シャサーニュ・モンラッシェ〜Chassagne-Montrachet〜
ピュリニーと同じくモンラッシェの名前が付いた村ですが、印象は真逆でピュリニーがキリリとしているなら、シャサーニュはざっくりしたおおらかなワインです。
昔はシャサーニュ・ル・オーという村の名前でしたが、1879年にシャサーニュ・モンラッシェに変更されました。ピュリニー・モンラッシェ、サン・トーバン、サントネイと隣接しています。
シャサーニュ ・モンラッシェのワインは、ピュリニー・モンラッシェ、ムルソーと比べて楽に飲めるワインだと思います。優しい性格(とはいえ大人しい子ではない。明るくて元気)もっちりとした、キレとかそういう方向ではない味わいです(場所によっては粗く強いところもある)
現在は白ワインの方が多いですが、もともと赤ワインもたくさん造られていました(1970年代には赤ワインが70%)
現在も30%程度は赤ワインで、シャサーニュ ・モンラッシェのワインは赤の方が美味しいと言っても良いくらい赤ワインもクオリティが高いです。特に斜面下の表土が厚くて粘土が多い村名区画の赤ワインはボリューム感があって美味しいです。柔らかく丸みがありながら芯がしっかりとあるのがシャサーニュ・モンラッシェの赤ワインです。白よりしっとりしたワインが多いです。
ですが、モンラッシェのイメージが強いせいもあり、白ワインの方が人気があり値段も高いです(グランクリュは白ワインのみなので)
そのため赤ワインは結構、狙い目だと思います。
シャサーニュ・モンラッシェのグランクリュ
ル・モンラッシェ〜Le Montrachet〜
ピュリニー・モンラッシェと地続きで両村に広がるグランクリュであるモンラッシェ。シャサーニュ側は定冠詞の「ル」を付けることが多いですが、絶対ではないです。
迫力のある味、力強い酸、濃さ。品格や伸びやかさはピュリニー側の方が上です。
ギイ・アミオはシャサーニュ側のモンラッシェの上部に小さな二つの区画を持っています。
バタール・モンラッシェ〜Batard-Montrachet〜
バタール・モンラッシェもピュリニー・モンラッシェに跨るグランクリュです。ピュリニー側より濃い色の土壌で重めです。バタール・モンラッシェ自体重めのテイストですが、より重量感があります。
クリオ・バタール・モンラッシェ〜Criots-Batard-Montrachet〜
バタール・モンラッシェのシャサーニュ側の端にある小さな区画がクリオ・バタール・モンラッシェです。谷からの風の通り道に畑はあります。味わいも他のグランクリュと比べて小さくこじんまりとしていますが、バタール・モンラッシェのような重たさがないです。軽やかで整った形。
シャサーニュ ・モンラッシェのプルミエクリュ
シャサーニュ・モンラッシェには55ものプルミエクリュがあります(一つの畑でリューディが分かれているものも含む)村自体も南北に割と広く、味わいの幅が広いです。グランクリュと比べてずっと大きなエリアに畑が広がっていますから、プルミエクリュのワインを探求する方が、シャサーニュ・モンラッシェの理解に繋がると思います。
村名区画ではありますが、バタール・モンラッシェとプルミエクリュのヴィド・ブルスに囲まれたレ・ザンセニエール〜 Les Encegniere〜は特に優れた畑と言われていて、並のプルミエクリュ以上のクオリティです(ピュリニー・モンラッシェにも隣接していて、ピュリニー側にも同名の村名畑が広がっています)
シャサーニュ・モンラッシェのプルミエクリュ(55)
- アン・レミリー〜En Remilly〜
- ダン・ド・シアン〜Dent de Chien〜
- ヴィド・ブルス〜Vide Bourse〜
- ブランショ・ドュシュ〜Blanchot dessus〜
- レ・ボンデュ〜Les Bondues〜
- レ・シュヌヴォット〜Les Chenevottes〜
- レ・コム〜Les Commes〜
- レ・ショーメ〜Les Chaumées〜
