ロワール〜Loire〜

ペイ・ナンテのワインの特徴

ロワール風景ナントの城

ペイ・ナンテ〜Pays Nantais〜

ナント市周辺に広がるペイ・ナンテはミュスカデを使った白ワインの産地です(アペラシオン名でもあります)

ミュスカデ以外もたまに見かけますが、ほぼミュスカデといっていいと思います。多くのワインがシュール・リー製法で造られています(製造過程で発生したオリをそのままタンクに残し、ワインと一緒に熟成させる方法。オリとの接触は一冬のみ)

シュール・リーを行うことでフレッシュかつ旨味の乗ったワインが生まれます。

ナントはブルターニュ公国の首都だった街です(首都は度々変わったが最後がナント)アンリ4世がナントで発令した1598年の「ナントの勅令」は有名ですね(ユグノー=プロテスタントにカトリックと同じ権利を与えた)

ペイ・ナンテの土壌

ペイ・ナンテ=ミュスカデのエリアの土壌は多岐にわたり、花崗岩、シスト、流紋岩、片麻岩、斑れい岩、角閃石、砂利、粘土など様々です。アルモニカ山塊の火山活動により出来た火成岩や変成岩です。

これらの土壌から生まれるミュスカデは、石灰の引き締まりや硬さはありませんが、ミネラルが豊かで、ミネラルが骨格を作ります。

ペイ・ナンテの気候は海洋性気候です。

ペイ・ナンテのぶどう品種

先に書いた通り、ペイ・ナンテのぶどう品種はほぼミュスカデという認識で問題ないです。

ミュスカデはムロン・ド・ブルゴーニュとも呼ばれる品種で、名前の通り、以前はブルゴーニュにも多く栽培されていました。現在はブルゴーニュではほぼ見かけず(少しある)、ロワールの品種として生き残っています。

ミュスカデは、すっきりした飲みやすいワインですが、南国ワインにあるような明るさや、勢いみたいなものはなく、淡々と落ち着いていて、控えめなワインです。

ソーヴィニヨンブランなど、他のロワールの白ワインと比べても、香りが弱く、あまり主張しません。

ミュスカデ以外の品種も少ないですがあります。グロ・プラン、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、シュナンブラン、ガメイ、ピノノワール、ネグレットが植えられていてミュスカデ以外のアペラシオンで使用されています。

ミュスカデのアペラシオン

ロワールミュスカデ18

ミュスカデはぶどう品種名でありながらアペラシオンの名前でもありますが、ミュスカデと名前の付くアペラシオンはいくつかの地域に分かれています。

ミュスカデ〜Musucadet〜、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ〜Musucadet-Sèvre et Maine〜、ミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワール〜Musucadet-Coteaux de la Loire〜、ミュスカデ・コート・ド・グランリュー〜Musucadet-Côte de Grandlieu〜の4つです。

とは言えほとんどのミュスカデが、ナントの東に広がるミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌのもので他のエリアはあまり気にしなくても良いかも知れません。

なのでこちらのエルボージュ・クラシック・ミュスカデ・コート・ド・グランリューは珍しいですね。コート・ド・グランリューは1994年にミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌから分かれた比較的新しいアペラシオンです。グランリュー湖周辺に広がります(ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌの西側)

ぶどうが熟すのが早く、滑らかしっとりの質感です。

ミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワールはミュスカデのエリアの北東部(ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌの北側)で、標高が高くさらっとしたワインを産みます。

ミュスカデのクリュ

以前は大きなエリアで分けられていただけだったミュスカデのエリアですが、現在はミュスカデのクリュを造る流れがあります。

ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌのエリアを中心にクリュが制定されています。

現在認められているのは

  • クリソン〜Clisson〜
  • ゴルジュ〜Gorges〜
  • ル・パレ〜Le Pallet〜
  • シャトー・ティボー〜Chateau Thebaud〜
  • モニエール・サン・フィアクル〜Monnieres Saint Fiacre〜
  • ムージョン・ティリエール〜Mouzillon Tillieres〜
  • グーレーヌ〜Goulaine〜
  • ヴァレ(ヴァレット)〜Vallet〜
  • ラ・アイエ・フーアシエール〜La Haye Fouassière〜
  • シャンプトソー〜Champtoceaux〜

ミュスカデのエリアは土壌が様々なので、クリュが出来ることで味わいが予想しやすくなりました。加えてクリュのミュスカデの多くは、以前のさらっと薄いミュスカデとは違い、ボリューム、厚みのあるスタイルの場合が多い傾向にあります。

シャンプトソーのみミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワールで他は全てミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌです。

クリソンは花崗岩主体でふっくら伸びがあるます。ゴルジュは花崗岩と同じ深成岩の班れい岩に粘土質など、ル・パレは片麻岩と片岩で、硬さとしなやかさがあります。

日本ではまだ、ほぼ見かけないと言っていいくらいしかクリュのミュスカデはありませんが、今後増えていくと思います。

ドメーヌ・デュ・ムーラン・カミュはヴァレのエリアのミュスカデをリリースしていて日本でも購入可能です。ミュスカデ セーヴル・エ・メーヌ ヴァレットです。雲母片岩(ミカシスト)

ミュスカデヴァレ

レ・ベット・クリエウスは7つの村ごとのミュスカデをリリースしています。日本で購入可能なのはクリソンとゴルジュです(今はもうなさそう)

ナチュラルなミュスカデで人気のドメーヌ・ランドロンは、クリュ名でリリースしていませんが、ラ・アイエ・フーアシエールの造り手です。片麻岩。

ペイナンテのミュスカデ以外のアペラシオン

ミュスカデ以外のぶどうを使用するアペラシオンとしては、グロ・プラン(フォル・ブランシュ)を使ったグロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテ〜Gros Plant du Pays Nantais〜や、コトー・ダンスニ〜Coteaux d’Ancenis〜(赤はガメイ、白はピノ・グリ=マルヴォワジー使用)、フィエフ・ヴァンデアン〜Fiefs Vendeens〜(白はソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、シュナンブラン、赤はカベルネ、ガメイ、ピノノワール、ネグレットのアッサンブラージュ。いくつかのデノミナシオンに分かれていて若干規定が違う)があります。

ロワールグロプランデュペイナンテ12

グロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテはほぼミュスカデのエリア全域と重なる範囲が認められています。

コトー・ダンスニはミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワールのエリアにあるアンスニの街周辺のアペラシオンです。

フィエフ・ヴァンデアンはミュスカデのエリアから南に下ったところにあるいくつかの飛び地です。


ロワールのワイン産地②、アンジュの記事はこちらからどうぞ。

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