カベルネ・フラン〜Cabernet Franc〜
カベルネフランはボルドーの主要品種の一つですが、カベルネソーヴィニヨンやメルロと比べると地味な存在です。
細身で繊細、場合によっては弱々しい印象すらあるカベルネフラン。
寒い年や未熟なぶどうから造られたワインは青臭く、それを敬遠する方も多いですね。
ただ温暖化の影響か、青臭いカベルネフランは昔よりずっと少なくなってはいます。しっかり熟したカベルネフランは青さではなく、清涼感のあるハーブのニュアンスを感じます。
細身ですが品の良さがあるのがカベルネフランの魅力で、その品格がもっとも感じられるのはボルドーではなく、ロワールのシノンです。ボルドーだとエリアとしてカベルネフランが強いところはないですが、強いていえばサンテミリオンの西側のエリアはカベルネフラン優勢でかつ質が高いです。
ボルドーでカベルネフランの魅力を最大限感じさせるシャトーは、シャトーシュヴァルブランとシャトーオーゾンヌですね(オーゾンヌはサンテミリオン西側ではないですが)
カベルネフラン主体ではなくても少し入るだけで、清涼感や品の良さが出るのでボルドーワインを影で支える存在だと言えます(メルろが土台を作り、カベルネソーヴィニヨンが骨格を作り、カベルネフランが伸びやかさと品を作る)
カベルネフランの細身でまっすぐ伸びる形は、黒ぶどうで言うとシラーと似ています。シラーは細くても力強さと芯がありますが、形としては似ています(シラーは強くても繊細)シラー程の強さはなく、あくまで品良く優しいさらっとしたテイストです。
白ぶどうで言うとソーヴィニヨンブランやリースリングと同じような形だと思います(まっすぐ細身でカチッとした形をしている品種)
カベルネフランはフランスの黒ぶどうの中で最も繊細なワインを生むぶどう品種だと思います(ピノノワールは色は淡くても強さがあったりしますし)