ブルゴーニュ〜Bourgogne〜

モレ・サン・ドニのワインの特徴

デュジャッククロドラロッシュ01

モレ・サン・ドニ〜Morey-Saint-Denis〜

ジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニーという知名度の高い二つの村に挟まれているモレ・サン・ドニ。ブルゴーニュのグランクリュを保有する村の中では地味な存在ではありますし、味わい自体も全体的に地味な方向ですが、それがまた和む感じがして好感が持てます。

北部はジュヴレ・シャンベルタンと、南部はシャンボール・ミュジニーと接しています。

モレという言葉は昔の丘を表す言葉から来ていると言われていて、サン・ドニはグランクリュのクロ・サン・ドニから取られてていて、1927年に現在の村名であるモレ・サン・ドニとなりました。

モレ・サン・ドニのワインは、昔はネゴシアンに売られる割合が多く、ジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニーとして販売されていたという過去もありますが、実際の味わいはジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニーとは随分と違います。

歴史的には修道院の存在が大きく、グランクリュであるクロ・ド・タールやクロ・デ・ランブレイは、修道院が所有していた畑で、クロ・ド・タールはタール修道院の名前がそのまま残っている畑です。グランクリュだけではなくプルミエクリュにも修道院と関わりの深い畑があります。

モレ・サン・ドニはコート・ド・ニュイの中でもぶどう栽培面積が小さく、村自体も小さいですが、グランクリュの割合は大きく3割近くがグランクリュです。

全体的に素朴で、洗練された味わいではなく、ざっくりとしつつも骨格がしっかりとしたワインです。骨太で安定感があります。粘土の多さを感じさせる味わいです。突出した部分のないバランスの良さが魅力です。

村名とプルミエクリュは赤ワイン、白ワインともに認められています。グランクリュは赤ワインのみです。

モレ・サン・ドニのグランクリュ

モレ・サン・ドニには5つのグランクリュがあります。モレ・サン・ドニのグランクリュの知名度自体は高く、村名ではなくグランクリュだけが目立っている印象さえ受けます。

実際、モレ・サンドニのワインはグランクリュになると、急に洗練さが増しますし、村名格やプルミエクリュとは別軸として考えた方が良いです(どちらも違った方向で良いですが)むしろイメージするモレ・サン・ドニぽいのは村名ワインの方ではあります。

  • クロ・ド・ラ・ロッシュ〜Clos de la Roche〜
  • クロ・サン・ドニ〜 Clos Saint Denis〜
  • クロ・デ・ランブレイ〜Clos des Lambrays〜
  • クロ・ド・タール〜Clos de Tart〜
  • ボンヌ・マール〜Bonnes Mares〜

村の畑の大きさに対してグランクリュの割合が高いモレ・サン・ドニですが、モノポールやそれに近い畑、また面積や所有者が極端に少ない畑が多く、知名度の高さに対してあまり飲む機会がないかもしれません。最も大きく、生産者も多いクロ・ド・ラ・ロッシュのみがよく見かけるグランクリュです。

クロ・ド・ラ・ロッシュ〜Clos de la Roche〜

モレサンドニ クロドラロッシュ99アルマンルソー

クロ・ド・ラ・ロッシュはモレ・サン・ドニのグランクリュの中で最も広い面積を持ちます。モレ・サン・ドニの北端に位置し、ジュヴレ・シャンベルタンのプルミエクリュのオー・コンボットと隣接しています(さらにその隣はジュヴレのグランクリュ群が続きます)

クロ・ド・ラ・ロッシュは比較的大きなグランクリュですが、元々は今より小さな畑でしたが、19c末に周辺のリューディが統合されて現在の大きさになりました。上部がプレモー石灰岩で、下部に行くにつれウミユリ石灰岩になります。表土が浅く石灰岩が露出していて、水はけの良い畑です。

中心部に位置するのがオリジナルのリューディであるクロ・ド・ラ・ロッシュ〜Clos de la Roche〜で(最も評価が高い)、上部にはモン・リュイザン〜Monts Luisants〜があり、その南側に、レ・ジュナヴリエール〜Les Genavrières〜と、レ・シャフォ〜Les Chaffots〜があります。