- レ・ヴェルジェ〜Les Vergers〜
- レ・パスケル〜Les Pasquelles〜
- ペタンジュレ〜Petingeret〜
- レ・マシュレル〜Les Macherelles〜
- クロ・サン・ジャン〜Clos Saint-Jean〜
- シャサーニュ・デュ・クロ・サン・ジャン〜Chassagne du Clos Saint-Jean〜
- レ・ルビシェ〜Les Rebichets〜
- レ・ミュレ〜Les Murées〜
- ラ・マルトロワ〜La Maltroie〜
- エズ・クレ〜Ez Crets〜
- レ・プラス〜Les Places〜
- カイユレ〜Cailleret〜
- アン・カイユレ〜En Cailleret〜
- シャサーニュ〜Chassagne〜
- ヴィニュ・デリエール〜Vigne Derrière〜
- レ・コンバール〜Les Combards〜
- レ・シャンガン〜Les Champs gain〜
- ラ・グランド・モンターニュ〜La Grande Montagne〜
- トントン・マルセル〜Tonton Marcel〜
- ラ・ロマネ〜La Romanée〜
- レ・グランド・リュショット〜Les Grandes Ruchottes〜
- アン・ヴィロンド〜En Virondot〜
- モルジョ〜Morgeot〜
- ラ・シャペル〜La Chapelle〜
- アベイ・ド・モルジョ〜Abbaye de Morgeot〜
- ラ・ブードリオット〜La Boudriotte〜
- ラ・ロクモール〜La Roquemaure〜
- シャン・ジャンドロー〜Champs Jendreau〜
- レ・ショーム〜Les Chaumes〜
- レ・フェランド〜Les Fairendes〜
- レ・プティ・フェランド〜Les Petites Fairendes〜
- レ・ブリュソンヌ〜Les Brussonnes〜
- クロ・ピトワ〜Clos Pitois〜
- フランスモン〜Francemont〜
- ラ・グランド・ボルヌ〜La Grande Borne〜
- ラ・カルドゥーズ〜La Cardeuse〜
- クロ・シャロー〜Clos Chareau〜
- レ・ボワレット〜Les Boirettes〜
- エズ・クロット〜Ez Crottes〜
- ゲルシェール〜Guerchère〜
- レ・グラン・クロ〜Les Grands Clos〜
- レ・プティ・クロ〜Les Petits Clos〜
- テッド・デュ・クロ〜Tête du Clos〜
- ヴィーニュ・ブランシュ〜Vigne Blanche〜
- ボワ・ド・シャサーニュ〜Bois de Chassagne〜
- レ・ボーディーヌ〜Les Baudines〜
- レ・ザンバゼ〜Les Embazées〜
アン・レミリー〜En Remilly〜
ピュリニー・モンラッシェとサン・トーバンに挟まれた位置で、他のシャサーニュ・モンラッシェの畑から離れたところに一つだけポツンとあるプルミエクリュのアン・レミリー。上部らしいカチッと硬質で滑らかな質感。
ダン・ド・シアン〜Dent de Chien〜
数あるプルミエクリュの中でも特に注目したいのが、ダン・ド・シアンです。ル・モンラッシェの上部に隣接した小さな畑です。ダン・ド・シアンは50年程前はモンラッシェとして扱われていた畑で、もう1つのモンラッシェとして考えることができます。
モンラッシェの他の畑と比べて、じんわりと和やかで分かりやすい旨味が乗った凄みのない親しみやすいテイストです(あくまで比べてですが)
ブランショ・デュシュ〜Blanchot dessus〜
ル・モンラッシェの南側に隣接したブランショ・デュシュ。明るい果実の味わいが広がります。しつこさが全くない。隣接しているとは言え、モンラッシェとは随分と異なった個性。
レ・ショーメ〜Les Chaumées〜
