シャルドネ〜Chardonnay〜
フランスのみならず世界中の白ワインで多く使われていて最も知名度の高いぶどう品種の1つであるシャルドネ。
非常に良い印象を持たれている品種で、お店でもシャルドネをくださいと、品種名指定で言われることも多いです。
シャルドネが良いイメージなのはやはりブルゴーニュの影響だと思います。世界最高峰の白ワインと認識されているモンラッシェなどのブルゴーニュの銘醸白ワインは全てシャルドネから生まれているからです。
そのおかげで他産地の安いシャルドネも比較的良い印象を持たれやすい気がします(安くても実際美味しいですしね)
シャルドネは全体としてゆっくりで大きな味わいです。安いシャルドネでも比較的大きな味だからすごいです。
そしてわかりやすい味わいです。ブルゴーニュにおいても精神性を感じるのはピノノワールで、シャルドネからは特級のもの以外からはあまり感じられません。
骨太で実態感があって、強さがあって安心感があります。
カルフォルニアだと上記の傾向はより強まります。ブルゴーニュだともう少し繊細さが増し(とは言ってもしっかりしている)、ミネラリーです。あくまで骨格はしっかりはっきり。
そしてシャルドネは樽との相性がとても良いです。今でこそ昔のような樽味全開のワインはフランスではほぼ見かけなくなりましたが、樽風味ワインも美味しいものです。
シャルドネが植えられる土壌の基本は泥灰岩です(白ぶどうが泥灰岩)ブルゴーニュでも石灰岩のものや沖積土のものもあり、石灰岩が最も硬く、沖積土は柔らかいです。泥灰岩はその中間で適度な硬さと厚みがあります。
シャルドネは強い味わいの品種です。しっかりした味わいの料理とは親和性が高いです。しっかりとした味わいで、ある程度大きなものなら、シャルドネのみの選択肢でも前菜からメインまで通せます(土壌などを選べば)
シャルドネは非常に使いやすい品種ですから、人気なのも肯けます。汎用性が高すぎてつまらないと感じてしまうくらいです。
フランスの中でいうとやはりブルゴーニュのシャルドネが圧倒的なクオリティだと思います。ラングドックのリムーのシャルドネは人気ですし、質も高いとは思いますが、ブルゴーニュには勝てない印象です(もちろん選択肢としてあって良いと思いますが)
他の産地も安さという点を考えると良いものがありますが、コストパフォーマンスを考えると、少し高めとはいえブルゴーニュの方が価値があるように思います(強いていえば地中海沿いのしっとりした質感のシャルドネはブルゴーニュとはまた違う感じで良い)
あとはやはりシャンパーニュでしょうか。大きな味わいのシャルドネですが、強いチョーク土壌のシャルドネから生まれるブラン・ド・ブランは非常に硬質で細身でミネラリーです。シャンパーニュのシャルドネは少し他産地と違った印象を受けます(特にコート・デ・ブランのもの)
ジュラも忘れてはいけませんでしたね。ブルゴーニュと同じジュラ紀の地質年代の土壌も多いですが、また違った印象を受けます(ジュラ紀と言ってもブルゴーニュよりも古い年代のものも多いですし、さらに古い三畳紀もありますね)もう少し骨太でおとなしめなワインです。
ジュラのシャルドネもヴァンジョーヌっぽいような癖を付けたタイプのものも見かけますが、そうではない普通のシャルドネの方がオススメです。酸化熟成っぽい味わいならサヴァニャンの方が良いと思います。