プロヴァンス〜Provence〜

カシー(カシス)のワインの特徴

カシー

カシー〜Cassis〜

プロヴァンスの中でも特に気に入っているワイン産地であるカシー。

実際に訪れたこともありますが、非常に小さな漁村で、港の雰囲気や匂いなど、日本の漁村と同じような感じです。

プロヴァンスカシー

港には小さな船がたくさん並んでいます。

カシーはプロヴァンスの中心地であるマルセイユからも電車で30分程度と近いですが、マルセイユと比べると随分と田舎です。マルセイユのような危ない雰囲気もありません。

カシーは小さな入江のカランクが有名です。軽い登山のような感じでいくつかのカランクを回ることも出来ますし、遊覧船で回るコースもあります。

プロヴァンスカシーカランク

僕は時間がない中、無理やりカシーに行ったので、一つ目のカランクを歩いて見に行って帰ってきました。遠くから見た程度ですが。

本当はもっと先にあるカランクの方が綺麗だそうで、時間があれば、遊覧船で回るのがおススメです。歩きはかなり大変だと思います(山登りとか慣れた人なら良い)

カシーは造り手が11軒とかなり小規模なアペラシオンです。フォロキセラ後にスタイルをガラッと変えました。そしてそれが成功している例です。

カシーは1936年と、ソーテルヌやシャトー ヌフ・デュ・パプと共に最も早くにA.O.Cを取得したワイン産地です。

ワインは主に白ワインで(プロヴァンスでは珍しい)、次いでロゼワインも多く、少量の赤ワインも造っています。

カシーのぶどう品種

もともとはミュスカが多く栽培されていたワイン産地で、フォロキセラ後に、ドメーヌ ・ボダンとクロ・サント・マグドレーヌがソーヴィニヨンブランなどを栽培して復興させました。

他の品種も結構あり、カシーの白ワインの主要品種はクレレットとマルサンヌです。特にマルサンヌは、30〜80%使用する必要があります。クレレットとマルサンヌ合わせて60%以上という規定です。

他にもブールブーラン、パスカル、ユニブラン、テレブラン、先に挙げたソーヴィニヨンブランが使用可能です。ブールブーランはカシーではドゥシヨンとも呼びます。

カシーのロゼワインは、サンソー 、グルナッシュ、ムールヴェードル主体です。白ワインで使用可能な品種を補助品種として使うことが出来ます。バルバリー、カリニャン、テレノワールも使用可能です。

プロヴァンスはロゼワインが有名な地域ですが、一般的なコート・ド・プロヴァンスのロゼと比べて、すっきりしすぎず、複雑で滑らかです。

赤ワインは、ロゼワインの使用品種から白ぶどうを抜いたような感じです。

白ワインとロゼワインが有名なカシーですが、赤ワインの質も高く、同じように滑らかな質感で、ピュアで伸びやかです。

カシーのぶどう畑と土壌

カシーのぶどう畑は街からも近いところにあり、歩いて見て回ることも可能ではあります(車の方が良いとは思いますが)クロ・サント・マグドレーヌは海に近い場所にあります。ドメーヌ・ボダンは内陸の方。

地中海からすぐ近くの産地とは言え標高が高いところが多いのも特徴です(結構起伏がある地域)場所によっては400m程度あり、テラス状の畑も多(バンドール同様のレスタンク)

カシーは1億年ほど前の白亜紀の石灰岩土壌です。鉄分が多いようで、白亜紀と言ってもシャンパーニュのような真っ白な土壌ではないです。

地中海からの優しい風が絶えず吹き、夏でもそれほど暑くなりすぎません。潮風のニュアンスはワイン自体からも感じられます。

カシーの味わい

カシー

カシーの造り手はみんなナチュラルな方向で、多品種ならではの複雑さと、海沿いワインのしっとり感を備えています。非常に滑らかな質感で、複数品種のツギハギ感がなくまとまりがあります。

ぶどう品種自体は割とカチッとしたものが多いので、水辺の柔らかさと品種の硬さのバランスを楽しむワインです(海を感じるカシーは一部のみですが)

木樽を使わないのもカシーの伝統で、樽の味に邪魔されないぶどうのピュアな味わいを楽しめます。

カシーのロゼワインはとくにブイヤベースと相性が良いと言われます。ブイヤベースの方が味がだいぶ濃くロゼの方が少し硬いので、ちょっと合わせずらいように思いますが、悪くはありません。

ただ、マリアージュすると言い切るのは難しいように思います。きちんと合わせるためにはもう少し何か方法を考えないといけません。

個人的にはカシーは価格と味のバランスを考えるとプロヴァンスを代表するワインではないかと思っています(赤ワインもいいけど特に白ワインとロゼワイン)

パレットにこそ劣るとは思いますが、値段を考えれば特にプロヴァンスを代表するクリュだと言えます。

カシーの造り手

プロヴァンスマグドレーヌカシー

カシーは生産者の数が少ないとは言え、日本で見かけるのはほぼクロ・サント・マグドレーヌ一択なのは少し寂しいです。とは言えクロ・サント・マグドレーヌのレベルは高く、特に上級キュヴェのベル・アルムは滑らかかつ、凝縮度が高くおすすめです(スタンダードのカシーもとても良いです)

ベル・アルムのセパージュは、マルサンヌ60%、ユニ・ブラン20%、クレーレット15%、ブールブーラン5%です。スタンダードなキュヴェはステンレスタンクで熟成させますが、ベル・アルムは卵型のコンクリートタンクです。白ワインの発酵温度は18度〜21度と高めなのも特徴です。

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他にはドメーヌ・デュ・パテルネルも買えるはずです(ネットでは見つけられませんでした)北西向きの斜面で粘土石灰質土壌です。石壁で仕切られたテラス状の畑になっています。 カシーブランはクレレット41%、マルサンヌ30%、ユニ・ブラン24%、ブールブーラン(ドゥシヨン)5%です。

フェルム・ブランシュは現地ではかなりお手頃な値段で販売されていて、味も良いです。クレーレット、マルサンヌ、ソーヴィニヨンブランのブレンドです。日本にも輸入されているようです。フレッシュで気軽なテイスト。

昔はドメーヌ・デュ・バニョールも日本で見かけましたが、多分今はなさそうです。

クロ・ダルビッジの白はクレレットを主体にマルサンヌとユニ・ブランをブレンドしたワインです。カシーの中では厚みのあるスタイルです。


プロヴァンスのワイン産地②、コート・ド・プロヴァンスの記事はこちらからどうぞ。

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