アルザスのピノノワール
白ワインが多いアルザスですが、ピノノワールを使った赤ワインも、ブルゴーニュとはまた違った魅力がありお勧めです。
中でもグランクリュで栽培されているピノノワールは、かなり質も高いです。
※2022年ヴィンテージからヘングストと、キルシュベルグ・ド・バールの二つのグランクリュは、ピノノワールを栽培してもグランクリュを名乗れるようになるました(ただそれ以外の認められていないグランクリュのピノノワールもとてもいいものが多いです)
アルザスのグランクリュのぶどうを使ったピノノワール
現在ではほとんどのピノノワールはグランクリュを名乗れませんから、多くの造り手が、リュー・ディの頭文字を付けたピノノワールをリリースしています。
特にピノノワールの質が高いと言われているグランクリュはキルシュベルグ・ド・バール、ヘングスト、フォルブルグで、グランクリュへの認可申請も行われているようです(追記したようにフォルブルグ以外の2つは認められました)
他にもフルシュテンタムやプェルシッグベルグ、ゾッツェンベルグのピノノワールも良いですし、飲んだことはありませんが、シュタインクロッツも昔はピノノワールがたくさんあったようなので、質が高そうです。マンブールのピノノワールも良かった記憶があります。
少し落ちる気がしますが、フランクシュタインのピノノワールも悪くないです。
質の高いワインがいくつもあるアルザス・グランクリュで栽培されたぶどうを使用しているピノノワールですが、ブルゴーニュのピノノワールを基準にして飲むと、良さが見えてこないかも知れません。ブルゴーニュと同じジュラ紀のグランクリュであるフルシュテンタムのピノノワールでも、ブルゴーニュとは結構違います(気候も違いますし、醸造もですが、クローンも違うのでしょう)
偉大さとかではない、チャーミングな親近性のある味わいが魅力です。グランクリュらしい大きさも感じますが、ブルゴーニュのグランクリュのような宗教性を感じさせる凄みはないです。
上の写真はルネ・ミューレのフォルブルグのピノノワールです。ミューレ・ピノノワールV。Vと書いていないフォルブルグではないピノノワールもあるので間違えないように。
こちらはアルベールマン・ピノノワール・グランアッシュ(H)です。グランクリュのヘングストのピノノワールです。2022年ヴィンテージからはグランクリュを名乗れるリューディです。
アルザス・グランクリュ以外のピノノワール
グランクリュ以外だとロデルン村のピノノワールは美味しいですが、多分日本にはないと思います(数年前ロデルン村に行った時はなかった)
ロデルンは昔からピノノワールを栽培していて、2011年からピノノワール・ド・ロデルン〜Pinot Noir (de) Rodern〜の表記が認められています。
他にもサン・イポリット(サン・ティポリット)〜Saint-Hippolyte〜や、オットロット〜Ottrott〜もピノノワールの赤ワインが認められた呼称ですし、コート・ド・ルファック(コート・ド・ローファ)〜Côte de Rouffach〜は白ワインも認められていますが、赤ワインでも名乗れる呼称です。
ロデルン村のピノノワールは滑らかで、ジューシーで熟度も高く、程よい厚みがあります。長い余韻‥とかそういったワインではありませんし、グランクリュほどの複雑さもありませんが、チャーミングなアルザスらしいピノノワールだと思います。
マルセルダイスは様々な赤ワインをリリースしていますが、どれもユニークかつ素晴らしい味わいです。
こちらはマルセルダイスのサン・イポリットのピノノワール。花崗岩の土壌です。
マルセルダイスの1erビュルランベルグ。ピノノワール、ピノブラン、ピノグリ、ピノブーロの混植混醸です。やはりピノグリとピノブーロは別扱いですね。硬質な粘土石灰質土壌。
マルセルダイスのアルザスルージュです。ベルグハイム、サン・イポリット、ベブランハイムのピノノワールを50%、1級畑ビュルランベルグ(マルセルダイスの独自格付けです)の樹齢10年未満のピノノワールを50%ずつ使用したワインです。
ルネ・ミューレのピノノワール・アジル・ルージュ(アルジル・ルージュ)はコート・ド・ローファのピノノワールです。以前はコート・ド・ローファの名前でリリースされていましたが名称変更したようです。