クロ・ド・ラ・ロッシュの東側はレ・モシャン〜Les Mochamps〜で、クロ・ド・ラ・ロッシュの南側には3つのリューディが並んでいて、レ・フロワショ〜Les Froichots〜、レ・フルミエール〜Les Fremières〜、レ・シャビオ〜Les Chabiots〜と続きます。

クロ・ド・ラ・ロッシュは全体的に非常に急斜面でワイン自体にもスピード感があり、岩を感じさせる硬質な質感です。特に標高が高いリューディであるモン・リュイザンは抜けの良い区画です(モン・リュイザンは村名とプルミエクリュとグランクリュ区画がある面白い畑です。グランクリュの区画の上部がプルミエクリュで最も上が村名。またモン・リュイザンはプルミエクリュで唯一、アリゴテの白ワインが認められています)

同じく上部のレ・ジュナヴリエールとレ・シャフォもグランクリュの区画のさらに上部にプルミエクリュの区画があります(レ・シャフォはクロ・サン・ドニの区画もあります)

ポンソはオリジナルのクロ・ド・ラ・ロッシュの区画の大部分を所有しています。そのため、最もクロ・ド・ラ・ロッシュらしい味わいのワインだと言えます。

クロ・サン・ドニ〜 Clos Saint Denis〜

モレサンドニ クロサンドニ04デュジャック

クロ・サン・ドニは聖ドニの名前に由来する畑です。グランクリュ名を付ける形で村名を変更する動きがブルゴーニュ全体で起こり、モレ・サン・ドニも、クロ・サン・ドニの名称を取り入れる形で変更されました。そのことからもモレ・サン・ドニを代表するグランクリュと考えられていたことがわかります。

小さな畑ですが、もともとの区画はより小さく、現在は周辺の畑を取り込んで広くなっています(19c)クロ・サン・ドニは全体的に、少し緩さのある優しい味わいです。クロ・ド・ラ・ロッシュの南部に位置していて、土壌はクロ・ド・ラ・ロッシュから続くプレモー石灰岩とウミユリ石灰岩です。土壌自体はクロ・ド・ラ・ロッシュと同じですが、表土の厚さや傾斜が違い、優しいワインになります。

クロ・サン・ドニは現在4つのリューディに分かれています。

元々の区画のクロ・サン・ドニ〜Clos Saint Denis〜は、最も下部に位置していて、クロ・ド・ラ・ロッシュのリューディのレ・フルミエールやレ・シャビオと隣接しています。クロ・サン・ドニの上部はレ・シャフォ〜Les Chaffots〜で、このリューディはクロ・ド・ラ・ロッシュの同名の区画から続いています。

クロ・サン・ドニとレ・シャフォの南部にはメゾン・ブリュレ〜Maison Brûlée〜が縦長にあり、その上部にカルエ〜Calouère〜があります。

クロ・デ・ランブレイ〜Clos des Lambrays〜

クロ・デ・ランブレイはドメーヌ・デ・ランブレイがほとんどの畑を持っています。もう1人生産者がいますが(ドメーヌ・トプノ・メルム)、ほぼモノポールと言っていいくらいです。以前はプルミエクリュでしたが、1981年にグランクリュに昇格しました。

14cのシトー派の記録にも残っている歴史ある畑ですが、フランス革命後には74もの区画に分割され、ジョリー家やロディエ家によって買い戻され元の姿に戻りました。

クロ・デ・ランブレイは東向きの急斜面で、母岩がウミユリ石灰岩です。プレモー石灰岩や砂岩、粘土が多いところなどもあります。

クロ・デ・ランブレイは基本的に3つのリューディに分かれています。中心の区画は、東向き斜面で重い粘土質の強いレ・ラレ〜Les Larrets〜です。

その北側、クロ・サン・ドニと隣接し、渓谷からの冷たい風が吹く、軽い粘土質のリューディが、レ・ブショ〜Les Bouchots〜です。

レ・ラレの東側にある小さな区画で、暗赤色の重い粘土質のリューディがメ・ランティエ〜Meix Renrier〜です。

リューディが分かれていると言っても、ドメーヌ・デ・ランブレイがほとんどを所有していますので、リューディごとの味の差異を比べることは出来ません。もう一人の所有者のドメーヌ・トプノ・メルムの区画は下部のメ・ランティエのはずです。