シャサーニュ・モンラッシェのプルミエクリュの中で最も標高の高い畑がレ・ショーメです。斜面上部らしいキリッと軽やかで伸びのある味わい。表土が薄く硬質さがあるが硬すぎない。サン・トーバンのプルミエクリュ、レ・シャルモワと隣接しています。
レ・シュヌヴォット〜Les Chenevottes〜
グランクリュに近い場所に位置するレ・シュヌヴォット。グランクリュともサン・トーバンとも近いが、どちらも間に別の畑があります。洗練度はないざっくりとした味わい。シャサーニュっぽい感じ。
クロ・サン・ジャン〜Clos Saint-Jean〜
レ・ショーメと隣接した同じく斜面上部の畑、クロ・サン・ジャン。バランスの良さ、整った形。シャサーニュ・モンラッシェの中では洗練度の高い味わい。クロ・サン・ジャン、シャサーニュ・デュ・クロ・サン・ジャン、レ・ルビシェのリューディがあります。赤ワインの評価が高い畑ですが、白ワインもいい。
ラ・マルトロワ〜La Maltroie〜
シャサーニュ・モンラッシェの街の下部に位置するラ・マルトロワ。畑の位置としてはシャサーニュのプルミエクリュ群の真ん中から少し北側です。ラ・マルトロワのリューディの他、シャサーニュ、レ・プラス、エズ・クレというリューディもありマルトロワを名乗ることが出来ます。
ラ・マルトロワのリューディが最も大きく、さらにクロ・ド・ラ・マルトロワとシャトー・クロ・ド・ラ・マルトロワがあります。
下部の畑らしい落ち着いた味わい。安定した土台のしっかりした形。ゆっくり留まる。赤ワインも良い畑。
シャトー・クロ・ド・ラ・マルトロワは、シャトー名も同じシャトー・ド・ラ・マルトロワのモノポールです。
モルジョ〜Morgeot〜
サントネイ側にあるプルミエクリュのモルジョ。リューディがたくさんあり、合わせると非常に大きな畑になります(シャサーニュ・モンラッシェのプルミエクリュの南半分の大部分)
モルジョの他、ラ・シャペルがあり(モルジョとラ・シャペルの一部?はアベイ・ド・モルジョを名乗ることも出来る)、ラ・ブードリオットを名乗ることも出来るリューディが、ラ・ブードリオットの他(赤ワインも良い)、シャン・ジャンドロー、レ・ショーム、レ・フェランド、レ・プティ・フェランド、ラ・ロクモールの5つ(フェランドは有名でそのままの名前が多い)、レ・ブリュソンヌも名乗れるリューディが、レ・ブリュソンヌの他、クロ・ピトワ、フランスモン、ラ・グランド・ボルヌ、ラ・カルドゥーズ、クロ・シャロー、レ・ボワレットの6つです。
そしてエズ・クロット、レ・グラン・クロ、ゲルシェール、レ・プティ・クロ、テッド・デュ・クロ、ヴィーニュ・ブランシュもモルジョのリューディです。
レ・ザンバゼの下部に位置するクロ・ピトワと、その下のラ・グランド・ボルヌ、クロ・シャローはサントネイと隣接しています。
広い畑なので味わいも多様だとは言え、基本のモルジョはどっしり安定した形で力強さがありつつ、重苦しくないのが魅力です。
レ・ザンバゼ〜Les Embazées〜
斜面上部のレ・ザンバゼ(より上部にレ・ボーディーヌがありますが)サントネイのプルミエクリュ、ラ・コムに隣接した畑です。エンバゼも非常に整った形です。躍動感、動きのある味わい。
シャサーニュ・モンラッシェの代表的な造り手
- ブリュノ・コラン〜Bruno Colin〜
- フィリップ・コラン〜Philippe Colin〜
- ドメーヌ・ラモネ〜Domaine Ramonet〜
- ドメーヌ・ギィ・アミオ・エ・フィス〜Domaine Guy Amiot et Fils~
- シャトー・ド・ラ・マルトロワ〜Chateau de la Maltroye〜
- フォンテーヌ・ガニャール〜Fontaine Gagnard〜
- ベルナール・モロー〜Bernard Moreau〜
- ラミー・ピヨ〜Lamy Pillot〜
- トマ・モレ〜Thomas Morey〜
- ドメーヌ・ミシェル・ニーヨン~Domaine Michel Niellon~