ラングドック〜Languedoc〜

ミネルヴォワのワインの特徴

ミネルヴォワ〜Minervois〜

カルカッソンヌからナルボンヌの北側に広がる61の村に認められた広大なアペラシオンがミネルヴォワです。

ミネルヴォワのぶどう品種

ミネルヴォワでは赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが認められていますが、ほとんどが赤ワインです。ぶどう品種はシラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、カリニャンなど、南仏らしい構成です。

ミネルヴォワの土壌

ミネルヴォワの土壌は粘土質や砂岩、石灰岩などです。第三紀の土壌です。標高が高く200m前後の畑が多いです。

ミネルヴォワのワインの味わい

ミネルヴォワは、上記のような土壌から、滑らかで凝縮度が高く程良くタイトなワインが生まれます(固すぎない)

ミネルヴォワ16

レイモン・ジュリアンはマセラシオン・カルボニックを使いながら凝縮したミネルヴォワのワインを造っています。古典的なプレス機を使っているのも特徴で、ぶどうの木をフィルター代わりに使っていると言うのも面白いです。

しっかりとミネルヴォワらしさが表現されているワインです。

ミネルヴォワ・ラ・リヴィニエール〜Minervois La Liviniere〜

クロドラ16ジェラールベルトラン

ミネルヴォワの中でも特に優れたエリアがミネルヴォワ・ラ・リヴィニエールです。ラ・リヴィニエール村を中心とした6つの村で認められているアペラシオンです。

認められているのは赤ワインのみで、規定自体はミネルヴォワと似た感じですが、ラングドックのクリュ・デュ・ラングドックとして認められているミネルヴォワ・ラ・リヴィニエールは格の違う味わいです。

ミネルヴォワ・ラ・リヴィニエールは、多くの造り手がシラーを主体としています。スケールが大きく力強く、まっすぐで整ったワインです。清涼感のある香り。硬さ、タイトさ、黒系果実のニュアンス。

土壌は砂岩と石灰岩が主体で、一部にシストがあります。標高が高く、400mを超える畑もあり、昼夜の寒暖差が大きいです(日中の日当たりはとてもいい)

通常のミネルヴォワと比べて、凝縮度が高くタイトなのは一緒ですが(より凝縮していますが)、品格とスケール感が違います。緊張感のあるワインです。

ミネルヴォワ・ラ・リヴィニエールを代表する造り手と言えば、ジェラール・ベルトランを外すわけにはいきません。ミネルヴォワ・ラ・リヴィニエールだけではなくラングドックを代表する造り手と言っても良いくらいですが、特にラ・リヴィニエールのクロ・ドラは別格です。

ラングドックのクリュの中でも他にはないくらい高価なワインですが、ボルドーのグランヴァンなどと比べても遜色なく、むしろこの価格は安いとさえ思います。

非常に真っ当なビオディナミワインで、まっすぐで芯があり整った形をしています。内在するエネルギー量がとんでもないです。

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ〜Muscat de Saint Jean de Minervois〜

ミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワは、ミネルヴォワのエリアの北東部、サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ村のみで認められているミュスカ ・ブラン・ア・プティ・グランを使用したV.D.N.(ヴァン・ドゥ・ナチュレル)のアペラシオンです。

非常にかっちりはっきりした味わいで、全甘口ワインを合わせても最も分かりやすい曖昧さのないワインです。ミネルヴォワのカチッとした味わいが一番表現されている場所のように思います(ミュスカの個性でもありますが、海側のミュスカはここまではっきりしたワインにはならない)

アンヌ・グロはブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネの有名な造り手の一人ですが、アンヌ・グロはラングドックのミネルヴォワでもワインを造っています。

このサイトで紹介しているワインと造り手は基本、その土地の造り手を選ぶようにしているのですが、アンヌ・グロのワインは出来が良いので例外的に紹介します。

アンヌ・グロはミュスカ・ド・サン・ジャン・ド・ミネルヴォワ以外にも、ショレイ・レ・ボーヌのトロ・ボーと一緒にミネルヴォワの北東端のカザルでもワインを造っていて、それも良い出来です。


ラングドック地方のワイン産地④、コルビエールの記事はこちらからどうぞ。

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