サントネイ〜Santenay〜
サントネイは東側はシャサーニュ・モンラッシェ、西側はマランジェと隣接した村です。サントネイはワインだけではなく、カジノや温泉(スルス・カルノ)でも知られた村で、温泉は17cにはすでに有名でした。
現在もワインで有名なシャトー・ド・サントネイは、ブルゴーニュ公国の初代公王、フィリップ・ル・アルディ(豪胆公)が所有していた城の1つで、「ガメイ引き抜き令」が記されたところでもあります。これにより、ブルゴーニュは大きく変わりましたね。
ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェと白ワインの銘醸地が続きましたが、その隣のサントネイは8割が赤ワインの産地です。
サントネイのワインは骨格がなく、優しくフルーティなワインです。酸もソフトで、果実感の方が強い明るい雰囲気があります。コート・ドールの赤ワインの中で最も緊張しないワインです。
サントネイのプルミエクリュ
サントネイにはグランクリュはありません。12のプルミエクリュがあります。
プルミエクリュはシャサーニュ・モンラッシェ側と中央部、マランジェ側の三箇所に分かれています(その間、周りには村名の区画がある)
シャサーニュ側はブルゴーニュ共通のジュラ紀の中でも新しい地質年代で、より明るい印象です。
マランジェ側は古い地質年代で、少し暗い印象になります。
サントネイのプルミエクリュ(12)
- ラ・コム〜La Comme〜
- ボールガール〜Beauregard〜
- クロ・フォバール〜Clos Faubard〜
- クロ・デ・ムーシュ〜Clos des Mouches〜
- クロ・ド・タヴァンヌ〜Clos de Tavannes〜
- レ・グラヴィエール〜Les Gravières〜
- パスタン〜Passetemps〜
- ボールペール〜Beaurepaire〜
- ラ・マラディエール〜La Maladière〜
- レ・フルノー〜Les Fourneaux〜
- グラン・クロ・ルソー〜Grand Clos Rousseau〜
- クロ・ルソー〜Clos Rousseau〜
ラ・コム〜La Comme〜
シャサーニュ・モンラッシェのプルミエクリュ、レ・ザンバゼなどと隣接するラ・コム。斜面上部の粘土石灰質でサントネイの中ではかっちりしたワインです。上部には村名のコム・デュスーがありますが、表土が厚く、粘土の割合も多くなり、こちらは硬さのないワインです。
レ・グラヴィエール〜Les Gravières〜
サントネイのプルミエクリュの中でも特に素晴らしいのが、レ・グラヴィエール〜Les Gravieres〜です。レ・グラヴィエールは19cから評価されてきている歴史ある畑です。その評価も納得の品格があります。
ジュラ紀、チトニアンの地質年代の土壌です。泥灰岩。
昔のグラヴィエールは隣のプルミエクリュ、クロ・ド・ダヴァンヌも含まれていたので、クロ・ド・ダヴァンヌも上質な畑と言えます。
ボールペール〜Beaurepaire〜
サントネイのぶどう畑の中央部に広がるプルミエクリュのボールペール。白っぽい泥灰岩で滑らか。赤ワインより白ワインが柔らかくて良い感じがします。
クロ・ルソー〜Clos Rousseau〜
マランジェ側のプルミエクリュ群の畑の一つ、クロ・ルソー。マランジェと隣接した畑です。サントネイのシャサーニュ側のプルミエクリュと比べると明らかに違うガッチリした骨格。タンニンもしっかりしています。泥灰岩とウーライト。基本はバジョシアンですがもう少し新しい地層もあるよう。南東向き斜面。標高は300m程度です。
サントネイの代表的な造り手
サントネイのワインはやはりサントネイを本拠地とする造り手の方が良いと思いますが、ワインを見つけることが出来なかったので、別の村の造り手ばかりになっています。下記の造り手、例えばリュシアン・ミュザールなどもレ・グラヴィエールを所有していますので、そういったワインが見つけられた時はそちらをお勧めします。
- ドメーヌ・ロジェ・ベラン〜Domaine Roger Belland〜
- リュシアン・ミュザール〜Lucien Muzard〜
- ジャン・マルク・ヴァンサン〜Jean Marc Vincent〜
- ドメーヌ・バシェ・ルグロ〜Domaine Bachey-Legros〜
- ドメーヌ・ジャック・ジラルダン〜Jacques Girardin〜