ルーセット〜Roussette〜
ルーセットはサヴォワ地方で使用される白ぶどうです。ルーセットはアルテスとも呼びます。フランス原産と言う説と、キプロス原産(十字軍の時に持ち帰った)と言う説があります。
15世紀にサヴォワ公国の王子と結婚したのがキプロスの王女でこの際キプロスに育った葡萄を持ち帰ったという説ですが、実際のところは未解明のはずです。逆にサヴォワで育っていたアルテスをキプロスへ持っていったのかも知れません。
ルーセット・ダイズという品種もあり、同じサヴォワで栽培されていますが、別品種です。
ルーセット ・ド・サヴォワは名前の通り、ルーセット (アルテス)100%のワインですが、他の地域、ビュジェでは、ルーセット ・ド・ビュジェのみルーセット100%ですが、他はほぼ補助品種です。
ルーセット・ド・サヴォワは、アヌシー北西のフランジィ村、マレステル村、ローヌ河左岸のモントゥ村、シャンベリー近郊のモンテルミノ村の4村で生産されています。
ヴァン・ド・サヴォワでもルーセットは使用可能ですが、使わなければいけないわけではありません。ヴァン・ド・サヴォワのクリュではルーセットを使えないところもあります。
セイセルではアルテスがとても伸びやかなワインになります。アルテス100%はセイセルのスティル白のみですが、スパークリングのセイセル・ムスーもアルテス多めの方が良いです(そもそもセイセル見かけないですが)セイセル・モレットの場合は使用不可です。
セイセルと、ルーセットが名前に付くアペラシオンがルーセットのワインという認識で(ほぼ)良いと思います。
ビュジェとルーセット・ド・ビュジェは同一エリアですので、ルーセットのワインを造るならルーセット・ド・ビュジェにするはずです(クリュはまた規定がありますが)
ビュジェはシャルドネ主体で、ルーセット入っていても30%以下です。
ヴァン・ド・サヴォワも、ルーセット・ド・サヴォワとほぼ同じエリアで、ルーセット100%の場合はルーセット・ド・サヴォワになると思います。ただルーセット主体のヴァン・ド・サヴォワも可能ではあります(クリュになると完全に補助品種)
全体としては、ゆったりまろやかな味わいで、伸びやかさや品格とかそういった方向ではないです。どっしり、地味、濃さ、果実味はしっかり。アルコールも酸も優しいぶどう品種です。
アルテスという名前にしろ、ルーセットという名前にしろ、もう少しかっちりしそうな名前ですが、柔らめのものが多いと思います。