クロ・ド・タール〜Clos de Tart〜

クロ・デ・ランブレイの南部に広がるグランクリュがクロ・ド・タールです。クロ・ド・タールの名称は1141年にシトー派から派生したタール尼僧院に由来します。1932年からモメサンのモノポールですが、シャトー・ラトゥールのオーナーであるフランソワ・ピノー氏に2017年に買収されました。

フランソワ・ピノー氏を含めて、畑の所有者は4人しかいません。900年もの間、分割されることなく単独所有され続けたブルゴーニュではかなり珍しい畑です。

クロ・ド・タールは、なだらかな斜面で、基本的に粘土石灰質土壌ですが、その割合によって6つの区画に分かれます。上部はプレモー石灰岩、下部に向かうにつれ泥灰岩が現れ、一番下部はウミユリ石灰岩です。

ボンヌ・マール〜Bonnes Mares〜

ボンヌ・マールはシャンボール ・ミュジニーにまたがるグランクリュで、モレ・サン・ドニの区画は全体の1割程度です(以前はクロ・ド・タールの石垣の内側のまで畑があったので、もう少し広かった)

そのためシャンボール・ミュジニーのグランクリュとして語られることが多いボンヌ・マールですが、モレ・サン・ドニのボンヌ・マールはシャンボール・ミュジニー側にはない魅力があります。

モレ・サン・ドニ側のボンヌ・マールは表土が浅く急斜面です。 斜面上部は白い石灰の礫が多く、バジョシアンの泥灰岩土壌です。下部は色の濃いウミユリ石灰岩です。ミネラルの強さと逞しさ、香りの強さ、洗練さがあり、どこかシャンボール的な個性があります。格調高く威厳があります。シャンボール・ミュジニーのボンヌマールよりシャンボール的とも言えます。

モレ・サン・ドニ側のボンヌ・マールの所有者はブリュノ・クレールです(フォージュレイ・ド・ボークレールと、ルイジャドも畑を借りていたり、ぶどうを購入しているなどでモレ側のボンヌ・マールをリリースしています)

モレ・サン・ドニのプルミエクリュ

モレ・サン・ドニには20のプルミエクリュがあります。方向性的にはグランクリュと違い、村名の延長線上の味わいのクリュが多いです。なのでモレ・サン・ドニらしくて上質なワインはプルミエクリュから選ぶのが良い気がします。

モレ・サン・ドニのプルミエクリュ(20)
  • モン・リュイザン〜Monts Luisants〜
  • レ・ジュナヴリエール〜Les Genavrières〜
  • レ・シャフォ〜Les Chaffots〜
  • コート・ロティ〜Côte Rotie〜
  • オー・シャルム〜Aux Charmes〜
  • オー・シェゾー〜Aux Cheseaux〜
  • クロ・デ・ゾルム〜Clos des Ormes〜
  • レ・シャリエール〜Les Charrières〜
  • レ・ファコニエール〜Les Faconnières〜
  • レ・ミランド〜Les Millandes〜
  • レ・シュヌヴリー〜Les Chenevery〜
  • ラ・リオット〜La Riotte〜
  • ル・ヴィラージュ〜Le Village〜
  • レ・グリュアンシエール〜Les Gruenchers〜
  • レ・ブランシャール〜Les Blanchards〜
  • クロ・ブーレ〜Clos Baulet〜
  • クロ・ソルベ〜Clos Sorbè〜
  • レ・ソルベ〜Les Sorbès〜
  • レ・リュショット〜Les Ruchots〜
  • ラ・ブシエール〜La Bussière〜

モン・リュイザン〜Monts Luisants〜

モン・リュイザンはクロ・ド・ラ・ロッシュの上部に位置しますが、クロ・ド・ラ・ロッシュの区画の一部でもありますし、プルミエクリュの区画の他、村名ワインの区画になっている部分もある面白い畑です。スピード感があります。

モン・リュイザンは白ワインの方が有名かもしれません。先に書いたようにアリゴテも認められていて、ドメーヌ・ポンソがアリゴテ100%のワインをリリースしています。アリゴテだけではなくシャルドネももちろん認められていますし、ピノブランも使えます(昔のポンソのモン・リュイザン・ブランはアリゴテ、シャルドネ、ピノブランのアッサンブラージュだった)

クロ・デ・ゾルム〜Clos des Ormes〜

クロ・ド・ラ・ロッシュのリューディであるレ・モシャンの下部にクロ・デ・ゾルムの畑はあります。クロ・デ・ゾルムは優しい味わいです。薄めの色調でふんわりしています。それでいて安定した味わい。地に足ついています。

