ラ・クラープ〜La Clape〜
ラ・クラープはナルボンヌの東側、地中海沿いに広がるアペラシオンです。ナルボンヌを含む6つの村(街)に認められています。
2015年に認定された新しいアペラシオンですが、認定以前から質の高いワインを造っていました。
ラ・クラープは白ワインと赤ワインが認められていますが、白ワインが特に優れているように思います。
ラ・クラープはラングドックの中でも特に優れたクリュ・デュ・ラングドックに認められています。
ラ・クラープの土壌
ラ・クラープは降水量がかなり少なく非常に暑い産地です。主に平地にぶどう畑が広がっています。表土は薄く、白亜紀の硬質な石灰岩の礫が多くあります。海側はどっしりした土台があり果実のニュアンスが広がります。内陸に入ると少し標高は高くなり硬さが出てきます。
ラ・クラープの辺りはもともと小さな島で、14cに土砂によって間の海が埋め立てられ、現在の形になりました。そのため、周辺のラングドックのワイン産地とは、土壌が異なります。南仏っぽい明るい、温かい味わいではありません。
主に第三紀の石灰岩土壌が多いラングドックの他のエリアのワインより細やかな質感です。表土は浅め。
ラ・クラープのぶどう品種
白ワインのぶどう品種はブールブーラン、クレーレット、グルナッシュブラン、ピクプール、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノなどを使えますが、ラ・クラープの白ワインで最も重要な品種はブールブーランです。
ラ・クラープの赤ワインは、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラーを主体としています。ラ・クラープは白ワインの方が赤ワインよりおすすめではありますが、赤ワインのクオリティも高いです。
ラ・クラープの基幹品種ブールブーラン
ブールブーランは非常に晩熟なぶどう品種です。ラングドックにおいても完熟しづらい品種です。
暑いラ・クラープではブールブーランはしっかりと熟し、キメ細やかで酸が低く、ゆったりとしたワインを生みます。熟したブールブーランは南国フルーツのニュアンスもあります。
こういったブールブーランの特徴に加えて、白亜紀のキリッとした冷涼なニュアンスも併せ持つのがラ・クラープです。
シャトー・ダングレスは元シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造長エリック・ファーブルさんがラ・クラープで造るワインです。お手頃な値段ながら品のある味わいでおすすめです。
上級キュヴェのグランヴァンブランはよりリッチな仕上がりです。
シャトー・ダングレスはラ・クラープの赤ワインの質も高いです。
ラングドック地方のワイン産地⑩、ミュスカ・ド・フロンティニャンの記事はこちらからどうぞ。