グラン・オーセロワ〜Grand Auxerrois〜
グラン・オーセロワはシャブリの周辺に広がる小さなぶどう畑の集合したものです。
オーセロワ〜Auxerrois〜、トネロワ〜Tonnerrois〜、ヴェズリアン〜Vézelien〜、ジョヴィニアン〜Jovinien〜といったエリアに分かれています。
オーセロワはシャブリの西にあるオーセールの南東部にあるエリアです。オーセロワはマルベックのシノニムでもあるので分かりづらいですね。
オーセロワにはこのエリアではよく知られたアペラシオンであるイランシー〜Irancy〜、サン・ブリ〜Saint-Bris〜があります。ブルゴーニュ・コート・ドーセール〜Bourgogne Côtes d’Auxerre〜や、ブルゴーニュ・シトリー〜Bourgogne Chitry〜もオーセロワです。
トネロワはシャブリの東部、トネールの村を流れる河川流域のエリアです。アペラシオンとしてはブルゴーニュ・エピヌイユ〜Bourgogne Epineuil〜があります。
ヴェズリアンは、オーセロワから少し南に離れたヴェズレイ、アスカン、サン・ペール、タロワゾといった村の周辺に広がるエリアです。アペラシオンとしてはヴェズレイ〜Vézelay 〜があります(2017年にブルゴーニュ・ヴェズレイから村名アペラシオンに格上げ。かっちり硬質なワイン)
ジョヴィニアンはオーセール北部の飛び地、ジョワニーの街の周辺のエリアです。アペラシオンとしてはブルゴーニュ・コート・サン・ジャック〜Bourgogne Côte Saint-Jacques〜があります。
イランシー〜Irancy〜
オーセールの南東15キロに位置する村で、その周辺に広がるワイン産地がイランシーです。1999年の認定された村名アペラシオンです(グラン・オーセロワの村名アペラシオンはイランシーとサン・ブリとヴェズレイのみ。それ以外は地域名です)
イランシーは赤ワインのみが認められたアペラシオンですが、ピノノワールだけではなく、セザールを10%までブレンドしていいというのが特徴です。セザールはタンニンが粗く強い品種です。少量加えることで骨格が出来ます。
イランシーには数多くのリュー・ディーがあり、イランシーの後に表記することが出来ます。
ダヴィッド・ルノーはイランシーで4世代に渡ってワイン造りを行なっている造り手です。商品紹介ページにはピノノワール100%と表記されていますが、セザールが少し入っているはずです。
イランシーはヴァンナチュールの人気生産者のヴィニ・ヴィティ・ヴィンチのワインも良く見かけますね。独特の味わいでイランシーの個性は良くわかりませんが、これはこれでなかなか面白いワインです。
シャブリも近いですし、ヴァンサン・ドーヴィサなどシャブリの生産者のイランシーも見かけます。
サン・ブリ〜Saint-Bris〜
オーセロワに広がる葡萄畑の丁度真ん中辺りにある村がサン・ブリ・ル・ヴィヌー〜Saint-Bris-le-Vineux〜です。イランシーの北に位置します。イランシーと並んでグラン・オーセロワの村名アペラシオンです。
イランシー同様、サン・ブリもぶどう品種がブルゴーニュの中でも個性的で、ソーヴィニヨンブラン(ソーヴィニヨングリも可)を使った白ワインを生産しています(白ワインのみのアペラシオン)
コミューンとしてはイランシーやシトリーのエリアも含まれています。
ブルゴーニュ・シトリー〜Bourgogne Chitry〜
オーセロワの中でもシャブリに近いシトリー村は、ブルゴーニュ・シトリーを1993年から名乗れます。シトリーはかっちりしながらも丸みがあります。
ブルゴーニュ・コート・サン・ジャック〜Bourgogne Côte Saint-Jacques〜
ジョヴァニアンのエリアには、この辺りでは割と知られたアペラシオン、ブルゴーニュ・コート・サン・ジャックがあります。トィレソ、メリエといった葡萄がかつては栽培されていたようです(今も少しある?)
コート・サン・ジャックで有名なのはピノ・グリ(ピノ・ブーロ)を使って造る淡いロゼのヴァン・グリです。その他、赤ワイン、白ワインもあります。
シャティヨネ〜Châtillonnais〜
上記で紹介した地域以外にもコート・ドールの北側にはシャティヨネという地域もあります。
シャティヨネの中心地、シャティヨン・シュル・セーヌの街は、ディジョンの北西のあり、オーセールからも、シャンパーニュの南の玄関口トロワ(オーブのエリア)からも同じくらいの距離にあります。
シャティヨネはクレマン・ド・ブルゴーニュを多く産出する地域で、土壌的にもオーブと同じようなキンメリジャンですが、値段はオーブのシャンパーニュよりお手頃です。造り手によってはシャンパーニュと同じような造り方をしているので、お買い得です。