シャンパーニュ〜Champagne〜

モンターニュ・ド・ランスのワインの特徴

モンターニュ・ド・ランス〜Montagne de Reims〜

シャンパーニュ地方の中でも北側にあり、ぶどう栽培の北限とも言えるモンターニュ・ド・ランス。ランスからエペルネにかけてぶどう畑が広がっています。標高は全体的にはそれほど高くないですが、高いところでも300mほどあります。

モンターニュ・ド・ランスは、ピノノワールの栽培がメインで、特にグランクリュからは、上質なピノノワール主体のシャンパーニュが造られています。

モンターニュド・ランスにはグランクリュが9つあり、プルミエクリュが22あります。

モンターニュ・ド・ランスの中心地はランスの街で、ランスはエペルネと並んでシャンパーニュ地方の中心地でもあります。

そのためランスの街には大手メゾンの本拠が多くあり、予約すれば気軽に見学も出来ます。

シャンパーニュの大手メゾンは非常に大きく、他のワイン産地の造り手を訪れるのとは全く違った演出にも凝った見学ツアーが体験できるのでオススメです。

モンターニュ・ド・ランスのグランクリュ(9)

モンターニュ・ド・ランスには以下の9つのグランクリュに認定されている村があります。

  • ピュイジュー〜Puisieux〜
  • シルリー〜Sillery〜
  • マイィ〜Mailly〜
  • ボーモン・シュル・ヴェスル〜Beaumont sur Vesle〜
  • ヴェルズネイ〜Verzenay〜
  • ヴェルジー〜Verzy〜
  • ブジー〜Bouzy〜
  • アンボネイ〜Ambonnay〜
  • ルーボア〜Louvois〜

中でも特に注目したいのはヴェルズネイ、ヴェルジー、ブジー、アンボネイあたりでしょうか?

ヴェルズネイ、ヴェルジー、シルリー、ピュイジュー、マイィ、ボーモン・シュル・ヴェスルは、ランス南東部に位置し、距離もランスから非常に近い場所に固まっています。アンボネイ、ブジー、ルーボワは先の産地から弧を描くように南に降ったモンターニュ・ド・ランスの南端に位置します。距離的にはエペルネの方が近いですね。ヴァレ・ド・ラ・マルヌのグランクリュであるトゥール・シュール・マルヌはかなり近い場所にあります。

グランクリュの重要度が高いと思われる村から紹介していきます。

ヴェルズネイ〜Verzenay〜

モンターニュ・ド・ランスの中でも特に品格、偉大さを感じるのがヴェルズネイです。もともと近寄りがたさがあるシャンパーニュの中でもより、高貴です。親しみやすさのありませんが、質は高いものばかりです。表土薄く、チョークが強い。粘土も多め。ガッチリした骨格。北向き斜面の冷涼感。優美、どっしりした重さもある。重さと優美な抜け感のバランス。

エティエンヌ・ルフェーブルは、さすがヴェルズネイという品格の高さです。それでいて値段が全然高くないのが良いです。リュットリゾネ。培養酵母を少しだけ加えて発酵を促しています。

エティエンヌ・ルフェーブルはヴェルズネイが主力ですが、セラーを構えるヴェルジーとヴェルズネイをブレンドしたシャンパーニュも良い出来です。複数グランクリュのブレンドも小さな造り手ならではの面白さです。

アンボネイ〜Ambonnay〜

アンボネイは柔らかくふんわりした質感です。適度な品の良さ。個人的に好きなグランクリュ。なめらか、優しさ、軽やかさ。南東向き斜面で日照も程よくある。表土もそこそこ厚みがあり、粘土が少なく砂がある。

マルゲは非常にアンボネイらしい造り手で、かつ数少ない真っ当なビオディナミワインです。シャンパーニュのビオディナミの第一人者であるエルヴェ・ジェスタンと一時期一緒にワインを造っていましたね。アンボネイ以外も色々とありますが、やはりアンボネイの完成度が最も高い気がします(サピエンスは別格ではありますが)

ブジー〜Bouzy〜

モンターニュ・ド・ランスのグランクリュの中でも最も力強い味わいなのがブジー。表土薄く粘土が強く重いワインです。南向き斜面で日照が多い。無骨さ、土っぽさ。大きくどっしり。アンボネイの近くですが個性は真逆ですね。

