ソーミュール〜Saumur〜
ソーミュールは、アンジェの南東にある街で、ひとまとめで語られる事が多いアンジュ&ソーミュール地区の最も東側にある小さなアペラシオンの名前でもあります。
ソーミュールの他にソーミュール・シャンピニィ〜Saumur Champigny〜、コトー・ド・ソーミュール〜Coteaux de Saumur〜、カベルネ・ド・ソーミュール〜Cabernet de Saumur〜というアペラシオンがあります(全ての地域合わせてもアンジュのエリアよりかなり小さい)
コトー・ド・ソーミュールは白の甘口、カベルネ・ド・ソーミュールはロゼワインのアペラシオンです。
ソーミュールの土壌
ソーミュールの土壌はパリ盆地のテュフォーの石灰岩が母岩です。表土は粘土が強いところが多く、その割合で味わいが変化します。シレックス(火打ち石)も見かけます。
丘陵地帯が西風を遮るため、半海洋性気候です。
ソーミュールのぶどう品種
ソーミュールのぶどう品種は白ぶどうはシュナンブラン、黒ぶどうはカベルネフランが主で、カベルネソーヴィニヨンも少しあります。
ソーミュール〜Saumur〜、ソーミュール・シャンピニィ〜Saumur Champigny〜
いくつかあるアペラシオンの中でも大事なのはソーミュールとソーミュール・シャンピニィです。ソーミュールとソーミュール・シャンピニィは同じ品種とは言え違った個性のあるワインになります。
ソーミュールは、硬さがなく軽やかなワインが生まれます。丸みがあって少しこもるような味の広がり方です。ソーミュールは、泡、白、赤が造れ、泡が割と有名かと思いますが、カベルネフラン主体の赤ワインの軽やかさは魅力的です(ソーミュール・シャンピニィとの使い分けを考えても)
アルノー・ランベールはソーミュールとソーミュール・シャンピニィをどちらも生産している造り手です(ソーミュール・ブランも)
同一の生産者のソーミュールとソーミュール・シャンピニィが購入出来ますので、比較してアペラシオンの特徴を把握することが出来るのはありがたいですね。現在はビオディナミでワインを生産しています。
ソーミュール・ルージュは、ブレゼ村のモノポールの畑で、ソーミュール最古のぶどう畑と言われていて、11Cからの長い歴史のある畑です。
アルノーランベールのソーミュール は現在、楽天などでは販売してないようなのでラングロワのソーミュールルージュを紹介します。ラングロワもソーミュールルージュ、ソーミュールシャンピニィのどちらも造っている造り手です。
ソーミュール・シャンピニィのエリアはソーミュールの中でも暖かいところで(ソーミュール・ル・ピュイ・ノートルダムのエリアは逆に涼しいところ)、強いタンニンのワイルドなワインが生まれます。
ソーミュール・シャンピニィはカベルネフラン主体の赤ワインのみが認められています。ソーミュールもソーミュール・シャンピニィも石灰岩土壌ですが、ソーミュールは石灰岩ぽさが少なく、逆にソーミュール・シャンピニィは石灰岩らしさが前面に出ています。
ソーミュールと比べて濃さがあって、かっちりして重めのテイストです。
ソーミュールでも紹介したアルノー・ランベールのソーミュール・シャンピニィは、サン・ジュスト・シュル・ディーヴ村のサン・シル・アン・ブール畑から生まれるワインです。
アルノー・ランベールはソーミュール・シャンピニィもリンクが切れてしまったので、こちらもラングロワのソーミュール・シャンピニィを紹介します。
ソーミュール・ピュイ・ノートルダム〜Saumur Puy-Notre-Dame〜
ソーミュールの格上のアペラシオンがソーミュール・シャンピニィというように考えがちですがそうではなく、先に書いたように方向性が違うワインです。
ソーミュールの格上はソーミュール・ピュイ・ノートルダム〜Saumur Puy-Notre-Dame〜と考えていいと思います。
ソーミュール・ピュイ・ノートルダムは、ソーミュールのエリアの中心に位置するル・ピュイ・ノートルダム〜Le Puy-Notre-Dame〜を含むいくつかのコミューンで名乗れるデノミナシオンで、ソーミュールより厳しい規定があります。
以前はドメーヌ・ド・ラ・パレーヌのソーミュール・ピュイ・ノートルダムが購入可能でしたが、今はもうないかもしれません。ドメーヌ・ド・ラ・パレーヌは、ピュイ・ノートルダム村で100年以上の歴史あるドメーヌです。ビオディナミです。
ロワールのワイン産地④、トゥーレーヌの記事はこちらからどうぞ。