タヴェル〜Tavel〜
ローヌ川の右岸、シャトーヌフ・デュ・パプの対岸に位置するアペラシオンのタヴェル。アヴィニョンの北西15キロの場所にある小さな村、タヴェルの周辺に広がっています。紀元前5世紀頃にはぶどう栽培が行われていた地域です。
タヴェルは、ロゼワインのみのアペラシオンで、A.O.C.認定は1936年と、ロゼワインで最も早い時期に認められています。
タヴェルの土壌
対岸のシャトーヌフ・デュ・パプと同じような土壌です。丸い小石や砂、石灰の礫などがあります。
タヴェルのぶどう品種
タヴェルで認可されたぶどう品種は多く、グナルッシュノワールは必須で40%以上、他に主要品種としてサンソー、シラー、ムールヴェードル、ブールブラン、クレーレット(クレーレット・ロゼも)、ピクプール(ピクプールブラン、ピクプール・ロゼ、ピクプール・ノワール)を60%以下、補助品種としてカリニャン(カリニャン・ブランも)、カリトールが認められています。
グルナッシュ主体のものが多いですが白ぶどうの比率が多いタヴェルも可能という規定ですね。カリトールはどんな品種なのかわかりません。
タヴェルの味わい
多くのタヴェルは様々な品種を混醸して造ります。それが一体感のある複雑さを生みます(シャトーヌフ・デュ・パプもそうです)混植されている畑も多いです。
また、タヴェルは長いマセラシオンをした濃厚なタイプのロゼでもあります。軽やかなすっきりタイプのロゼではありません。
ですが、土壌自体は砂が多く石灰は少ないので(西部は石灰の礫が多くなる)、濃さがありながらさらりとしているのが特徴です。重苦しくありません。
タヴェルの造り手
タヴェルの中で評価の高い造り手であるモルドレ。ナチュラルな造りでタヴェルらしい濃くて柔らかいワインです。
モルドレはナチュラルですがクリアな味わいです。よりナチュラルでエネルギー感に満ちている造り手はラングロールやバラジウ・デ・ヴォシェールです(どちらが良いというわけではない)
タヴェルの新しい可能性を示したのがラングロールですが、その影響を受けたバラジウ・デ・ヴォシェールも同様に素晴らしいワインを造っています。ビオディナミらしいエネルギーのうねり。果汁の時点である程度酸化させることで、その後の余計な酸化を防いでいます。なので酸化防止剤なしでも味が崩れません。
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