ニュイ・サン・ジョルジュ〜Nuits-Saint-Georges〜
コート・ド・ニュイの南端にある村、ニュイ・サン・ジョルジュはコート・ド・ニュイのワイン産業の中心の村でもあります。人口もコート・ド・ニュイの他の村と比べて段違いに多いですね(畑の面積的にはジュヴレ・シャンベルタンが大きい)
ニュイ・サン・ジョルジュは北部がヴォーヌ・ロマネ、南部はプレモー・プリセ村と隣接しています。プレモー・プリセ村もアペラシオンとしてはニュイ・サン・ジョルジュです(ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュの区画と、ニュイ・サン・ジョルジュ村名区画、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの区画がある)
シトー修道会が生まれた場所、現在のサン・ニコラ・レ・シトーは、ニュイ・サン・ジョルジュの東にあります。
ニュイ・サン・ジョルジュにはグランクリュはありませんが、レ・サン・ジョルジュなど、グランクリュ候補になっている畑はいくつかあり、グランクリュ昇格に向けた活動が行われています(当時、ニュイ・サン・ジョルジュの村長だったアンリ・グージュはアペラシオンの格付けをヴォルネイのマルキ・ダンジルヴィーユと一緒に行なった方で、批判を避けるためニュイ・サン・ジョルジュにグランクリュを認めなかった)
村名もプルミエクリュも赤ワイン、白ワイン共に認められています。
市街地を挟んで北のヴォーヌ・ロマネ側のエリアと、南側のエリア、そして隣村のプレモー・プリセのエリアの3つのぶどう栽培地域があり、地域ごとに個性が違います。
ニュイ・サン・ジョルジュのワインは全体的に、まっすぐで、なめらか、無駄のない余白のない形をしていて硬質です。粘土多めで石灰も強い土壌。真面目な感じのする味わいです。
ヴォーヌ・ロマネ側は引き締まりつつも硬すぎず、ニュイ・サン・ジョルジュ南部は筋肉質、少しワイルドさがあり、プレモー・プリセになると、村が違うからか、まっすぐ伸びる感じがなくなり、粘土が多いからか、厚みがあっても芯のある硬さは感じられません。
村としてはプレモー・プレセーをを抜けるとコンブランシアン村があり、その先がコルゴロワン村で、ここまでがコート・ド・ニュイです。そしてコルゴロワンの先がコート・ド・ボーヌのラドワ・セリニとなります。プレモー・プリセ以南のコート・ド・ニュイのこれらの村はアペラシオンとしてはコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです(何気に安くて美味しいエリアです)
ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュ
ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュ(38)
- オー・ブード〜Aux Boudots〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- レ・ダモード〜Les Damodes〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・クラ〜Aux Cras〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- ラ・リシュモーヌ〜La Richemone〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・ミュルジェ〜Aux Murgers〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・シェニョ〜Aux Chaignots〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・ヴィニュロンド〜Aux Vignerondes〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- アン・ラ・・ペリエール・ノブロ〜En la Perrière Noblot〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・シャン・ペルドリ〜Aux Champs Perdrix〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・トレイ〜Aux Thorey〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・ブスロ〜Aux Bousselots〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- オー・ザルジラ〜Aux Argillas〜(ニュイ・サン・ジョルジュ北部)
