ピクプール・ド・ピネ〜Picpoul de Pinet〜
ピクプール・ド・ピネは、トー湖(エタン・ド・トー〜Etang de Thau〜)の北に位置するピネ村を含めた6つの村に認められたアペラシオンです。
トー湖は地中海に面した港町であるセット(セート)の地中海と反対側に広がっている湖です。トー湖はミディ運河の起点であり、牡蠣の名産地(ブジーグの牡蠣)です。
ピクプール・ド・ピネは、距離的にも近い、このブジーグの牡蠣と相性が良いと言われています。
アペラシオンの名前にもなっているピネ村はエリアの中心の少し南側に位置しています。最も海に近いのは、ピネから北西に進んだ所にあるメーズです。トー湖のすぐ側です。
ピネの南西方向すぐ近くにある村がポメロールで、さらに南西に少し進むとフロレンサックです。ピネの北西方向にはカステルノー・ド・ゲールがあり、ピネの北部にはモンタニャックがあります。
ピクプール・ド・ピネの土壌
ピクプール・ド・ピネのエリアの土壌は、基本は第三紀の土壌で、海側(メーズ)は砂が多く、内陸部は粘土や礫が多く石灰も多くなります。石灰岩は白亜紀のものもあります(北部のカステルノ・ド・ゲールなど)割と赤っぽい土のエリアが多いです。
同じ第三紀とは言え、海側は中新世で、内陸部はより新しい鮮新世の土壌です。
土壌の違いから、ピクプール・ド・ピネと言っても様々な味わいのものがありますので、先に紹介した牡蠣と合わせるとしたら、海に近い砂質土壌のワインの方がオススメです。
ピクプール・ド・ピネのぶどう品種
ぶどう品種はアペラシオン名にもなっているピクプール100%の白ワインです。アペラシオンは名乗れませんが、ピクプールには白品種以外にピクプール・ノワールもあり、少ないですがピクプール・ノワールを使用したロゼなどもあります(もともとはピクプールは黒ぶどう。300年ほど前の突然変異で白ぶどうになった)
ピクプールはオクシタン語で、「唇を刺すもの」を意味する言葉で、高い酸が特徴です。ピクプール・ド・ピネにはその酸の強さを生かしたワインもあれば、しっかりと熟させて、そこまでの酸を感じさせないワインもあります。
ピクプール・ド・ピネは基本的に軽快で伸びやかですが、ピクプールには意外とねっとりした部分もあり、造りと場所によっては重めのワインが出来ます。
ドメーヌ・ラ・グランジェットはピクプール・ド・ピネの中でもイメージに近いかっちり酸の強いタイプです。西部のカステルノ・ド・ゲール村の造り手で白亜紀の土壌のエリアです。ドメーヌ・ラ・グランジェットはピクプール・ノワールのロゼも良いです。
ドメーヌ・カブロルのピクプール・ド・ピネは、ポメロールのぶどうを使用しています。粘土石灰質土壌。砂質もあります。
非常に滑らかで品のあるスタイル。石灰の年代も違いますが石灰の強さはドメーヌ・ラ・グランジェットの方が強いです。
ドメーヌ・ド・ベル・メールは、トー湖近くのメーズの造り手です。さらりとしたピクプール・ド・ピネです。
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