南西地方は、普段のみに最適なワインが多い産地だと思います。素朴で親しみやすいワインが多いです。
エリアの位置関係などが少し分かりづらい感じはしますが、きちんと地図を見ながら産地の特徴を押さえていおきたいですね。
ソムリエ試験対策〜南西地方〜
マルセイユからワイン造りがフランス西部、ボルドーの方へ広がっていく過程で、通った産地。なので歴史はボルドーよりも古い。
1152年、アキテーヌ王妃アリエノールが、後の英国王となるアンリ・プランタジュネと結婚し、ボルドーの港を通じて、ボルドーとイギリスのワイン貿易は盛んになる。
ボルドーより上流の南西地方は、奥地のワインと呼ばれ、ボルドーのワインより遅らせてボルドー港に運び込まれることが決まっていた。
20cに入り、A.O.C.法が成立すると、ベルジュラックやガイヤックなどを始め、次々とA.O.C.が誕生した。
南西地方はフォワグラやトリュフの産地としても有名。
南西地方の主要なぶどう品種
白ぶどう
- セミヨン
- ソーヴィニヨンブラン
- ミュスカデル
- モーザック
- プティ・マンサン
- グロ・マンサン
黒ぶどう
- カベルネソーヴィニヨン
- メルロ
- タナ
- コット=オーセロワ=マルベック
- ネグレット
メモ
ぶどう品種はボルドー品種プラスその地域の地場品種といった感じです。
南西地方の地方料理と食材
- コンフィ・ド・カナール(鴨のコンフィ。カオール、マディランと)
- フォワグラ・ポワレ(パシュラン・デュ・ヴィク・ヴィル、ジュランソンと)
- サルミ・ド・パロンブ(森鳩のサルミ。マディランと)
- シヴェ・ド・マルカサン(仔猪の煮込み。イルレギの赤と)
メモ
現在にフランチビストロの定番料理は南西地方の料理が多いですね。
ベルジュラック地区
ボルドー に隣接するエリア。ぶどう品種もボルドーと共通で、赤ワインは、メルロ、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、白ワインは、ソーヴィニヨンブラン、セミヨン、ミュスカデル。
ベルジュラックの主要なA.O.C.
- ベルジュラック(赤、ロゼ、辛口白)
- コート・ド・ベルジュラック(赤、半甘口白。ベルジュラックとコート・ド・ベルジュラックは同一地域。コート・ド・ベルジュラックの方が条件厳しい)
- ペシャルマン(赤ワインのみ)
- モンラヴェル(赤、辛口白。ボルドー のコート・ド・カスティヨンに隣接)
- コート・ド・モンラヴェル(半甘口白、甘口白。過熟したぶどうから造られる甘口)
- オー・モンラヴェル(半甘口白、甘口白。過熟したぶどうから造られる甘口。コート・ド・モンラヴェルとオー・モンラヴェルは範囲は異なるが、A.O.C.モンラヴェルの一部の地域)
- ソーシニャック(甘口白)
- モンバジャック(甘口白)
メモ
ベルジュラックが基本です。
ガロンヌ地区
ガロンヌ川沿いにトゥールーズまで広がる地区。赤ワインは、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、コット、メルロなどから、白ワインはミュスカデル、ソーヴィニヨンブラン、ソーヴィニヨングリ、セミヨンなどから造られる。
ガロンヌ地区の主要なA.O.C.
- コート・ド・デュラス(赤、ロゼ、辛口白、甘口白。赤ワインはカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、コット、メルロ。白ワインはシュナンブラン、モーザック、ミュスカデル、オンダンク、セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ソーヴィニヨングリ)
- コート・デュ・マルマンデ(赤、ロゼ、白。赤ワインとロゼワインは、カベルネソーヴィニヨン、コット、メルロ。白ワインはソーヴィニヨンブラン、ソーヴィニヨングリ)
- ビュゼ(赤、ロゼ、白。赤ワインとロゼワインは、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、コット、メルロ。白ワインは、セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ソーヴィニヨングリ、ミュスカデル。1973年にV.D.Q.S.からA.O.C.に昇格)
- ブリュロワ(赤、ロゼ。カベルネフラン、メルロ、タナ。2011年にV.D.Q.S.からA.O.C.に昇格)
- サン・サルド(赤、ロゼ。シラー40%以上、タナ。2011年V.D.Q.S.からA.O.C.に昇格)
- フロントン(赤、ロゼ。ネグレット50%以上。2005年にコート・デュ・フロントネから名称変更)
メモ
ガロンヌ地区はまずはフロントンですね。同じ地区とはいえ、ボルドーの方のコート・ド・デュラスとはまったく違った方向性です。
トゥールーズ、アヴェイロネ、中央山塊地区
トゥールーズから中央山塊にかけての地区。赤ワインはコット、デュラス 、フェル・セルヴァドゥ(ブローコル)、白ワインは、レン・ド・レル、モーザック、ミュスカデル。
トゥールーズ、アヴェイロネ、中央山塊地区の主要なA.O.C.