- レ・クロ〜Les Crots〜(シャトー・グリ〜Château Gris〜)(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- リュー・ド・ショー〜Rue de Chaux〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・プロセ〜Les Procès〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・ゾー・プリュリエ〜Les Hauts Pruliers〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・プリュリエ〜Les Pruliers〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- ロンシェール〜Roncière〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・プーレット〜Les Poulettes〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・ペリエール〜Les Perrières〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ ポワレ〜Les Poirets〜、クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ〜Clos des Porrets-Saint-Georges〜、レ・ポレ・サン・ジョルジュ〜Les Porrets-Saint-Georges〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・ヴァレロ〜Les Vallerots〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・シャブフ〜Les Chaboeufs(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・カイユ〜Les Cailles〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・ヴォークラン〜Les Vaucrains〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・サン・ジョルジュ〜Les Saint-Georges〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- シェヌ・カルトー〜Chaines Carteaux〜(ニュイ・サン・ジョルジュ南部)
- レ・テール・ブランシュ〜Les Terres Blanches〜(プレモー・プレセー)
- レ・ディディエ〜Les Didiers〜(プレモー・プレセー)
- クロ・デ・フォレ・サン・サン・ジョルジュ〜Clos des Forêts Saint-Georges〜(プレモー・プレセー)
- オー・ペルドリ〜Aux Perdrix〜(プレモー・プレセー)
- クロ・デ・コルヴェ〜Clos des Corvées〜(プレモー・プレセー)
- クロ・デ・コルヴェ・パジェ〜Clos des Corvées Pagets〜(プレモー・プレセー)
- クロ・サン・マルク〜Clos Saint-Marc〜(プレモー・プレセー)
- クロ・デ・グランド・ヴィーニュ〜Clos des Grandes Vignes〜(プレモー・プレセー)
- クロ・デ・ザルジリエール〜Clos des Argillières〜、レ・ザルジリエール〜Les Argillières〜(プレモー・プレセー)
- クロ・アルロ〜Clos Arlot〜(プレモー・プレセー)
- クロ・ド・ラ・マレシャル〜Clos de la Maréchale〜(プレモー・プレセー)
レ・ダモード〜Les Damodes〜
レ・ダモードは、ヴォーヌ・ロマネに隣接した畑です。上部はニュイ・サン・ジョルジュ村名格のレ・ダモードで、さらにヴォーヌ・ロマネ側にも村名格のレ・ダモードがあります。プルミエクリュのレ・ダモードは南北に長い畑です(間に村名畑を挟む)
ミネラル感が強く、非常にタイト。イメージするニュイ・サン・ジョルジュらしい味わいです。
オー・ブード〜Aux Boudots〜
オー・ブードは、ヴォーヌ・ロマネのプルミエクリュ、レ・マルコンソールに隣接した畑です。レ・ダモードの下部。南東向き、灰色がかった石灰質土壌。昔から評価されていた畑です(昔の方が評価されていた)
オー・ミュルジェ〜Aux Murgers〜
オー・ミュルジュはヴォーヌロマネから続くニュイ・サン・ジョルジュ北部エリアのプルミエクリュ群の真ん中辺りの下部に位置します。
ヴォーヌ ・ロマネ側のニュイ・サン・ジョルジュの中では力強さがある畑です。石の多い畑。
オー・シャン・ペルドリ〜Aux Champs Perdrix〜