ブジーのコトーシャンプノワ、ブジールージュ(スティルの赤ワイン)の質も高いです。

ブジーの造り手でオススメなのはブノワ・ライエです。ブノワ・ライエもエルヴェ・ジェスタンと関わりのある造り手で非常にナチュラルなワインです。ル・ジャルダン・ド・ラ・グロス・ピエールはブノワ・ライエのトップキュヴェですが、古代品種を含む9品種という現在認められていないはずの品種も使ったシャンパーニュです。グロ・プラン、タンテュリエという品種を使っているようですが、タンテュリエは果肉が赤いぶどうのことで、品種名ではない気がしますが、昔インポーターさんに聞いても明確な回答をいただけませんでした。

なぜ9品種が認められているのかもわかりませんが、味わいは非常に良いです。ブジー100%ではないようですが、ブジーらしい力強さがあり、かつ多品種ならではの複雑さが魅力です。

ブノワ・ライエは先に書いたブジールージュも良い出来です。

ヴェルジー〜Verzy〜

硬く重たい味わいを持ちながら、シャンパーニュの中ではフレンドリーな性格を持つのがヴェルジー。洗練と言うよりはざっくり。ブナの群生林が有名で、枝が曲がりくねって絡み合っています。不思議な場所。北向き斜面。当然ピノノワールの質が高いですが、隣はモンターニュ・ド・ランスの中でシャルドネの評価が最も高いトレパイユで、トレパイユ近くの畑はシャルドネも質が高いです。反対側はヴェルズネイです。

ムーゾン・ルルーのラタヴィックは高密度なミネラル感に支えられた力強い味わいです。ビオディナミらしいエネルギー感があります。数あるシャンパーニュの中でも最もナチュール的かなと思いますし、よくあるシャンパーニュのような取り澄ました冷たさがありません。きちんとビオディナミを実践していることが味わいからわかります。

当主のセバスチャンは、「ビオディナミは哲学であると同時に、半分は技術だ」と言っているようですが、その哲学の部分を正しく理解し感じ取っているのでしょう。

マイィ〜Mailly〜

北向き。軽やか、伸びやか、軽快。多くは協同組合のワインとしてリリースされる。むき出しの白亜の石灰岩が見られるマイィですが、ミネラリーでありつつ硬くなりすぎない軽やかさが魅力です。ヴェルズネイの西側です。

リュシアン・ロゲは数少ないマイィのみからシャンパーニュを造るレコルタン・マニピュランです。リュット・リゾネなので、ナチュラルさでは上記で紹介したワインに劣りますがきちんと造られたシャンパーニュなのは飲めばわかります。マイィの個性を理解する上でも貴重な造り手です。

シルリー〜Sillery〜

昔はシャンパーニュ地方の発泡性のワインはシルリームスーと呼ばれていたくらい、シルリーの味わいがこの地の基準でした(もともとは17〜18cにシルリーの赤ワインが評判になった)チャーミングでキメ細かい質感。マイィの北に位置します。

シルリーと言えばフランソワ・スコンデです。シルリー100%で造るのはフランソワ・スコンデだけだったと思います。リュット・リゾネです。ピノノワールからセニエで造ったベースに、少しだけシルリールージュ(セニエで残った濃い赤ワイン)をブレンドしたロゼがとても良いです。

フランソワ・スコンデはシルリー以外にもグランクリュ・ピュイジュー(シルリーのすぐ側)のキュヴェであるレ・プティット・ヴィーニュというシャンパーニュも造っています。これも貴重ですね。


ピエルソン・キュヴリエ・シャンパーニュ・キュヴェ・ミレジム・グランクリュはルーボワのピノノワール100%のシャンパーニュです。ルーボワはブジーの西側に位置します。ブジーを挟んだアンボネイの反対側です。細やかで優しい個性。ブジーよりはアンボネイに似ていますがアンボネイの方が品格がある印象です。

ボーモン・シュル・ヴェスルのことはまだきちんと把握出来ていませんが、クロ・トロワ・ヴィルジル・ポルティエ・グランクリュはボーモン・シュル・ヴェスル100%です。

モンターニュ・ド・ランスのプルミエクリュ

モンターニュ・ド・ランスのプルミエクリュ一覧(22)