レ・ファコニエール〜Les Faconnières〜

クロ・ド・ラ・ロッシュのリューディであるレ・フルミエールの真下にあるファコニエールは、味わいもクロ・ド・ラ・ロッシュに似ていると言われています。クロ・ド・ラ・ロッシュほどのスピード感はなく比べるとこじんまりします。

レ・ミランド〜Les Millandes〜

モレサンドニ1erレミランド17ジェラールラフェ

レ・ファコニエールの南部に位置するレ・ミランドはモレ・サン・ドニのプルミエクリュの中でも評価の高い畑です。モレ・サン・ドニ村の中心部あたりに位置します。大きめでどっしりして水平的な味わい。クロ・ド・ラ・ロッシュのリューディであるレ・シャビオの下部です。

レ・シュヌヴリー〜Les Chenevery〜

モレサンドニ 1erレシュヌヴリー14リニエミシュロ

レ・ファコニエールやレ・ミランドの下部にレ・シュヌヴリーはあります。レ・シュヌヴリーは表土が薄く、非常にかっちりしたミネラル感のある味わいです。酸も強いですし、かなりの力強さを感じます。それでいてやはりどんとした安定感があるのがモレっぽいです。レ・シュヌヴリーはプルミエの下部に村名区画もあります。

モレ・サン・ドニの造り手

ブルゴーニュは村を超えて畑を所有する造り手も多いですが、やはり多くの場合、その村の造り手のワインが特に「らしい」味わいだと思います(単純な味の美味しさではなく)

どの村でもその傾向はありますが、モレ・サン・ドニのワインは特にモレ・サン・ドニ在住の造り手のものが味わい、「らしさ」共に優れているように感じます。

代表的な造り手としては、

  • ドメーヌ・ポンソ~Domaine Ponsot~
  • ドメーヌ・デュジャック~Domaine Dujac~
  • ドメーヌ・デ・ランブレイ~Domaine des Lambrays~
  • ドメーヌ・トプノ・メルム~Domaine Taupenot-Merme~
  • ドメーヌ・マルシャン・フレール〜Domaine Marchand Freres〜
  • ドメーヌ・ジョルジュ・リニエ〜Domaine Georges Lignie〜
  • ドメーヌ・ミッシェル・マニヤン〜Domaine Michel Magnien〜

などがいます。

ドメーヌ・ポンソ~Domaine Ponsot~

ドメーヌ・ポンソはモレ・サン・ドニで最も有名な造り手です。1872年に創設された老舗ドメーヌであるドメーヌ・ポンソは、グランクリュのクロ・ド・ラ・ロッシュの最大所有者であり、かつ所有している区画も特に優れているとされている畑です。

モレ・サン・ドニのグランクリュとしてはクロ・ド・ラ・ロッシュともう1つ、クロ・サン・ドニも所有していますが、他にもジュヴレ・シャンベルタンのグランクリュである、シャンベルタン、シャペル・シャンベルタン、グリオット・シャンベルタンなども所有していました。近年は更に所有するグランクリュが増え、クロ・ド・ヴージョや、クロ・ド・ベーズ、コルトン・シャルルマーニュなどもリリースしています(メタヤージュの畑も多いです)

プルミエクリュや村名区画に関してはシャンボール・ミュジニーの畑も所有しています。モレ・サン・ドニのプルミエクリュは、モン・リュイザンを所有していて、先に紹介したアリゴテ100%のワインをリリースしています。

モン・リュイザンには黒ぶどうも植えられていて、モン・リュイザンとクロ・ド・ラ・ロッシュの若木を使用したプルミエクリュ・キュヴェ・デ・ザルーエットというキュヴェも造っています。

ドメーヌ・ポンソは、栽培や醸造は独自の考えを反映させた自然な方法をとっています。ビオディナミの手法も自らが良いと思う部分は採用しているようです。醸造は決まり切ったやり方はなく、その年のぶどうに合わせた方法をとります。S02に関しては常に少なく、発酵前に少量使うのみで、瓶詰め前にも使用しません。新ダルを使わないのも特徴ですね。