ニュイ・サン・ジョルジュ北部の斜面上部に位置するオー・シャン・ペルドリ。表土が薄く、カチッとした質感です。プレモー・プレセー村にはオー・ペルドリという別のプルミエクリュもあります(オー・ペルドリの方が知名度が高い気はします)
レ・プリュリエ〜Les Pruliers〜
ニュイ・サン・ジョルジュ南部のプルミエクリュ群の中では北に位置するレ・プリュリエ。東向きで灰色がかった粘土質土壌。
レ・サン・ジョルジュ〜Les Saint-Georges〜
ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュの中で最も評価の高い畑がレ・サン・ジョルジュです。コート・ドールのいくつかの村は代表的な畑の名前を村名にしていますが、ニュイ・サン・ジョルジュは、レ・サン・ジョルジュから名前を取りました。
ニュイ・サン・ジョルジュ南部のプルミエクリュで、プレモー・プレセー村に隣接しています。レ・カイユの南部、レ・ヴォークランの斜面下部です。
レ・サン・ジョルジュは19cには現在でいうグランクリュ扱いの畑でしたし、実質、他の村のグランクリュと遜色ない畑だと思います。緩やかな東向き斜面で鉄分が多く、赤みを帯びた粘土質の強い土壌です。凝縮度の高い力強いワインが生まれます。ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュの中でも最もスケール感を感じさせる畑です。
レ・カイユ〜Les Cailles〜
レ・サン・ジョルジュとレ・ヴォークランに次いで評価の高いレ・カイユ。昔から評価の高い畑。カイユは、小石の意味で、実際畑には石がたくさんあります。粘土が多くガッチリするが周辺の畑の中では軽やかです。
レ・サン・ジョルジュの北部に隣接しています。
レ・ヴォークラン〜Les Vaucrains〜
レ・サン・ジョルジュと並んで特に評価の高い畑であるレ・ヴォークラン。実際、村名を変更する際に、レ・サン・ジョルジュと、レ・ヴォークランが最後まで残った候補でした。
レ・ヴォークランは「価値がない」みたいな意味ですが、レ・サン・ジョルジュ同様、19cにはグランクリュ扱いだった畑です。レ・サン・ジョルジュよりさらに力強い味わい。
レ・サン・ジョルジュの斜面上部です。
レ ポワレ〜Les Poirets〜、クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ〜Clos des Porrets-Saint-Georges〜、レ・ポレ・サン・ジョルジュ〜Les Porrets-Saint-Georges〜
レ・ポワレは、レ・カイユの北側に位置するプルミエクリュです。比較的大きな畑で、クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュとレ・ポレ・サン・ジョルジュに分かれています。鉄を含んだ赤い粘土質土壌で、力強くスパイシーです。
レ・テール・ブランシュ〜Les Terres Blanches〜
プレモー・プレセー村のプルミエクリュであるレ・テール・ブランシュは、名前の通り真っ白な石灰岩がたくさんある畑です。ジュラ紀コンブランシアンの石灰岩です。ニュイ・サン・ジョルジュの中では白ワインぽい畑。プレモー・プレセーの中で標高が高い位置に畑はあります。
クロ・サン・マルク〜Clos Saint-Marc〜
深い粘土質で母岩の影響を受けていない畑のクロ・サン・マルク。プレモー・プレセー村です。凝縮度があっても芯の硬さがない畑です。ドメーヌ・パトリス・リヨンのモノポール。
レ・ザルジリエール〜Les Argillières〜
レ・ザルジリエールは、プレモー・プレセー村のプルミエクリュです。アルジリエールは粘土から付いた名前ですが、そんなに重くない畑です。
クロ・アルロ〜Clos Arlot〜
プレモー・プレセー村にあるクロ・アルロは、クロ・ド・ラ・マレシャルの北部に位置します。ドメーヌ・ド・ラルロのモノポール。さらりとした軽い印象。
クロ・ド・ラ・マレシャル〜Clos de la Maréchale〜
プレモー・プレセー村の最南端に位置するクロ・ド・ラ・マレシャル。ドメーヌ・ジャック・フレデリック・ミュニエのモノポールです。白ワインの評価も高い畑。
ニュイ・サン・ジョルジュの代表的な造り手
- ドメーヌ・ロベール・シュヴィヨン~Domaine Robert Chevillon~
- ドメーヌ・アンリ・グージュ~Domaine Henri Gouges~
- ドメーヌ・デ・ペルドリ~Domaine des Perdrix~
- ドメーヌ・ド・ラルロ〜Domaine de l’Arlot〜
- ドメーヌ・ダニエル・リヨン〜Domaine Daniel Rion〜
- ドメーヌ・パトリス・リオン〜Domaine Patrice Rion〜
- ドメーヌ・アラン・ミシュロ〜Domaine Alain Michelot〜
次はコート・ド・ボーヌに入ります。コート・ド・ボーヌ①〜ラドワ・セリニ〜です。詳しい紹介はこちらからどうぞ。