コート・ド・セザンヌ〜Côte de Sézanne〜
コート・ド・セザンヌはコート・デ・ブランの南西15キロほどのところにあるセザンヌ村を中心としたシャンパーニュの産地です。
モンターニュ・ド・ランスやヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランの主要3産地と比べると知名度も低いですが、シャンパーニュの中では価格も安く、注目のワイン産地です。
コート・ド・セザンヌのぶどう品種
コート・ド・セザンヌのぶどうはコート・デ・ブランと同じくシャルドネが多く栽培されています。粘土が多いため、コート・デ・ブランより太く厚みがありますが、繊細さは劣ります。ですが方向的にはコート・デ・ブランの延長線上の味わいです。
コート・ド・セザンヌの土壌
コート・ド・セザンヌは、シャンパーニュの他の産地と同じく、白亜質のチョーク土壌ですが、粘土の比率が高めなのが特徴です。
コート・ド・セザンヌはシャンパーニュの中では南に位置し、比較的温暖な地域です。おおらかな味わいのシャンパーニュを生みます。
チョークの土壌が生み出すかっちりした部分と、シャンパーニュの中では温暖な気候が生み出す硬柔のバランスの良さが特徴です。
降水量も比較的多くしっとり感をワインに与えます。コート・デ・ブランのハーブっぽい冷涼感より柑橘類のジューシーさです。より明るい印象。
コート・ド・セザンヌの格付け
コート・ド・セザンヌはグランクリュはおろか、プルミエクリュに格付けされている村もありません。
以前はコート・ド・セザンヌのぶどうは大手メゾンに売られていて、名前を聞くことは少なかったですが、近年は、コート・ド・セザンヌでも自らシャンパーニュを造るレコルタン・マニピュランが増え、上記のようなコート・ド・セザンヌの地域の特徴が見えてくるようになりました。
ルグレ・エ・フィスはコート・セザンヌ北部のタリュ・サン・プリ村の造り手です。元々は1950年から続くぶどう栽培家でした。ビオロジックを経て現在はビオディナミでワインを造っています。
ルグレ・エ・フィスの畑はコート・ド・セザンヌ全域に点在しています。北からタリュ・サン・プリ、オイエ、セザンヌ、バルボンヌ・フェイエルと、南部まで畑を持っています。様々なエリアのぶどうをブレンドしたワインは、コート・セザンヌの土地を見事に表現しています。
ルグレ・エ・フィス・ミネラルはシャルドネ100%のブラン・ド・ブランです。先に書いたようなコート・デ・ブランに通じる方向性です。
ルグレ・エ・フィス・エキリブルはピノムニエが4割と最も多い比率をしめ、ピノノワールとシャルドネが同僚使われています。様々なエリアの異なった土壌と品種から生み出される複雑さと一体感が魅力です。ブラン・ド・ブランよりコート・ド・セザンヌを表現していると言えるかもしれません。
シャンパーニュ地方のワイン産地⑤、コート・デ・バールの記事はこちらからどうぞ。