クローン選別にも力を入れているポンソのブルゴーニュ全体への貢献は大きく、現在のブルゴーニュの8割程度のピノノワールはポンソ由来のぶどうと言われています。

2017年には当主のローラン・ポンソが自らの名前を関したネゴシアンを立ち上げて、ドメーヌから抜けています。現在は妹のロゼ・マリー女史がドメーヌの指揮をとっています(ローランさんの時代にはかなり革新的なことをいくつも行なっています。エチケットの温度センサーや、テクノポリマーを使った合成コルクなどなど)

ドメーヌ・デュジャック~Domaine Dujac~

モレ・サン・ドニの造り手を二組挙げるとしたらポンソともう1つはドメーヌ・デュジャックです。ドメーヌ・ポンソが歴史ある老舗であるのに対して、ドメーヌ・デュジャックは1968年にモレ・サン・ドニで最初のぶどう畑を購入した比較的新しいドメーヌです。創設者のジャック・セイス氏はベルギー出身の方です。創立する前にドメーヌ・ド・ラ・プス・ドールでワイン造りを学んだという恵まれた経歴の持ち主です。

モレ・サン・ドニのグランクリュはクロ・ド・ラ・ロッシュとクロ・サン・ドニです。ボンヌ・マールも所有していますが、もちろんシャンボール・ミュジニー側の区画です。

ですが、トップキュヴェはモレ・サン・ドニのグランクリュではなく、2005年に購入したヴォーヌ・ロマネのロマネ・サン・ヴィヴァンと、ジュヴレ・シャンベルタンのシャンベルタンです。価格もかなり高価となっていますし、生産量も少ないのでなかなか飲む機会のないワインです。

モレ・サン・ドニの造り手だけあって、クロ・ド・ラ・ロッシュやクロ・サン・ドニの所有面積は、他の村のグランクリュと比べて随分と大きくなっていますし、デュジャックを代表するワインと言うことであれば、やはりモレ・サン・ドニの2つのグランクリュではあると思います。

ボンヌ・マールも以前は畑を対角線上に降る小径の下部のテール・ルージュのエリアのみの所有でしたが、買収によって上部のテール・ブランシュの区画も手に入れたことで非常にバランスの取れたワインに変化しています。

ヴォーヌ・ロマネにはロマネ・サン・ヴィヴァンの他にエシェゾーも所有しています。

モレ・サン・ドニのプルミエクリュ、モン・リュイザンではポンソ同様、白ワインを造っていますが、こちらはシャルドネです。

元々は全房発酵で、色調は淡めながらしっかりと味わいの乗ったワインを造っていましたが、息子の代になり、少しづつ変わってきています。新ダル率は高いですが、樽香が突出していない絶妙なバランス感覚は魅力的な部分です。

現在は基本的にビオディナミでワインを造っています。

ドメーヌ・デ・ランブレイ~Domaine des Lambrays~

クロ・デ・ランブレイをほぼ全て所有していて、クロ・デ・ランブレイとセットで語られるドメーヌ・デ・ランブレイ。シトー派により400年以上も守られていたクロ・デ・ランブレイはフランス革命により国に接収され、細かく細分化されてしまいました。

ジョリー家によってドメーヌ・デ・ランブレイが創設され、1630年から少しづつ畑を買い戻しはじめました。その後オーナーが変わりながらも長い年月をかけてほぼ全てのクロ・デ・ランブレイを取り戻すことになります。

クロ・デ・ランブレイはA.O.C.規定時はプルミエクリュでしたが、INAOの技術部門で働いていたティエリー・ブルーアン氏を醸造長に招き、1981年にグランクリュに昇格させるまでに発展させました(ティエリー氏は2016年ヴィンテージを最後に引退しています)

2014年からはLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)がオーナーとなっています。

飲んだこともなくあまり詳しくはないですが、ドメーヌ・デ・ランブレイは、モレ・サン・ドニのプルミエクリュも所有していますし、ピュリニー・モンラッシェのワインなどもリリースしています。

ドメーヌ・トプノ・メルム~Domaine Taupenot-Merme~

トプノ・メルムはクロ・デ・ランブレイのもう一人の所有者です。かなりの少量で市場でも見かけないワインですが、頑なに売却は拒んでいます。

ドメーヌ・トプノ・メルムは、サン・ロマン村のドメーヌ・トプノのジャン・トプノと、モレ・サン・ドニのドメーヌ・メルムのドゥニーズ・メルムの婚姻により、ドメーヌ・メルムの畑を引き継ぎ1963年に創立しました(ドメーヌ・ペロミノと分割相続)

