プロヴァンス〜Provence〜

コート・ド・プロヴァンスのワインの特徴

ラロンド

コート・ド・プロヴァンス〜Côtes de Provence〜

プロヴァンスで最大級の生産量を誇るアペラシオンであるコート・ド・プロヴァンス。かなり広いエリアを網羅しています(プロヴァンス全域ではない)

もともとはV.D.Q.S.でしたが、1977年にA.O.C.に認定されました。広いエリアなので、場所によって土壌なども異なります。特徴を把握するのが難しい産地です。

コート・ド・プロヴァンス全体ではロゼワインの生産が盛んで、ダイレクトプレスのさらっとしたワインが主流となっています。石灰岩のエリアが多く、かちっとしていてさらっと抜けるワインになります。

ロゼワイン以外にも赤ワイン、白ワインの生産も可能です。

ぶどう品種は赤ワインとロゼワインは、サンソー 、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラー、ティブーラン、補助品種としてカリニャン、カベルネソーヴィニヨン、クレーレット 、セミヨン、ユニブラン、ヴェルメンティーノが認められています。

コート・ド・プロヴァンス全体の把握は難しいですが、特徴ある地域は、コート・ド・プロヴァンスの後ろに地理的名称を表記することが出来ます。

地理的名称付きコート・ド・プロヴァンス(デノミナシオン)はしっかりと特徴を覚えたいところです(ですが日本にはほとんどないのが辛いところです)

コート・ド・プロヴァンスは、プロヴァンス全体を包括している訳ではなく、コート・ド・プロヴァンスのエリアはプロヴァンスの東側に多いです。西側にも少しコート・ド・プロヴァンスのエリアがあります。内陸のコート・ド・プロヴァンス・サント・ヴィクトワールです。他にカシーやバンドール周辺にも少しコート・ド・プロヴァンスのエリアがあります。

コート・ド・プロヴァンス・ラ・ロンド〜Côtes de Provence La Londe〜

個人的に良い印象を持っているコート・ド・プロヴァンス・ラ・ロンド。ラ・ロンド・レ・モールを中心とした4つの村がラ・ロンドを名乗ることが出来ます。ポルクロール島のイエール村のワインもラ・ロンドを名乗れます。ラ・ロンドはプロヴァンスの東側です。

地中海沿いのエリアで乾燥した地中海性気候ではありますが、海に近いラ・ロンドはしっとりです。他の地域が石灰岩が多い中、ラ・ロンドはシストで、しなやかな芯を持つワインを生みます。

他の地区名付きコート・ド・プロヴァンスが赤ワインとロゼワインが認められているのに対して、ラ・ロンドは白ワインの生産も可能です。

ラ・ロンドのぶどう品種はコート・ド・プロヴァンスとほぼ同じような規定です。白ワインはヴェルメンティーノ主体です。


シャトー・レ ・ヴァロンティーンはラ・ロンドらしいしなやかさと整った芯を持つワインです。トップキュヴェのキュヴェ8が素晴らしいですが、スタンダードなカプリース・ド・クレモンティーヌ・ロゼもとても良いです。個人的にも毎年ヴィンテージが変わる度に飲んでいるワイン。赤ワインや白ワインもありますが、やはりロゼが一番好印象です。

コート・ド・プロヴァンス・サント・ヴィクトワール〜Côtes de Provence Sainte Victoire〜

ラ・ロンドが海沿いだったのに対して、内陸、ヴィクトワール山周辺の9つの村に認められているのがコート・ド・プロヴァンス・サント・ヴィクトワールです。プロヴァンスの西側。

サント・ヴィクトワール表記が可能なのはロゼワインと赤ワインだけです。山に囲まれていて海からの影響は少ない産地です。

ぶどう品種はコート・ド・プロヴァンスとほぼ同じです。ムールヴェードルが補助品種になっていることくらいだと思います。


サント・ヴィクトワールだとシャトー・クーサンが気に入っています。真っ当な味ですがちゃんとナチュラルで山のワインぽい個性がしっかり出ています。サント・ヴィクトワールは赤ワインとロゼワインですが、アペラシオンを名乗れない白ワインも良いです。

コート・ド・プロヴァンス・フレジュス〜Côtes de Provence Fréjus〜

コート・ド・プロヴァンスの最東端の位置するコート・ド・プロヴァンス・フレジュス。カンヌも近いですね。フレジュスを含む8つの村に認められています。

コート・ド・プロヴァンスの他のエリアと比べて降水量が多いのが特徴です。シストや火山性の土壌。

赤ワインとロゼワインが認めていて、赤ワインはシラーが主体です。ロゼワインはグルナッシュと珍しいティブーランが主体。ティブーラン単独でも造れます。ラ・ロンド同様、固くなり過ぎないのが魅力。シスト土壌です。


ドメーヌ・デ・プラーヌはフレジェスの隣町(東側)、サン・ラファエルの造り手です。主力のワインはティブーラン100%のコート・ド・プロヴァンス・キュヴェ・ティブーラン・ロゼです。可愛らしい香りですが、穏やかで安定感があります。

コート・ド・プロヴァンス・ピエールフー〜Côtes de Provence Pierrefeu〜

地理的名称付きコート・ド・プロヴァンス自体、そんなに古いものではありませんが、2013年に認められた、とりわけ新しいサブアペラシオンです。12の村が認められています。

ラ・ロンドの内陸部にあり、地中海と内陸の山の影響をどちらも受けるエリア。土壌はペルム紀の赤い粘土(砂質も含む砂質埴土 )に石灰岩の石、シストもあります。高いところだと標高400mくらいのところまで畑があります。

コート・ド・プロヴァンス・ピエールフーは、赤ワインとロゼワインが認められていて、品種規定はコート・ド・プロヴァンスと同じような感じですが、収量規定が他の地区名付きコート・ド・プロヴァンスより厳しくなっています。


ピエールフーの造り手であるシャトー・モントーのロゼはグルナッシュ50%、サンソー30%、ティブーラン20%、シラー10%のブレンドです。ミネラリーでラ・ロンドとサント・ヴィクトワールの間くらいのバランスです。ティブーランのチャーミングさがポイントです。


現在はコート・ド・プロヴァンス・ノートルダム・デ・アンジュ〜Cotes de Provence Notre-Dame des Anges〜というデノミナシオンも新たに生まれていますが、飲んだことはありません。


プロヴァンスのワイン産地③、コトー・デクサン・プロヴァンス、コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス、レ・ボード・プロヴァンス・ピエールヴェール、ベレの記事はこちらからどうぞ。

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