アサヒビール〜Asahi〜
大手ビール会社はどこもワインにも力を入れていますが、中でも一番ワインが魅力的だと思うのはアサヒビールです。
大きな資本力のある会社ですし、扱うワインも大御所ばかりで面白味に欠けますが、改めて飲んでみると素晴らしいワインがちゃんとあります。
大きな造り手のワインを使うことに以前は抵抗があり、小さな造り手ばかり扱っていた時期もありますが、今は大きいとか小さいとか、有名だとか無名だとか関係なく、そのワインを飲んだ味わいで判断するようにしています。
きちんとその土地を表現しているワインなら、規模は関係ないなと考え直しました。
誰もが知っている造り手だと、飲む側も新鮮味がなくつまらない印象を持つ可能性はありますが、いかに土地の個性を生かした造りをしているかとか、管理、サーヴのやり方で表現する味わいに変化を持たせる、などを駆使して、造り手やそのワインの新たな魅力を感じてもらえるよう、取り組んでいます(実際、体験した方はみなさん驚きますが、結構面白いことをやっています)
今は大きなネゴシアンや大御所の造り手も、どんどんナチュラルな造りに変化していますね。それも大手のワインを使うようになった要因です。
どの造り手も確実にナチュラルな方向に進んでいて、今では大御所のワインメーカーやネゴシアンでさえ、ビオディナミを取り入れていたりする時代です。有名ネゴシアンはもう良いやと長いこと飲んでいない人は今飲むと驚くかもしれませんね。確実に変化、進化しています。
ルイ・ラトゥール〜Louis Latour〜
アサヒが扱う大御所のワイン生産者の中で、今一番好きなのはルイ・ラトゥールです。全体的に軽い抽出の軽やかなワインです(近年少し抽出を強くしたらしいですが)
普通にお手頃なブルゴーニュ・ガメイから美味しい(ブルゴーニュ・ガメイは割と近年誕生したアペラシオンで、ボージョレのクリュのガメイにブルゴーニュのピノノワールをブレンド出来る不思議だけど、素晴らしいアペラシオンです)
ボージョレのピノノワールの可能性を示したピエールドレも良いワインですね。
お手頃ワインのレベルが安定して高いルイ・ラトゥールですが、高額なグランクリュはやっぱりすごい。
なかなか飲む機会はありませんが、ヴォーヌロマネのグランクリュ、ロマネサンヴィヴァン・レ・キャトル・ジュルノーは文句のつけようがない完成度ですし、白ワインのグランクリュ、モンラッシェやバタール・モンラッシェもやはり素晴らしいです。
本拠地コルトンのワインも力が入っています。コルトンの地にシャルドネを植えて、コルトン・シャルルマーニュを生み出したのもルイ・ラトゥールですし、コルトン・グランクリュのフラッグシップとも言えるコルトン・グランセイも忘れてはいけない存在です。
コルトンのグランクリュは他にもいくつか持っているルイラトゥールですが、個人的にはコルトン・ヴィーニュ・オーサンが、個性的で気に入っています。コルトンのワインの中では圧倒的な柔らかさ。
アサヒビールの他の造り手
ボージョレのアンリ・フェッシは10あるボージョレのグランクリュの内。9つのエリアで畑を持っている造り手で、ボージョレのクリュの特徴を把握するのに役立ちます(とは言っても9つのクリュを扱っているわけではないです)
アサヒビールは、シャブリのシモネ・フェブルも扱っていますが、シモネ・フェブルもアンリ・フェッシもルイ・ラトゥールの傘下です。
他にもランソンやニコラ・ぺランなどの有名な生産者がいますが、個人的にはアサヒビールはルイラトゥールとその傘下のワインが良いインポーターというイメージです。