  • ブザンヌ〜Bezannes〜
  • ビリー・ル・グラン〜Billy-le-Grand〜
  • シャムリー〜Chamery〜
  • シニー・レ・ロズ〜Chigny-les-Roses〜
  • コルモントライユ〜Cormontreuil〜
  • エキュイユ〜Ecueil〜
  • ジュイ・レ・ランス〜Jouy-les-Reims〜
  • リュード〜Ludes〜
  • レ・メヌー〜Les Mesneux〜
  • モンブレ〜Montbre〜
  • パルニー・レ・ランス〜Pargny-les-Reims〜
  • リリー・ラ・モンターニュ〜Rilly-la-Montagne〜
  • サシー〜Sacy〜
  • タイシー〜Taissy〜
  • トジエール〜Tauxieres〜
  • トレパイユ〜Trepail〜
  • トロワ・ピュイ〜Trois-Puits〜
  • ヴォドゥマンジュ〜Vaudemanges〜
  • ヴィル・ドマンジュ〜Ville-Dommange〜
  • ヴィレール・アルラン〜Villers-Allerand〜
  • ヴィレール・オー・ヌード〜Villers-aux-Noeuds〜
  • ヴィレール・マルメリー〜Villers-Marmery〜

モンターニュ・ド・ランスのシャルドネ

ピノノワールがメインのモンターニュ・ド・ランスですが、もちろん他の品種も栽培されています。特にグランクリュのシャルドネは(ピノノワールではなくてもちゃんとグランクリュを名乗れます)、人気こそありませんが、どっしり重く個性がはっきりしていて、面白いです。

シャルドネ主体のものを探してみても楽しいかもしれません。

モンターニュ・ド・ランスでシャルドネが多く造られているのはトレパイユ〜Trepail〜です。トレパイユは標高が高く、チョークも強く、ガチッと硬く酸も非常に強いワインが生まれます。

トレパイユは多くのシャンパーニュメゾンがアッサンブラージュのパーツに使う重要な産地です。

ダヴィッド・レクラパールのシャンパーニュはトレパイユの魅力が詰まっています。すぐ飲んで美味しいと思えないほど強さがあり、ある程度の熟成が必要ではあります。個性がはっきりしているトレパイユ単体のシャンパーニュを飲むと、大手メゾンがキュヴェを構成するパーツとしてトレパイユを必要とする理由がわかります。ビオディナミです。ダヴィッド・レクラパールは全てのキュヴェを単一年で造るのも特徴です。裏ラベルのL.Vの後に書いてある数字がヴィンテージです。紹介するシャンパーニュが何年なのかはわかりません。

モンターニュ・ド・ランス北側のエリア

リリー・ラ・モンターニュ〜Rilly-la-Montagne〜などがあるモンターニュ・ド・ランスの北側のエリアのプルミエクリュは砂質が強いところが多く、グランクリュとは違ったさらっとしたソフトな味わいです。

全体としてシャンパーニュはカチッとした神経質なものが多いので、モンターニュ・ド・ランス北側のさらりとした優しい質感は他では得難い個性です。

ヴィルマールはリリー・ラ・モンターニュを代表する造り手の一人です。価格がグランクリュと変わらないので、なかなか手が出しづらいプルミエクリュですが、多くのグランクリュとは違った個性は、これはこれでやはり魅力的です。ビオロジック。シャンパーニュらしい風格がありつつふんわりしています(比べると軽やかと書いたグランクリュのマイィなどの方がカチッとしている)

また砂質土壌のピノムニエは、ヴァレー・ド・ラ・マルヌの土っぽい重めの味わいと異なりフルーティで、ピノムニエの違った一面を見せてくれます。

ブールデール・ガロワはシャンパーニュ最北のマッシフ・ド・サン・ティエリーの造り手です(なので正確にはモンターニュ・ド・ランスではないですが)サラサラした砂の土壌はこのエリアではサブロ・リモヌ〜Sablo Limoneux〜と呼びます。フレッシュでフルーティーな味わいです。ほとんどのキュヴェがピノムニエ100%です。

モンターニュ・ド・ランス北側にはエキュイユ〜Ecueil〜のようにかなり粘土の強いエリアもあります。

エキュイユには砂質の強いエリアもあり、ニコラ・マイヤールのレ・フラン・ド・ピエはシャンパーニュでは4つの畑しかない、フィロキセラに侵されてない自根のぶどうを使ったキュヴェです。ニコラ・マイヤールの他のキュヴェは砂質らしいさらっとした印象ですが、フラン・ド・ピエはエネルギー感や存在感がある全然違うテイストです。

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