モレ・サン・ドニの生産者とはいえ、グランクリュはクロ・デ・ランブレイ以外はモレ・サン・ドニには所有しておらず、ジュヴレ・シャンベルタンのシャルム・シャンベルタンとマゾワイエール・シャンベルタンがフラッグシップです。特にマゾワイエール・シャンベルタンの出来は素晴らしいです。

モレ・サン・ドニのプルミエクリュだとル・ヴィラージュや、ラ・リオットを所有していますが、村名も含めてジュヴレ・シャンベルタン村の比率が高いドメーヌです。

他にもいくつかの村に畑を所有していますが、サン・ロマン村のドメーヌ・トプノから誕生しただけに、サン・ロマンの所有面積が多くなっています。ビオロジック栽培です。

ドメーヌ・マルシャン・フレール〜Domaine Marchand Freres〜

マルシャン・フレールは、モレ・サン・ドニに1817年から続く歴史あるドメーヌです。

モレ・サン・ドニにはクロ・ド・ラ・ロッシュとプルミエクリュのクロ・デ・ゾルム、レ・ファコニエール、レ・ジュナヴリエールを所有する他、ジュヴレ・シャンベルタンに、グリオット・シャンベルタンとシャルム・シャンベルタンを所有しています(ジュヴレにはプルミエクリュも所有していますし、シャンボール・ミュジニーにも村名、プルミエクリュ共に所有しています)

個人的には特にレ・ファコニエールのガッチリした真面目な味わいに好感が持てます。

ドメーヌ・ジョルジュ・リニエ〜Domaine Georges Lignie〜

20cの初頭に創設されたドメーヌ・ジョルジュ・リニエ(それ以前からぶどう栽培は行われていた)

ジョルジュ・リニエが所有するモレ・サン・ドニのグランクリュは、クロ・ド・ラ・ロッシュと、クロ・サン・ドニです。ボンヌ・マールも所有しますが、やはりシャンボール・ミュジニー側です。ジュヴレ・シャンベルタンのシャルム・シャンベルタンも所有しています。

モレ・サン・ドニにはプルミエクリュのクロ・デ・ゾルムも所有しています。このクロ・デ・ゾルムは派手さのない落ち着いた良い味わいです。

ジョルジュ・リニエは、ナチュラルな栽培で、化学肥料を使わないことはもちろん、堆肥を用いた伝統的な栽培をしています。醸造は、収穫後、低温でぶどうを数日間置いてから発酵させます。発酵終了後も、数日そのまま保ち、タンニンなどを抽出させ、なじませます。

全体的にモレ・サン・ドニらしさがしっかりと感じられる造り手ですので、紹介した他の村にも畑は所有していますが、モレ・サン・ドニのワインが特にオススメです。

ドメーヌ・ミッシェル・マニヤン〜Domaine Michel Magnien〜

近年評価がうなぎ上りの造り手、ドメーヌ・ミッシェル・マニヤン。どちらかというと、ドメーヌものよりフレデリック・マニヤン名義のネゴシアンものの方が人気が高いようにも思います。

ネゴシアンとは言っても、農家と直接交渉し、自社のスタッフが栽培を行うなど、ドメーヌものと変わらない品質なのが特徴です。これにより所有していない様々なアペラシオン、テロワールのワインを造ることが可能となっています。クール・ド・フェール(鉄)、クール・ダルジル(粘土)、クール・ド・ロッシュ(岩)など、テロワールを表現した名前を付けたワインもいくつか販売しています。

ドメーヌものとして所有しているモレ・サン・ドニのグランクリュは、クロ・ド・ラ・ロッシュとクロ・サン・ドニです。プルミエクリュは、レ・ブランシャール、レ・シャフォを所有しています。

ドメーヌものとしてもジュヴレ・シャンベルタンやマルサネの畑をいくつも所有していますが、どれも高品質です。

近年はビオディナミを取り入れ、非常にナチュラルかつ上質なワインを産んでいます。アンフォラなどの使用も色々と試しているようですが、最初の年は違和感がある味わいでしたが、今はアンフォラを使用しても真っ当な良いブルゴーニュワインの味わいがします。


こちらはコート・ド・ニュイのアペラシオン⑤〜シャンボール・ミュジニー 〜の詳しい紹介です。

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