。特に上級キュヴェのエヴィダンス。
ラシーヌが扱うワインでもっとも気に入っているのはシャンパーニュのマルゲです。安めのワインから良いですが、やはりサピアンスは最高です。エルヴェ・ジェスタンさんが同じシャンパーニュを瓶詰めしたジェスタンとサピアンスを比較するのも楽しいものでした(以前はエルヴェ・ジェスタンさんは、マルゲさんと一緒にワインを造っていました)