モンデューズ〜Mondeuse〜
サヴォワ地方で栽培される黒ぶどうのモンデューズ。正確にはモンデューズ・ノワールです。白品種のモンデューズ・ブランシュもあります。
以前はモンデューズ・ノワールとモンデューズ・ブランシュは関係がない別品種だとか、モンデューズ・ノワールが突然変異してモンデューズ・ブランシュになったなどと思われていましたが、そうではなく、モンデューズ・ブランシュがモンデューズ・ノワールの親です。
同じくモンデューズ・ブランシュが親だとわかっているメジャー品種にシラーがあります。
同じ品種が親だけにシラーとモンデューズ・ノワールは少し似ています。
比べるとシラーの方が繊細で芯があり細身、洗練度が高い味がします。モンデューズはもう少しゆるく、大きく、粗く、どちらもスパイシーですが、モンデューズのスパイシーさは少しざっくりしたワイルドさがあります。
モンデューズが使用可能なアペラシオンはヴァン・ド・サヴォワ(サヴォワ)とビュジェです。
ヴァン・ド・サヴォワのクリュで赤ワインを造ることが認められているショーターニュ、シニャン、ジョンジューと、クリュ名なしのヴァン・ド・サヴォワはモンデューズが主要品種の一つですが、必ずしも使う必要はありません。
同じくヴァン・ド・サヴォワのアルバンとサン・ジャン・ド・ラ・ポルトはモンデューズのクリュとして有名で、モンデューズ100%のワインです。実際アルバンとサン・ジャン・ド・ラ・ポルトは、他のモンデューズ主体のヴァン・ド・サヴォワと比べても一段上の味わいです。
アルバンやサン・ジャン・ド・ラ・ポルトのモンデューズは、品格も出て並のシラーには負けない印象です。特にアルバンは力強さと品の良さが同居した素晴らしいクリュです。
ビュジェは、モンデューズも使用可能ですが、ガメイ、ピノノワールも認められています。そしてブレンド不可で、この3品種のうちどれかを使ったワインです。
ビュジェ・マニクルになるとピノノワールのみでモンデューズは使用出来ず、ビュジェ・モンタニウはモンデューズのみが認められています。