- ガイヤック(赤、ロゼ、辛口白。ガイヤックの町を中心に広がるA.O.C.。赤ワインはデュラス 、フェル・セルヴァドゥ中心。白ワインはモーザック、レン・ド・レル、ミュスカデル中心)
- ガイヤック・ドゥー(甘口白)
- ガイヤック・メトッド・アンセストラル(発泡性白。残糖45g/ℓ以上)
- ガイヤック・ヴァンダンジュ・タルディーヴ(極甘口白。残糖100g/ℓ以上)
- ガイヤック・プルミエール・コート(辛口白)
- コトー・デュ・ケルシー(赤、ロゼ。カベルネフラン40〜60%、コット、ガメイ、メルロ、タナ)
- カオール(赤ワインのみ。ロット川沿いに広がる産地。歴史的に黒ワインと呼ばれるほど色の濃いワインを産出。コット主体)
- マルシャック(赤、ロゼ。フェル・セルヴァドゥ90%以上)
- エスタン(赤、ロゼ、白。赤ワインとロゼワインは、フェル・セルヴァドゥ、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、メルロ、ガメイ。白ワインはシュナンブラン。2011年にV.D.Q.S.からA.O.C.に昇格)
- アントレイグ・ル・フェル(赤、ロゼ、白。赤ワインとロゼワインは、フェル・セルヴァドゥ、カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン。白ワインはシュナンブラン。2011年V.D.Q.S.からA.O.C.に昇格)
- コート・ド・ミヨー(赤、ロゼ、白。赤ワインはガメイ、シラーgsそれぞれ30%以上、カベルネソーヴィニヨン10〜30%。ロゼワインはガメイ50%以上。白ワインはシュナンブラン50%以上。2011年V.D.Q.S.からA.O.C.に昇格)
メモ
まずはガイヤックとカオールの特徴をしっかりと把握したいところです。ガイヤックは赤、白、ロゼ、泡と全てのタイプが認められている。カオールは赤のみ。
ピレネー地区
ピレネー山脈を望む場所から麓まで散財する。赤ワインはカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、タナ。白ワインはプティマンサンやグロマンサンだが、その他の土着品種も多数。
ピレネー地区の主要A.O.C.
- マディラン(赤ワインのみ。下のパシュラン・デュ・ヴィクヴィルと同じ生産地域。赤ワインの場合がマディラン。タナ主体で、40〜80%)
- パシュラン・デュ・ヴィクヴィル(白ワインのみ。マディランと同じ地域で、白ワインの場合がパシュラン・デュ・ヴィクヴィル。プティマンサンとグロマンサン主体。残糖45g/ℓ以上の甘口。辛口の場合はパシュラン・デュ・ヴィクヴィル・セック表記で残糖4g/ℓ以下)
- ジュランソン(白ワインのみ。プティマンサンとグロマンサン主体。残糖35g/ℓ以上の甘口。辛口ワインはジュランソン・セック表記で残糖4g/ℓ以下)
- イルレギ(赤、ロゼ、白。赤ワインはカベルネフラン、タナ合わせて50%以上。単独で90%以下。ロゼワインはカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、タナ合わせて90%以下。白ワインはグロマンサン、プティマンサン、クリュビュ、プティクリュビュ主体で2品種以上使用)
- ベアルン(赤、ロゼ、白。赤ワインとロゼワインはカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、タナ。白ワインはグロマンサン、プティマンサン、ラフィア・ド・モンカード)
メモ
どのアペラシオンも比較的知名度が高い気はしますが、名前は知っていても、実際どんな産地なのかはわからない方が多いエリアだと思います。ジュランソンにしろ、イルレギにしろ、とても魅力的な地域です。
リムーザン地区
昔はぶどう栽培が広く行われていたが、フィロキセラの被害でほぼ壊滅。現在はかなり生産量の少ない産地。
- コレーズ(赤ワインのみ。カベルネフラン50%以上、メルロ、カベルネソーヴィニヨン。2017年A.O.C.昇格)
- コレーズ・コトー・ド・ラ・ヴェゼール(赤、白。赤ワインはカベルネフラン主体、白ワインはシュナンブラン主体)
- コレーズ・ヴァン・ド・パイユ(ロゼ、白。カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、シャルドネ、メルロ、ソーヴィニヨンブラン。陰干しぶどう使用。残糖68g/ℓ以上)
ソムリエ試験対策の次の記事はこちら。
試験対策を終えたらこちらもどうぞ。